BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
読んだ本や見た映画、食べた料理、旅先、育児や日常のことなど、趣味をつらつら語ります

すばらしき日々

2006-07-18 07:40:00 | のほほん日記
昨日とっても不思議なことが起こりました。ロングアイランドのサウスハンプトンのビーチへ友達と遊びに行きました。
ハンプトンズのビーチは映画「恋愛適齢期」で撮影に使われて以来、一度は行ってみたい私の憧れの場所でした。マンハッタンに勤める高給取やセレブリティの避暑地として人気のある高級お金持ち住宅街が有名です。
ペンステーション発9時48分のLRRで2時間、目指すサウスハンプトンに駅へ12時につきました。しかし駅を降りてどこにもビーチへ行くような公共交通機関が見当たりません。タクシーが来たのですが、パブリックビーチへは2人で10$ずつだと言われ、タクシーの運転手に歩いていけるか?と聞いたら4マイルもあるから無理だよといわれました。
他にもビーチへ行くというオジサン2名にタクシーの話を持ちかけたのですが、(4人で借りれば一人5$)帰りはどうする?と言われ、タクシーが本当のことを言ってるか当てにならないと却下されました。
結局この後このおじさんたちとビーちを目ざして歩いたのだが、どうやらタクシーの言ってたことは本当だったらしく、街のメインストリートでいろいろな人にビーチへの道を尋ねてみたが、知らない人や車じゃなきゃ、、、無理だよ。。。なんていう人ばっかり。
おじさんたちはどうやらビーチへ行くのはあきらめたみたいなんだけど、私たちはそのためにここに着たので今更街をショッピングしようなんて考えられません。もうタクシーを呼ぶしかないと近くの花屋さんに駆け込んで電話番号を聞き出し、メインストリートの交差点でタクシーを呼んだのですが、その直後50代手前ぐらいの白人のおじさんが話しかけてきました。「君たち何か困ってるのかい?」ってな具合に。私達はビーチに行きたいのだが公共の交通手段がなく、車もないので困ってるというと、おじさんは「自分の車でビーチまで送ってあげようか?」と言ってきました。最悪ヒッチハイクしかない!と思ってた私達には願ったりかなったりの申し出で、お願いしますと喜んでおじさんの車へ向かいました。
おじさんは向かいのカフェで休んでたのらしく、うちらの様子を見てこれは何か困ってるんだろうと話しかけてきたそうです。車へ行く途中少しおじさんと話したのですが、その時私はすごく違和感というかおかしな気配を感じました。
なんだろう。。。?この感じ。なんか前にどこかで、、、と思いつつおじさんの車を除くと、おじさんは汚いからごみを片付けるよ、、、と言って扉を開けたときアジア映画祭のポスターがちらりと見えました。その時一瞬にしてひらめきました。私はこの人を知ってる!と。
6月末にアジア映画祭を見に行ったとき、偶然私の隣に座ってた人とおしゃべりしたのだ。そのおじさんとは映画のことで会話が弾み、ついにはメール交換をしてしまったのだ。しかしこういうことはNYではよくあることだし、その後おじさんとはメールをすることもなくそのままになってたのだ。この独特の話し方にあのポスター・・・これは間違いない。
私はおじさんに「私、あなたを知ってるわ。私たちは前に一度会ってる。アジア映画祭で、、、。」というと、おじさんはものすごくびっくりしてて、私のことを思い出してくれた。
こんな偶然があるなんて、なんてことだ。たくさんの人がすれ違う大都会NYで一度映画館の隣の席になって少し話した人と、こんなロングアイランドのとある場所で再び会うとは。しかもそれが私を助けてくれた人とは。これがあるからNYは、人生はすばらしい!!と私達は大いに盛りあがりしばし興奮してました。
おじさんは喜んで、ビーチだけでなく、ハンプトンの見所を回るツアーに連れて行ってくれた。サウスハンプトンから車で抜け出し、イーストハンプトンの有名なピザ屋(ポールマッカートニーがやってくる)、一面の葡萄畑がきれいなワイナリー、そしてばかっでかくて恐ろしく高級な(10~20億円の豪邸)別荘地が連なる高級住宅街の道路を車で案内してくれた。
その後ビーチへおろしてくれて私達はしばし2時間ばかり、高い波が打ち寄せるハンプトンズの海で泳いだり、キレイな白い砂浜の上で昼寝をしたり、ビーチを楽しんだ。海沿海の面してそびえ立つ巨大な金持ちの豪邸が等間隔で連なっていて、なんともいえない雰囲気をかもし出していた。波は高くて水は冷たかったが、泳ぐと気持ちがよくって面白くって私は夢中になった。泳いだ後ビーチでくつろぐ時のけだるさがまたたまらない。
おじさんは2時間後にまたビーチへ迎えに来てくれて、日本料理屋さんへ夕ご飯を食べに連れて行ってくれた。それだけでも十分有難いのに、なんと車でマンハッタンまで送ってくれた。おじさんの家はロングアイランドにあって遠いのに、ほんとに有難い。うちらはおじさんと道すがらいろんなことを話した。おじさんは本職がライターと株式市場の仕事をしてる人で、アイリッシュで兄弟が8人もいて、映画好きでものすごくおしゃべりな人だった。
ほんの少しの偶然の重なりだけど、こんなによくしてもらっておじさんには感謝してもしきれない。でもほんとにすばらしい日だった。偶然のすごさ、人生のすばらしさを感じた一日だった