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音楽ユニットYOASOBIと直木賞作家とのコラボレーション。
昨年からYOASOBIの歌の世界観が好きでよく聞いているので、
この小説のことを知って早速購入して、土日であっという間に読んでしまった。
はじめて、、、をテーマに4つの小説が収録されています。
「『私だけの所有者』ーーはじめて人を好きになったときに読む物語」(島本理生)
「『ユーレイ』ーーはじめて家出したときに読む物語」(辻村深月)
「『色違いのトランプ』ーーはじめて容疑者になったときに読む物語」(宮部みゆき)
「『ヒカリノタネ』ーーはじめて告白したときに読む物語」(森絵都)
購入のきっかけとなったのは、「私だけの所有者」が読んでみたかったから。
アンドロイドの恋?というやつかな。
この曲をイメージしたYOASOBIの楽曲「ミスター」もすでに配信になっていますが、
とても切ないストーリーではあったけれどそんなに感情移入できなかった。
なんだろう、私はSFが苦手かもしれないですね。
4つすべてを読んでみて、一番好きだなぁと思ったのは「ユーレイ」でした。
辻村さんは初めて読んだのですが、文章がとてもみずみずしくて美しかった。
主人公が思春期の女の子っていうのも壺で、
思春期特有の危うさと先の見えなさ、不安、そして「家出」という言葉の持つ背徳感と甘酸っぱさ。
成人した大人が主人公だと家出にはならないからね。
そこは自分がはるか昔に通り越した通過点を重ね合わせているようで、
すごくしみる文章でした。
それでいてストーリーは少しハラハラドキドキもして、読んだ後のさわやかさと言ったら!!
私も家出したことある(小学校の時の話ですが)ので、
この主人公とは全く状況が違うけれど、どこか雰囲気がわかる気がしました。
次にいいなって思ったのが、「ヒカリノタネ」かな。
森絵都も青春もの書かせたらピカ一なくらい、文章が素晴らしい。
好きな男に4回目の告白を試みるという女子高生の物語で、
こちらもアップテンポな展開のストーリーでやっぱり現代ものの話が私は好きらしい。
4階も告白したいと思うくらい好きな人に出会えるっていいよね。
その分ハードルが高くなるので不安や悩みもわかるけれど、
勢いで告白してる主人公がまた共感できる(告白は勢いでしょう)!!
もし私の周りに好きな人に告白してフラれて、それでも忘れられなくて苦しい、
みたいな人がいたらまた告白しちゃいなよ!ってアドバイスしちゃいそう。
フラれ方がよっぽどこっぴどい感じでなければ(相手にもー、超迷惑だなんて言われたらしょーがないけれど)、
3回ぐらいしてもいいのではないでしょうか。
そのうち好きなのかそれは執着なのか自分でわからなくなりそうだけれどね。
好きな人に好きって自分の気持ちを伝えられることってすごく素敵なことだと思うのだよ。
それができない時代や背景も過去には存在してたんだろうし。
相手が存在してるからこそできる奇跡だしね。
ところでYOASOBIとのコラボ曲、第2弾も楽しみですね。