BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
読んだ本や見た映画、食べた料理、旅先、育児や日常のことなど、趣味をつらつら語ります

パエトーン

2011-03-30 22:39:34 | 読書感想文
うみの好きなブログ「いくらなんでも35歳」で知った「パエトーン」。
原発に関して書かれた漫画です。
かなり古い時代の漫画ですが、今でも通用する内容です。
正直言って非常に怖くなりました。
今だけ出版社HPで特別無料公開してますので、興味がある方は読んでください。

以下、内容を抜粋:
 遠いむかし、神になり代われると思いあがった若者・パエトーンをめぐる悲劇。ギリシャ神話に描かれたこの物語を現代に展開し、原子力発電の是非について世に問いかけた山岸凉子の短編作品『パエトーン』(1988年作品)を、今回Webにて特別公開させていただくこととなりました。

「原子力発電」の必要性や安全性については賛否様々なご意見があると思いますが、本作品をひとつの問題提起と捉え、将来的なエネルギー問題を議論してゆく上での一助としていただければ幸いです。

なお本作品は、山岸凉子スペシャルセレクションⅥ『夏の寓話』に収録されています。

>>潮出版社のホームページへ

http://www.usio.co.jp/html/paetone/index.html

カフェドアルペジオ

2011-03-30 16:33:40 | ぐるめハント青森

先日用事があって弘前へ行った。
震災後はガソリンの不足もあって、JR五能線を使うようになりました。
私が油を使わなかったら、その分の油が別のとこに回るでしょう。
JRを使っていると高校時代もその路線だったので、なんかすごく懐かしい。
買い物をすませ、駅前のカフェ「アルペジオ」で少し休憩。
この店は前から気になっていたんだけど、駅前で車を止めるスペースがよくわからなかったので行けずじまいでした。
今回車なしだったので、駐車場を気にせず歩いていけることに。
入口にある看板がなんかレトロでいい雰囲気。
ランチもやっていておいしそうである。
2階にあって、窓辺のテーブルからは駅前の交差点が見下ろせた。
ステンドグラスや雑貨などが店の中にいっぱい飾ってあっていい雰囲気です。
またここでは太宰治の手記(人間失格の初版本も!)が飾られてました。
文豪好きにはたまらないかも。
私はブレンドコーヒーを頼みました。
手前のテーブルでは、弘前駅前のイトーヨーカドー前で今回の地震の募金活動をした弘前大学の女子サッカーサークルがお金を数えていました。
お店に来た他のお客さんも「これも加えて・・・」などとその場でまた寄付。
「ありがとうございます!」声をそろえる大学生。
なんだか温かい光景だなぁと思いました。

〇カフェドアルペジオ 弘前市駅前町17-10

いもや

2011-03-29 22:43:58 | ぐるめハント青森
震災後にちょうど弘前へ行く用事があり、ほとんどの店が停電してる中で、ある一角だけが電気がついているエリアがあった。
ちょうど交差点と交差点の間の区画だけがぽっと電気が使えるようになっていた。
その中に「いもや」もあって、お昼時だったからランチしました。
ここは天ぷらの専門店です。
カウンターのみの小さなお店でご主人と奥さんとアルバイトの子が一人働いています。
私も何度か来ているが天ぷらが食べたくなったらここがお勧めだなぁ。
この日は震災の影響かすごく混んでた。
どこも電気が使えないから店がやってないせいもある。
持ち帰りの弁当のオーダーが大量に入っていて、ご主人はすごく忙しそうに働いていた。
私も久々ここで定食をいただいたが、熱々でサクサク、、、うまかった!
そして付け合せの漬物もすごくうまいのよ。
時間はかかったけど、おいしくいただけて幸せになりました。
しかしなんでこのエリアだけ停電じゃないのだろう。。。?と思っていたら、
ご主人が「うちは助かりました。隣に保険センター(救急医療施設)があるので、先に電気が通るみたいです。」と教えてくれた。
そうか、こういう時は電気が早く復旧する優先順位があるんだよね。
「いもや」はラッキーだよね。
そういう我が家もわが町の警察署がすぐのとこにあるので、震災の次の日には電気が通りました。
知らなかったけど、家を出てみてびっくり。
少し行くとみんな電気がついてない(信号がついていない)。
なんでうちのエリアだけ?と思ったら、わが町の警察署が近いからなのね。
うちもラッキーエリアだったのね。
でもたった一日でも電気がないってしんどいなぁと思いしった。
この先夏にかけて節電がますます厳しくなるんだよね。
気合入れないとなぁ。

〇いもや 弘前市大字田町1丁目8-32-14-7

結婚しなくていいですか?

2011-03-28 16:24:35 | 読書感想文
先日の「すーちゃん」シリーズの続き。
カフェの店長になったすーちゃんの平凡な日々。
失恋した中田店長ともうまくやりつつ、バイトの子たちとの関係も色々見え方が違ってきて、やっぱり店長になると違うなぁ。
プライベートでは前回までよく出てきたバリキャリのまいちゃんの代わりに、ヨガ教室で再会した昔のバイト先の先輩さわこさんが登場。
アラフォーなさわこさん、彼女のつぶやきがすごくリアルでストレート。
実家で母と祖母の面倒をみたりする。
老後のことを考えるすーちゃんと、介護に向き合うさわこさん。
どっちの問題も目をそらしちゃいけないとは思いつつ、ちょっと痛いなぁと思ったり。
さわこさんがお見合いする男がまたいい人そうで、最後の最後にむかついた。
子供を産める証明書って何よー、それ。
そういいつつ男性側にそれを求めると怒り出したり。
男性は心のどこかで子供を産める女が一番とか思ってる人って(けっこう多く)いるんだろうな。
産めなかったら女の価値がないのか・・・って、悲しくなるわ。
ほんとに女は生きていくのが大変よ!
すーちゃんシリーズ3作目もあるそうで、早く文庫にならないかなぁ。

〇結婚しなくていいですか? 益田ミリ 幻冬舎

たかが宗教、されど宗教

2011-03-27 22:45:18 | のほほん日記
今日は3年ぶりぐらいに昔のバイト仲間に会った。
お互い仕事の休みが合わないのと彼女が体調を崩してたりしたせいで、
あまり連絡を取らないで来たのだが、先日震災後にメールが来て仕事を辞めて家にいると言ってたので思い切ってお茶に誘ってみた。
久々会えたのはうれしかったけど、会わなかった3年の間に彼女が宗教団体に入信していたのを今日初めて知った。
そのせいか以前バイトしてた時にお茶してた頃と雰囲気が何かが明らかに違う。
なんというか挙動不審だった。
妙に周りの人(例えば隣の席のお客さん)を凝視したり、私を見るときの目線が下から目線だったり、時々会話の途中で話を中断して黙りこくったりしてしまう。
それがその宗教のせいなのかなんなのかは知れないけど、何となく朗らかで話しやすかった前の彼女のほうが好きだったなぁと悲しくなった。
でも彼女曰く「〇●(その宗教団体の名前)と出会えて、自分は生まれ変わった。今が本当の自分だ」そうだ。
さらに「今の自分はやりたいことを見つけた。この素晴らしい教えを私のように困ってる人たちに勧めたい。そのためにこれからはどんなことでもするし、ずっとそれにすべてをささげて生きたい」とも言ってた。
彼女がそれでやりがいを見つけられて、彼女自身も救われて幸せならそれでいいのだろうと思った。
何にやりがいを見つけるのかは人それぞれ違うし、私にはそれを人に勧める権利も強要する権利もないし。
だた最初その話を聞かされた時は「自分も勧誘されるのでは?」とびくびくしてしまった。
特に勧誘らしきことはされなかったけど、「あなたは何か信じているものはありますか?」という質問をされたのでびびった。
私は「自分、あと親」と答えた。
私は会ったこともない何かの神ではなく、自分と育ててくれた両親、家族、友達は信じている。
その彼女とは2時間半ぐらいおしゃべりをしたのだが、どうしてか昔のようには話せなかった。
さっきの挙動不審もあったのだが、どうにかすると話がすぐにその〇●という宗教団体がらみの話になってしまうからだ。
何かを言うとすぐに「〇●ではこうでああで・・・」となってその彼女の独演状態。
正直言って内容は面白くなかったし、そればかりかだんだん気持ちが悪くなってきて、苦しくて話が聞けなくなってしまう。
私も何も言えなくなってどんな顔していいのかもわからずに、沈黙も多くなってついには適当なウソを言って早めに彼女と別れてしまった。
何となく後味の悪い別れ方をしてしまい、すごくすごく残念である。
たかが宗教、されど宗教ってすごいのだなぁと考えてしまった一日でした。

すーちゃん

2011-03-26 21:28:33 | 読書感想文
先週、紀伊国屋で何気なく買った文庫本「すーちゃん」。
めちゃくちゃ面白くて感動した。
これ元は4コマ風のコミックエッセイです。
前からコミックエッセイのコーナーでいくつか益田ミリの本を見かけてたのでずっと気になってたんだが、文庫になったことで持ちやすく読みやすく手に取りやすくなった。
早速軽い気持ちで読んでみたが、絵もほのぼのしててすごく読みやすかった。
カフェで働くすーちゃんの何気ない日常が書かれているのだ。
そしてすーちゃんのお友達のバリキャリまいちゃんもOLの気持ちを良く代弁している。
時々悲しくなるくらいするどいキャラの心情が文字で現れてて、どきっとするし、ハッとして引き込まれる。
「すーちゃん」の世界にはまってしまった。
絵でなめてかかるととんでもない漫画だ。

「友達だからって何でも話さなくていいと考える
聞きたがり
知りたがり
説教好き
忠告好き
恩きせがましい人
大嫌い
大嫌い大嫌い大嫌い」

この文書を読んで・・・
エライ!
よく言ったすーちゃん!と思った。
私もたまーに↑こういう人間関係が疲れます。

「自分探しってなんだよ。
世界にたった一人しかいない自分を
自分が探してどうするの。
それじゃぁ自分がかわいそうだよ」

これも味があるいい言葉だわ。
私も以前知人にアメリカに留学するとのことを打ち明けた時に、この「自分探しにいく」と勘違いされた。
その知人は友達が自分探しに行くと言ったまま、
オーストラリアに行って現地で暴漢に襲われてしまったらしい。
そのせいか、まぁとにかく私がオーストラリアよりもより治安が悪そうに見える「アメリカ」へ行くことにいい顔をしなかった。
たしかに友達をそういう形で亡くしてしまったせいもあるでしょう。
ただ、私がアメリカへ行くのは当時巷で流行っていたその「自分探し」だと思われてるんだなぁとそん時思った。
少なくとも私は自分のことは自分なりに知ってたし、目的はそれではなくただ外の世界(日本ではない国)を住むことで一度味わってみたかったから行ったんんだよ。
どうせなら移民の国で移民の街であるNYのほうがさらに世界を見れるから選んだんだよ。
その最中で新たな自分を発見できれば、それはそれで儲けもんぐらいにしか思わなかった。
いろいろ考えて4年も貯金を貯めて決めたのに、理由も何も聞かずに一方的に言われたことがすごく悲しかったな。
そんなわけで話はずれたが、働くOL女子におすすめな「すーちゃん」です。

〇すーちゃん 益田ミリ 幻冬舎

会社の恩恵

2011-03-25 13:37:53 | のほほん日記
会社を辞めるまであと1週間を切ったーーー。
自分が「ぷー」になるってまだ実感がないのだが、なんだか寂しい。
言葉を交わす業者さんとも同僚とも、うちの社の駐在員さんたちとももう会うことはないのかもと思うと。
毎朝通いなれた道も風景もみんなそう。
仕事を辞めると社会から切り離されたような気持ちになるよねぇ。
今の会社で勤める前に4カ月ほど日払いバイトをしてた時期もそう思ってた。
やっぱり組織に属することでわずらわしさもあるけど、安心というか安定感みたいなものもあるし。
今は会社に居ることでの恩恵をしみじみ味わっている。
最近会社で飲んでる「SEATTLE'S BEST COFFEE」もそのうちの一つ。
すごく濃厚でおいしい。
これまで知らなかったんだけど、今の上司がスタバよりうまいよってアメリカで買ってきてくれたもの。
調べてみたら日本にもお店が進出していて、特に関西に店が多いみたいだけど、千葉へ引っ越したらぜひ首都圏の店舗へも行ってみようかなと思ってます。

幻夜

2011-03-24 15:01:49 | 読書感想文
白夜行の続編である幻夜を読みました。
オビで「白夜行の興奮がふたたび」とあったので、似たような感じの話かな?と思ってかなり期待大。
むしろどうして同じような話を書くのだろうと疑問に思ってたくらいです。
まったく騙されていましたね。
話の始めは阪神大震災の場面だったので、タイミングが悪いというか、今の地震と少しシンクロしてしまった。
主人公の二人は、白夜行とはまた正反対のイメージがありました。
たしかに美冬はストーリーではかなりきれいな外見だし、雪穂に似ているのかなぁとは思ってましたが、年齢もまったく違うし、なによりも話し方が関西弁丸出し。
白夜行では雪穂が関西弁を話すシーンはほとんどなかったし、亮二と接触するシーンも出てこなかったから、雅也と関西弁でやり取りしてい美冬を見ていたら、全然雪穂と亮二のイメージとは違って思えた。
しかしやがて美冬が偽物であるとわかり、、、その前からどんどん成功していく美冬を見て雪穂みたいだなーと思ってきたけど、まさか同一人物だったとは。
どう見ても騙されてるんだろうって、苦しむ雅也がかわいそうになってきた。
わかってるのに目を覚ませられない悲しい性。
互いを太陽に例えて共に生きていた亮二と違って、」利用されまくった気がする。
ゆう子ちゃんとうまくいってほしかったけど。
ラストシーンが意外にあっけなく思えたので、ぜひ3作目も書いてほしいわ。
私は白夜行のほうが好きですね。
なぜなら二人のやりとりがまったく出てこないから、その分濃密な結びつきとか、精神的な結びつきを想像できるでしょう。
それに比べて幻夜の美冬といえば、口でどんどん雅也を言い含めていく様子が恐ろしい。
とにかく悪女そのもの。
また夫になった秋山さんの妻の整形に気がつくシーンもちょっと怖かった。
なんでゾクゾク感は幻夜の方がはるかに増してる感じ。

〇幻夜 東野圭吾 集英社文庫

神仙

2011-03-23 11:37:52 | ぐるめハント青森
地震前にエルムに行った時、ラーメン街道に新しくオープンしたお店に行ってきた。
たまーに無性にラーメンって食べたくなるでしょう。
その店とは金沢濃厚中華そばで有名な「神仙」です。
なんかすごくありがたいような名前ですね。
中華そばと聞いて、富山ブラックのような濃い醤油口を想像していったらありゃりゃ豚骨そばでした。
オーダーしてから5分くらいできた。
すっごい早い。
超細麺で、九州系の豚骨っぽい感じのスタイル。
味は横浜の醤油とんこつっぽい感じだね。
うーん、めっちゃ濃厚です。
かなりドロドロしてるし、スタミナつきそう。
美味しかったけど、こういう濃厚は最近苦手だったりします(年齢のせいかしら?)。
食べてる途中その味に飽きちゃったりしそう。
ま、うまかったので食べれて良かったとします。

霧のむこうに住みたい

2011-03-22 21:33:00 | 読書感想文
久々に須賀敦子の文章が読みたくなって、まだ何か持ってない本があったかなぁと検索したら、出てきたのがこの本でした。
職場の近くにある本屋にも平積みにされていて、初版が発売されて8年もたつのにこんな田舎の本屋でも平積にされるなんて、やっぱり彼女の本は人気者なんだなぁと改めて感心してしまいます。
この本は彼女の最後に出版されたエッセイだと思います。
短いエッセイばかりですが、やっぱり美しいイタリアの情景が目に浮かぶような文章は素晴らしいですね。
でも冒頭のエッセイがウジ虫の湧いているチーズを食べる話だったので、のっけからびっくりしてしまった。
お嬢様である彼女がこのチーズを見たときはさすがに衝撃だったろうなぁと、想像してしまいます。
たまに出てくるイタリア人の知人たちの親切や人柄が、私の思う陽気で派手なイタリア人とはまた違った感じで新鮮です。
北イタリア独特のものなんだろうか、なぜか地味で恥ずかしがり屋でおせっかいで人間臭い。
ローマやベネチアやアッシジなど有名なイタリアの名所も出てきますが、このエッセイのタイトルにもなった「霧の向こうに住みたい」と思ったウンブリア地方の田舎にある山の峠。
その霧の流れる峠にあったバーとその中にいた無口な羊飼い。
この少しの文章がまた雰囲気があってとっても素敵でした。
人は旅をしたり外国に長く住んでいても、何年かたってふと思い出す景色って有名な都市や歴史的建造物などではなくて、こんな風に名前も知らないような場所で出会った何でもない景色なんだろうって思います。
久々に読んでみずみずしい文章に癒されました。
これ読むといつもイタリアに行きたくなるのよね。

〇霧の向こうに住みたい 須賀敦子 河出書房新社