ずっと「鬼滅の刃」ばかり読んでたので、小説を読むのはひさしぶりでした。
去年から少しずつ読んでいたノンフィクション。
ある奴隷少女に起こった出来事。
奴隷制は実際に百数十年前までアメリカにあった制度です。
歴史の授業などで耳にしたことはあっても、
実際どんなものだったのかよくわかりませんでした。
人が人をお金を出して買い、所有するということ。
主人公を所有する白人のドクターがまた陰湿で執着心のあるねちっこくて嫌な奴です。
そんな男から逃れたくて必死になる少女がかわいそうでたまりません。
今のアメリカにおける白人至上主義や黒人への差別など、
決してなくならない根強い差別なども土台はこのころにはもうあったのだろうなぁと何となく感じる。
少女の体験が淡々と語られていくのですが、
やはりつらく苦しい展開がくりひろげられます。
そんな中で彼女を支える人たちの善意や愛情、とても切ないです。
このようなつらい目をたくさん遭わされた名もなき人々がこの時代いっぱいいたんだろうなぁ。
奴隷制度は現在なくなりましたが、差別はまだたくさんこの世の中にあります。
地球上でもっとも繁栄している人間だけがたくさんの差別をしている。
いじめもそうですが、何の意味もない行為なのになくならないのが悲しいですね。
子供にはきつい話ですが、若い人こそこういう話をもっと読むべきだなぁと思う。