昨日メレさんがコメントを下さったのを読んで、かつての北杜夫ファンがこんなところにも!と喜びつつ、「そういえば北杜夫さんからのハガキはどこに片付けたっけ?」とふと不安に駆られた。
旧姓のハガキ類を探しつつ、その一枚一枚にいちいち懐かしがってしまって、はかどらないことといったら(笑)!
そのうち自分がかつて書いた「卒業論文」を掘り当ててしまった。
仏教ミッション系だったからか、和綴じで和紙の表紙をつけ、筆書き文字でタイトルなどを書くようにと仕様が指定されていた。でもそんな装丁に反抗するかの様に、中味は横書きの原稿用紙。英文読むのに苦戦する英文科の学生だったのだ。3回生の冬に、はまりまくったシェイクスピアで卒論を書く事に決めてしまった。まったくシェイクスピアがあんなに面白いなんて、20歳過ぎるまで知らなかったな。
若干20歳そこそこの小娘の初めての論文だから、たいしたことないよな、とうっかり読み始めてしまった。
しかしシェイクスピアはどこを掘ってもお宝が埋まっている奇跡の鉱脈だというのを忘れていた。しかも作品が『オセロー』で、論点は「自意識」で、悪の化身のキャラ、イヤゴウがでてくるんだから・・・これで面白くなければ嘘である。
いやー、メレさんのおかげで、遠い昔の、もうほとんど他人のような自分の論文を読んで夢中になるという、希有な体験をさせていただきました。どうもありがとう。
あ、北杜夫さんのハガキ? 現在捜索継続中でございます(困)