今朝は大嵐で、雨戸ががらがたいう音で目が覚めた。春の嵐。軽自動車での通勤なので、風の強い日は瞬間最大風速に車体が横倒しにならないかと、ヒヤヒヤするときがある。幸い通勤時間にはさほどひどい風ではなく、無事職場まで、いつもより短時間で到着できた。
帰りは山々が白い気を吐いている様に、麓近くまで薄灰色の雲をまとっていた。これも春の風景だ。
今日は当図書室のディープな顧客であり、子どもの学校繋がりや某雑貨屋さん繋がりでもあるOさんが本を借りに来てくださった。ほぼ、日曜毎に来てくださり,貸出し制限一杯まで借りてゆかれる。本の選眼もなかなかのもので、読書の黒帯ともいうべき女性。
その彼女が、「ここに図書室があるっていうことすら知らない人が結構いて、もったいない。だから私、いまここのこと、宣伝してるんです。地元の図書館にある本とはぜんぜん違うから、かぶらないし。もっともっと宣伝、しますからね!」
感謝、感激。こういうことがあるから、サービス業は楽しい。たまにもの凄く当所を気に入ってくださる方がいらして、そういうときには、本当にうれしい。この仕事、やっててよかった、と思う。
若い頃は私にできる仕事なんかないのでは? と全然自信がなかった。せいぜい平凡に事務くらいかなあ、と思っていたけど、なんのなんの、事務の方が向いてない事が今では判明。机で事務より図書カウンターで客商売の方が、だんぜん、いい。
書架のあるフロアで仕事をすることも多々あるので、本をもってふらふらしていると、お客さんが気軽にいろんなことを訊ねてくださる。
若い時には旅行に行けば写真撮ってくださいと頼まれ、道をきかれ、「彼女、ひま?」とナンパの声までもかけられた。先週の灘波(なんば)でも、駅からの道が判らず、誰かに訊かなきゃ、と考えてるうちに、若いファミリーのパパに「すみません、なんばグランド花月ってご存知ですか?」と先を越されて訊かれてしまった。声をかけ易いキャラなのかもしれない。これは職業上、必要な要素なので、喜ぶべきことだと思う。
夫と知り合うより前からこの職場にいて、蔵書構築も20年ちかく携わっている。最初は一人で図書室のほとんどを回していたので、もう私設の様に愛着がある。が、永年関わっていても、やはり書架整理をすると新しい発見や発注や受け入れにまつわる思い出なんかもあり、図書整理の仕事も気持ちを入れてできる。仕事というより、もう生活の一部と化しているのかも。
高校生の頃、新聞の書評欄を見ながら、「新聞の書評欄と本の広告みる仕事やったら、自信あるんやけどなー」と夢想にふけっていた。まるで天の耳がそれを聞き届けてくれたかの様に、どんぴしゃの仕事を15年ほどは続けている。(産前と赤ちゃん子育てのときには一時退職)ラッキーなお仕事人生なのかもしれない。(butもの凄く薄給ですけどね)
自宅より一番近い琵琶湖です。対岸の湖西の比良山系は3月まで雪があります。