紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

大人は誰か?

2008-02-14 22:36:40 | ノンジャンル
 とあるおじさんに聞いた、会社の社長とか部長とかエライ人が集まったパーティの話。

 おじさんばかりのパーティだから、コンパニオンと言われる制服のうら若い女性たちの接待付だそうである。大学生のバイトの子もいたそうで、聞けば偏差値の高い某有名大学の女の子らしい。

 エライさんの集まったパーティだし、就職お願いしてみようと、彼女は軽い気持で世界に進出している一流のA社のおじさんのところへご挨拶にいく。

 「就職試験、受けに行きますので、よろしくお願いします~」
A社のおじさんはオトナなので、その場の空気で「おう、きてくれ」と軽く流す。もちろん「だれが通すか」と彼は思っていたらしいのだが。

 気をよくして彼女は、地元ではナンバーワンの企業B社のおじさんの元へもご挨拶にいく。「就職試験、受けに行きますので・・・」
 そのおじさんは、烈火のごとく怒ったらしい。「学生の分際で、なんでこんなとこきてるねん! 誰がそんなやつ雇とたるか!」と、彼は真正面から受けて正直に対応したのだ。

 気分よくパーティを楽しんでいるおじさんらは、ずいぶん興をそがれただろう。私もその話を聞いてすぐには、「いわゆる『空気が読めない』ってやつやね」とつい口を突いてしまった。確かに大人気ない対応かもしれないが、一晩寝てすっかり考えが変わってしまったのだ。というか、視点が変わっただけなのだけど。

 そう、確かにおじさんたちには、不評な対応なのだ。場がしらけるし、後味悪いし、居心地も悪くなる。でも、かといってA社のオトナでジェントルな対応をしたら、彼女は永遠に「社会の評価」や「自分の価値」に気付かない。
 もちろん、もしかしたら、今でもなぜ怒られたのか首を傾げているのかも知れないが、それでも正直な大人の対応で、気付くきっかけにはなりえる。

 コンパニオンの職業的な善し悪しを云々するのでなく、一般社会にはどう見られているのかを冷静に知るのは大事なことだ。「割のいい仕事」だから、と何の覚悟もなく働くのはいかがなものか、ということなのかもしれない。大人の対応は、いまだ難しい。