紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

気になる部分in村上春樹

2008-12-03 15:54:07 | 読書
 もうずいぶん昔、村上春樹の小説を読んで、いまだに引っかかっている部分がある。

 主人公の大学生が寮生活をしていて、その寮が『とある右翼の大物』の寄付だか補助だかかあるため、格安の生活費でやっていけた、という部分。『ノルウェイの森』だったか、『羊をめぐる冒険』だったか。

 それから別の小説では、主人公の男性の妻の兄が、とんでもなく邪悪な男(どう悪いかは具体的に書かれていなかったようなので、かえって不気味だった)で、彼が選挙に出馬したりしていたのだけど、最終的に主人公が義兄の企み(これも具体的には書かれていない)を阻止すべく死力を尽くす場面。これは『ねじまき鳥クロニクル』。

 これらが書かれたのはまだ20世紀だったが、今思えば、21世紀の始まりを予言するかのような不安感に満ちた部分だった。

 暗雲たれ込めるような気持ちで、村上春樹の小説のごく一部をなんとなく思い出したのは、前・航空幕僚長が国内での公での発言のみならず、海外のプレス関係の方々の前でも、「おれは男だ」的まっしぐらさで、自信満々に持論を展開されたのを見たとき。あの自信満々さに、バックの膨大な頭数と底知れない力と莫大な資金力が垣間見える気がして、くらくらした。

 だからもちろんネットでも、彼を支持する声は、ことさら大きい(ことになっているのかもしれないが)。マスコミでの批判もなんのその、ネット検索の1ページ目はそんな「ガンバレ!」な声が並んでいるんだろうな・・・と覚悟していたのだけれど、案の定。だけれども、ひとつの不思議な思想に群がる声とは、別のトーンを発見。

 かつては太田光の天敵とまでいわれたこともある、この間まで日本の防衛のトップにいた石破茂さんのブログである。彼の明晰さに脱帽。こういう人が政治の世界にいるのなら、日本はもしかしたら大丈夫、と思いたい。