紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

たぬきと呼ばれて

2008-12-19 17:23:06 | お買いもの
 やっと「家」のお歳暮配り、送りの全てが終了した。届け先の中には、むろん実家もあるので、たまには、ばたばた、いそいそせずに座り込んで世間話くらいはしてみた。今年の後半は、あんまり忙しかったので、立ち寄る暇もなかったけれど、嬉しそうにむかえてくれる両親を見ると、来年はもう少し足を運ばなければ、と思う。

 あと一軒を訪ねた後、そのままスーパーに行き食材を購入。昨日からH氏のバースデー・ウイークを勝手にスタートさせた。当日盛大にお祝いできなかったので、晩ご飯に1点豪華なものを買うというココロミである。

 ちなみに昨日は帰り道の商店街の酒屋さんで、酒屋さんおすすめ(こちらの条件を考慮した上で)の日本酒を購入した。これはなかなか好評であり、うれしい。おまけに商店街にも貢献出来てうれしい。個人商店で物を買うのは、なかなか楽しいものなのである。

 今日の一点豪華は、寒くなると登場される「なまこ」様である。海水を入れたビニールの袋に詰められた「なまこ」様は高級なので、いつもは魚売り場のおっちゃんに「すみません、半分に分けてください」と頼み込んで4匹を2匹にしてもらうのだが、今日は太っ腹に4匹まとめて面唐ンようと思う。

 ほかにもめったにお目にかかれない水魚(金沢では「ぎんぎんぼう」という)や鱧(ハモ)なども格安であり、大喜びである。これぞ大漁。派手な幡でもたてて帰りたいくらいだ。水魚はお澄ましにでき、ハモは天ぷらにする。

 うれしくなって、帰り道に地元の和菓子屋さん「河瀬屋」に立ち寄る。久しぶりだ。ういろや三色ダンゴ、田舎饅頭や「もなか」がガラスケースに並んでいる小さな家族経営のお店だ。高級な生菓子などはない。

 でも製造直売なので、お餅の部分がお年寄りにも安心なくらい柔らかい。ういろなどは黒糖ゼリーのようにぷにゅぷにゅと柔らかく美味しい。

 代金を払っておつりを待っている時、ふと壁に飾られた色紙に目がいく。一枚は「七転八起」と書いたダルマの絵がついたもの。これはよくあるやつ。しかし、その隣のは!!

 茶色になんとなく黒い縞模様が少し入っている猫の後ろ姿の絵が書かれている。油性マジックで線を書いてから、ちゃちゃっと絵の具を塗ったような、一目で素人色紙だと判る稚拙な絵である。素人でもどちらかと言うと、けっしてうまくはない部類だ。

 しかし、そこに油性マジックで大書された言葉に、私は心で爆笑した。

「たぬきといわれて、はや3年」 

 たぬき色の猫の後ろ姿が、なんと心に染み渡ることよ! 

 あんまり気に入ったので、おつりを渡してくれたおばさんに「これ、描かはったんですか?」と思わず訪ねた。「いえ・・・これは・・・買うて来たもんですわ」

 そうなのだ、色紙に300円の値札シールが今だに貼ってある。実は私はこの店のサイド・ビジネスで色紙も売っているのかと、一瞬疑って訊いてみたのである。300円なら買ってもいいかと(笑)

「ええっ! どこで買わはったんですか」と、つい食い下がってしまった。あわよくば買いに行こうかと、思わなかったわけではない(笑)

 ちょっと訊いて来ます、と親切なおばさんが奥に行って、すぐそこの部屋のご亭主に「ほら、あの『たぬきといわれて』っていう色紙、どこで買うて来たっけ?」と訊ねてくださった。

 するとみずからお店に出て来てくださって
「これは、マキノで買うた。ほら、あの、駅とかいう・・・」
「あっ、道の駅ですか?」
「おお、そうそう、マキノの道の駅や。3枚ほど買うたな」
うーん、3枚買っても千円札出して100円おつりがくるもんな~、と妙に感心する。テレビショッピングのようだ。もう一枚買ったら、なんとたったの1000円!というのもありうるかもしれない。

 「たぬきといわれて、はや3年」。
色紙にこの言葉を書いて、H氏の似顔絵などを添えてみたい誘惑に駆られた。

 ☆地域情報‥和菓子屋『河瀬屋』は中主小学校からメインストリートに向かう交差点の角のパーマ屋さんの隣にあります。