花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

どこに行った根粒菌?

2018年08月03日 | 研究
では水の張った樽の中で育ったインゲンの根を観察してみましょう。
無数の根が伸びていますが、観察したい根粒がどこにも見当たりません。
マメ科植物の代名詞ともいえる根粒がないのです。
マメは生育に必要な窒素分の約半分を根に共生した
根粒菌から供給してもらいます。
根粒菌は空気中のから窒素を取り出す優れた微生物。
したがって共生しているとマメは窒素分の少ない土地でも生きていけるのです。
ところが窒素分のたくさん入っている富栄養化を再現した
水道の水で育てたらなんとなくなってしまいました。
そもそも水道の水の中には根粒菌はいません。
だからつかないと考えられますが違う原因も考えられます。
調べてみるとマメ科植物は窒素分の多い土壌では
窒素を供給してもらわなくても生きていけるので根粒菌と共生しというのです。
根粒を作るのは植物にとって大変エネルギーのかかる仕事。
「必要性がなければ作らない」とは賢明な判断です。
おそらくそんな理由で根粒がなくなったのだと思われます。
すると生育に必要な窒素分はすべて根から吸収することになります。
どちらが理由なのか証明することはできませんが、もしそうであれば
水の中の過剰な窒素分を吸収しようと活動しているチームにとっては好都合。
もしかしたら根粒がないおかげで浄化力が格段にアップしたのかもしれません。
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大地に根を張らない生き方

2018年08月03日 | 研究
チームが開発中の水質浄化と食料生産を同時に行うシステム。
今回はトウモロコシとインゲンマメの2つの植物をチョイスしました。
これは屋外で水耕栽培しているインゲンマメ。
水耕栽培の特徴である長く伸びた根が確認できます。
植物工場でも同じですが、苗を植えた直後は
なかなか生育せず、とても不安になりますが
ある時を境に一気に生育が加速します。
それがこの水中根の発生。
水の中でも酸素をもらえる特殊な根が出てくると
突然生育が良くなるのです。
「大地にしっかりと根を張って生きる」という言葉がありますが
こちらは不安定な水の上で大地がありません。
しかし硬い土がない分、根は自由にどんどん伸ばすことができるのです。
なんとなく人間にも共通するところがあるような気がします。
ところが水耕栽培といえばレタスなどの葉物がほとんど。
マメや穀物を育てようという人はまずいません。
したがって果たしてインゲンマメが育つか心配でしたが
案ずるより産むが易し。
立派に育ってたくさんの実をつけています。
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