花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

はじめの一歩

2018年10月26日 | 研究
終活と称する馴化温室の大掃除。
必殺仕分け人である最後の5人のメンバーにより
いろいろなものが廃棄、保管の仕分けがされていきます。
温室の棚に並べられているのはLEDランプ。
なんと初代メンバーと大金を投入して2009年に購入した赤と青のLEDランプです。
いわばフローラ(花)フォトニクス(光工学)という名前の由来となったもの。
青色発光ダイオードを開発された中村先生がノーベル賞を受賞したのが
2014年ですから、いかにまだ高価だったかがわかると思います。
もちろん地元では売っていなかったので秋葉原まで買い付けに行き、
5人の初代メンバーによって配線され、実験に使ってきました。
10年前に四苦八苦して取り付けたランプも配線もいまだ現役。
スイッチを入れるとちゃんと照射され、昨年まで使っていました。
そこですべて大切に取り外して収納することにしました。
2009年結成すぐ、LEDによって草花の草丈を制御する技術開発に取り組んだ結果、
わい化させることに成功し、農業高校では初めてといっても過言ではない
学会のポスター発表に参加したのが今も忘れられません。
学会ってどんな集まり?ポスターってなんだ?
農業クラブでは必須の原稿読み上げという方法ではなく
頭できちんと理解し、その場で質疑応答していくというスタイルは
農業高校生には無理だとみなさんにいわれましたが
当時のメンバーは先駆者になろうとみんなワクワクしながら挑戦したものです。
さらに当時は植物工場という言葉すら耳にしない時代です。
草花にLEDを照射した研究例などなかったらしく、教授たちも興味津々。
彼らの研究は学会でことごとく入賞し、心配したみなさんも驚かれたものです。
今でこそ青森県の農業高校すべてでポスター発表が導入されていますが
これはチームフローラフォトニクスが与えた影響。
来春、チームの実体は消えますが、彼らのチャレンジは文化となって残ります。
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終活始めました

2018年10月26日 | 研究
今年1年間、チームが借用してきたのは大型水耕温室。
もちろんストッホクルムで開催される水研究で発表するデータを取るためです。
そのため名農は本来であればトマトなどを栽培する温室が稼働できず
環境システム科の皆さんにはご迷惑をかけてしましました。
しかし現在はすっかり片付けて明け渡しています。
さてチームが次に取り組んでいるのが
長年ベースキャンプとしていた馴化温室の後片付け。
こちらは結成の翌年から使っている温室で今年で9年目になります。
ときどき整理しながら使っていたとはいえ、
さすがに9年となればいろいろな資材が増えています。
ゴミのような、でもすべてに思い出のあるものばかり。
でも来年3月にチームは解散し、この温室を本当の持ち主である
生物工学研究班に返還するためには思い切って廃棄しなければなりません。
しかし南部町はまもなく霜が降りてくる季節です。
そこで3日間、つまり課題研究の6時間をかけて大掃除することになりました。
不思議なことに5人のメンバーは仲間内で話すこともなく
黙々と自分たちで廃棄や保管を考えながら片付けしています。
無から始まり、さまざまな成果を上げた
チームフローラフォトニクスがまた無に戻っていきます。
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