花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ミッションはレスキュー!

2011年05月25日 | 学校
5月上旬、とうとう県知事からサクラソウ採種のゴーサインが出ました.
みんなで苦労した甲斐がありました。
興味深いことに文書が指令となっています。
まさにミッションはレスキュー。
採種しないで大切に守ればという考えもありました。
確かに海岸の自生地は地元の守る会の人たちのボランティアによる巡視で
盗掘や写真撮影のために足を踏み入れる心ない人から守られてきました。
しかしたくさんのサクラソウが草地一面咲いているようなイメージを持つ自生地ですが
実は約5m×5m程度と驚くほど狭い範囲にしか存在しません。
万が一このまま減少してしまえば種差海岸のサクラソウは絶滅となります。
すでに絶滅した県もあります。
そこで今回、貴重な生物資源を保存するために
強制的に自生地に入り緊急採種することにしたのです。
チーム・レスキュー、いよいよ出動です!
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許可申請

2011年05月24日 | 学校
サクラソウが自生している種差海岸は県立公園です。
さらにこの海岸線12km、880haは国が指定している名勝地でもあります。
したがって法的に草一本でも傷つけることはできません。
もちろん保護目的とはいえ勝手に採種することもできません。
そこでチームは管轄する県や市などに何度も連絡をし、足を運んで思いを伝えました。
種差海岸では過去にこのような事例はなく難しいものでしたが
最後はなんとかご理解をいただき採種の申請書を作ってみることになりました。
震災からまだ1ヶ月もたたない4月上旬のことです。
申請は計画書はもちろん、地権者の承諾や現場の写真や地図などが必要となります。
写真は採種地の大まかな位置図と詳細な地形図を作るメンバーです。
貴重な生物資源を採種する責任を感じながらの作業となりました!
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TEAM RESCUE 救うは"シーボルトのサクラソウ"

2011年05月23日 | 学校
チーム・フローラフォトニクス、今年は"TEAM RESCUE"という別名を持っています。
この名は大震災の被害を受けた植物を救いたいという決意のあらわれです。
そこで2~3年生12名はそれぞれの研究テーマの他に
今年はチーム総動員で東日本大震災で被害を受けた絶滅危惧植物のサクラソウと
塩害が予想される海水をかぶった花壇や農地の
新しい除塩や土壌改良技術の開発にも取り組んでいます。
またチームは毎年お揃いのユニフォームを製作していますが、今年のデザインはこれ。
今年の活動のシンボルともいえるサクラソウの保護活動をメッセージ化しています。
"Take action for Primura sieboldii"!
日本サクラソウの学名は江戸時代に活躍されたドイツ人医師シーボルトが標本にして
世界に紹介したことからPrimura sieboldiiと命名されています。
シーボルトさんのサクラソウという意味になるのでしょうか。
日曜日の新聞にもチームの保護活動がカラー写真付きで紹介されていましたが
みんなが選んだ好きな色のシャツの背にはこのメッセージがついているのです。
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藍より青しLED

2011年05月22日 | 学校
チームの温室はあいかわらず素敵なナイトスポットです。
これは青いLEDを浴びて生長するタデ藍の苗です。
2年生の実験ですが、やはり赤の光の方が発芽はよく揃うそうです。
さらに一般的に赤色光は葉を早く大きくさせる効果があるので
葉を染色に用いるタデ藍ならば赤い光の方が効果的なように思われます。
タデ藍はご存知、藍染めの原料となる植物です。
サッカー日本代表のユニフォームであるジャパンブルーです。
植物は青や赤など受ける光の質によって葉や茎に含まれる成分が変化します。
もしかしたらタデ藍の色の元になる成分インジカン(酸化してインディゴ)の量や質が
変わるかもしれません。もし量が増えたら染色家は嬉しいはずです。
青い色を増やすにはイメージとして青い光を照射する。
何の根拠もありませんが、とにかくやってみなければわかりません。
そこで2年生は赤や青などいろいろな光を照射しています。
チームの原動力は知的好奇心なのです!

本日の地方紙にも先週チームが行った種差海岸のサクラソウ保護活動が紹介されました。
ぜひご覧下さい!
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種差海岸とサクラソウ

2011年05月21日 | 学校
絶滅が心配されるサクラソウ。
青森県のレッドデータブックでは最も絶滅が心配されるAランクに分類されています。
特に八戸市の種差海岸は海沿いにある全国的にも珍しい自生地です。
大学の先生に伺うと遺伝子的にも独特のものがある貴重な群落だということです。
国立公園化の動きもあるためそろそろ保護しなければと
チームで話し合っていたところに思いがけぬ3.11の大震災。
津波が自生地を飲み込んでしまったのです。
左に見える海が津波によって中央の自生地を超えてなんと右の道路まで押し寄せたのです。
よく見ると草地の地肌が見えているところもあり押し寄せた波の高さがわかります。
助けるのは今しかありません。
しかし県立公園のため植物を採取することはもちろん、
遊歩道以外に足を踏み入れることすら法律で禁じられています。
そこでチームでは4月からサクラソウの保護活動の許可を得るため奔走してきました。
ブログで紹介したチームのプリムラ人工授粉や土壌の除塩などの研究は
すべてこのサクラソウ保護を意識して取り組んできたものなのです。
正式な県知事の指令も出たのでいよいよ活動の様子を公開していきます!

昨日の地方紙にもチームの取り組みが紹介されたのでぜひご覧下さい。
http://cgi.daily-tohoku.co.jp/cgi-bin/news/2011/05/20/new1105201401.htm
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