基本的なケア
⑴環境の力
認知症の人は環境の変化に弱く、環境に適応していく力も低下しています。BPSDの発生にも環境は大きく関わっています。
環境を考えるときには、ケアの場を小さくすることが勧められています。たびたび同じ人に出会うようにすればなじみの関係がつくりやすくなるからです。
認知症になった後に入所する、転居するという場合には、家具やふとんのような本人がなじんだものを身近に置くといった配慮も必要です。
なじみの空間をつくるときには、認知症の人が一人になれる空間と、他者と交流できる空間を区別することも大切です。
⑵その人を知る
一定の枠組みに従って、継続的に多面的に情報を集め、アセスメントを積み重ねる必要があります。
「認知症の人のケアマネジメントセンター方式」(センター方式)によってアセスメントする。
⑶基本的な生活を整える
認知症であっても朝には起床し、その人の体力に応じて活動的に昼間を過ごして、穏やかに夜の眠りにつくのが基本的な生活リズムです。廃用症候群を防ぐためにも、適度な運動が必要ですし、他者と交流することで喜怒哀楽を感じたり、達成感を味わったり、自信を回復したりといったことも社会性という側面からは重要です。
⑷アクティビティ
アクティビティとは本来、活動や活気を示す言葉ですが、ケアの現場ではレクリエーション活動の一環として、生活に喜びや意味をもたらすさまざまな活動に対して用いられています。
薬剤を使わない治療として、専門家によって行われる回想法や音楽療法、園芸療法などの活動も多数開発されています。
〜介護職員初任者研修課題テキスト2より
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