洗浄バリデーションは医薬品製造に欠かせない考え方の一つです。
身近なキッチンで例えるならば・・・
ハンバーグを乗せたお皿を洗浄する場合と仮定します。
1 「油類がおちて、お皿がきれいに洗えた」といえる条件を決めて、
お皿に残っている油類を目で見て確認。落ちてなかったらもう一度洗い直します。
2 洗浄後に、お皿に洗剤が高濃度で付着していないか確認する。
3 洗浄する水が清潔か お皿に残っても安全かを確認します。
4 使用するスポンジやカラフルな水槽、おふきん、食器戸棚が、
腐ってないか、カビが生えてないかを確認します。
食品衛生にも通じるでしょう~。
40代の後半は、社員教育に力を入れていました。
お金がかかること、しんどくなること めんどくさいこと、
よくわからんこと、今までと違うこと 今できてないこと・・・
皆さんの嫌がることを推進するのが、私の仕事でした。
製造規範を一人で学習することは、さほど苦労ではありませんが
真に職能が発揮されるとしたら、「必要なことを実現するための交渉」だと思います。
会社側にはその変更が必要な理由を述べて内容を解説し、そして予算交渉。
従業員にはGMP教育活動と、製造現場を回ってルール違反を発見したら、その場で交渉。
もちろん、くじけたことも、嫌われたくなくて本人に直接注意しなかったこともあります。
しかしながら、そのままにしないのが私流。思いつく限りの様々な手段で伝えました。
そんなこと、今では遠く忘れていたのですが・・・
メールが届きました。
彼女は、私が発起人のGMPクラブに参加してくれた品質管理部門の若い女性で
製造部門の新入社員と私と3人で、仕事が終了してから、週に1度、勉強しました。
GMPクラブの承認や部屋の使用を許可してくださった社長に感謝しつつ
全従業員対象の教育よりも、難しいことを指導しました。
メールには、「先の査察で、ついに洗浄バリデーションの指摘を受け、資料を参考に
みんなで対応を話し合っています。このことをお知らせしたかった!」というものでした。
直接、私ができなかった内容も、若い人達が育って成し遂げるんだなあと
しみじみと嬉しい気持ちがこみ上げてきました。
同時に、
あの頃、頑張れたのは、それ以前に務めた大企業で出逢った方々の影響が大きく
多くの知識ばかりか、海外の製薬企業の人と出逢う機会を与えていただき、
意見交換を聞いたり、管理職の方々の考え方や行動を見て、成長させていただいたおかげです。
私も、育ててもらった、大切にしていただいた、そんな満足感から嬉しいのです。