相談員という職業は
怒っている人に出逢うことが多い
怒りをぶつけられて、へこむのは、
私に<怖れ>があるからだと思う。
怒られることをしでかしたかもという恐怖は
失礼なことをしなかったか?
逆鱗に触れる言葉を発しなかったか?
つい、原因は私にあると感じてしまう癖がある。
1日くらいは、クヨクヨと考えるが、残念なことに
たいていはわからないままだ。
怒るか、怒らないかの判断は、相手の価値観で決まる。
同じことを言い、同じように接しても
喜ばれたり嫌がられたりバラバラだから、
とりあえず、1日で原因探しを終了しなくてはならない。
注意すべきことは、己の怖れにとらわれすぎると
目の前の相談者に関心が向かなくなる。
それは、相談員失格と言わざるをえない。
イライラしている人は、その理由がよくわからないという。
表面的な出来事の損得ではなく
他人に対する好き嫌いでもなく
異なる価値観の葛藤に苦しんでいるようにみえる。
怒る人の周囲に、人は集まらない。
怒りをキャッチしてくれる相手がいなくなると
益々、怒りは増え、たまる。
怒りの一つ一つを、ごみ袋一つ一つに例えると
ゴミ屋敷状態だ
ゴミ収集車が家庭のゴミを持ち去ってくれるように
相談員も、淡々と相談者の怒りを回収できるといい。
危険で、臭い仕事を、誰かが頑張ってくれるから
私達は気持ちよく暮らせるのだ。
怒りの中に置き去りにされたら、病気になってしまいかねない。