笑顔浴

優しい時間

幸福のおすそわけ

2018年01月05日 | Weblog

 

大晦日にあわただしく帰省するのが 私の数十年間の行事です。

父の居た頃は、おせち料理のラストスパートの手伝いで

巻寿司が仕上がるのは午後9時頃、紅白歌合戦はBGMでした。

最近は、既製品のおせち料理と巻寿司のおかげで助かってます。

 

昨年までは、母が玄関のお正月飾りを担当したのですが

今年は何もなし。

ここからかい!と玄関でツッコミたくなりましたが

しかたがない、今年は90歳になるんだもの。

 

「おせちが届いとるよ~」と母が呼ぶので

毎年、料理を見よう!見よう!ということになります。

風呂敷を解いて 母が蓋を開けます。

おお、美しい~! 美味しそう~!と気分も盛り上がって 作業スタート。

 

お正月の漆食器を拭いて、買ってきたお屠蘇をセットして

キッチンの棚扉の一部を木工用ボンドで貼り付け

壊れた電話用拡声器の電池を購入して入替え

食卓の上を占領するゴチャゴチャを全部片付けて

お刺身やみかんやお餅を夕暮れに買いに出かけて

それから、年越しそばの準備をします。

私達のお正月だから、頑張るわけです。

気が付くと、ずっと立ちっぱなしで

床に落ちた箸を拾った瞬間に 脚と腰に痛みが出ました。

よたよたと自宅に戻るまでの時間の長さよ!

 

てなわけで・・・

1月2日は自宅で、朝昼晩に湯治をしました。

蛇口からお湯が出て、いつでも湯舟につかれて 誠にありがたいことです。

快適な部屋で 美味しいものをほおばり TVを観て 音楽が聴けて

太めですが内臓は健康、恐怖で身体が震える対象もいません。

安心と安全を ある日 想定外に喪失し、

今日も、心から求めている人々に対して申し訳けなく、

何かの形で、幸福のおすそ分けせにゃいかんです。

 

小学生の頃の寮母さんの講話でした。

「お菓子を手にしたら(10人~20人分だから)

 貴女ひとりが貰ったと勘違いせず、

 少量でも周囲の人に分けましょう。

 もし無くなっても 心配いらない。

 直ぐに、次のお菓子は届くから。

 菩薩様は、これでもかっていうほど配っておられるのよ。

 実はね、皆なのお母さんやお父さんは

 菩薩様に頼まれて、ここへお菓子を運んでくださるの」

 

「蜘蛛の糸」のカンダタは、

 大勢の人の体重で 天国へつながる糸が切れてしまうと怖れて、

 独り占めしたから、糸が切れて 全員天国に到着しなかった。

 みんなで天国に入れなくて 残念~!

 仏様の慈愛は、大勢の人を救えるほど強いから大丈夫なのにね~。」

 

 

 家族が面会に来てくれる上、寮では食べられないお菓子もゲット。

 恵まれている自覚もなく 貪欲にむさぼってたねー私。

 それから 私は、面会の日に母が持参したお菓子を 

 同室の 家族が来ない子達にわけた。

 そして待った。凄く期待して待った。

 直ぐって、いつ?

 誰が 届けてくれるの?

 私、まだお菓子食べてないんですけど。

 寮母さんは嘘つき!と責めたくなった。

 馬鹿だな~損したよ~と後悔した。

 ところが、忘れた頃に

 あの時のお礼にと、菓子パンを2つももらった。

 親が買ってきたという漫画本を、先に読ませてくれた。

 小学4年生女子で、天下分け目の大喧嘩の時、

 私の味方が大勢いて勝利してしまった。

  私が学んだことは、

 「直ぐ」っていうのは、私の損得勘定が消えた頃ってこと。

 もともと何人分かの幸福や恵みなんだから、

 私が独り占めしていいわけないよねってこと。


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2018年 戌

2018年01月05日 | Weblog

小暮さんの作品 2018年 戌

今年もありがとうございました。

 

お正月が穏やかなお天気に恵まれて 幸せでした。

元旦のTVで 「初日の出」の映像を見ていた母が

「奇麗な満月じゃね~」というのです。

 

老人性難聴になってから会話がかみ合わず、

よほど嫌な思いをさせてしまったのか

食卓でも、黙ってTVを見ている母です。 

「あれは朝日でっせ!」と訂正したいのを我慢して

とりあえず、「満月やったん?」と聞いてみました。

 

年末年始は実家に通いました。

毎度、母は窓を開けて見送ってくれます。

明るい月夜が続いていたね、と話したかったようで。

そういえば、月の光で影を見ることもできました。

スキップする話と話の間をつなぐ<想像力>が

鍛えられてきました。

 

七草粥の小さな野菜セットが並び始めたので

そろそろ、生活のスイッチを切り替えるタイミングですね。

どなたにとっても、

心に残る一年でありますように

 

 

 

 

 


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