ココア、美味しいですね。お好きですか?
受験生の時期に、毎晩ココアを作ってもらったので
今でもココアを飲むと、ふと意識が遠い昔に飛んで戻ります。
五感と記憶の結びつきは強いそうですから
きっと、私だけではありません。
父が「進学舎」という学習塾を始めていたので
高校受験の合格ラインすれすれ 否、落ちそうな私は、
私よりは合格の可能性が高いAさんと、冬休みから自宅で合宿に入りました。
私が合格できたのは、父の指導とAさんのサポートのおかげです。
こたつで寝た時に、彼女によく起こしてもらいました。
暗記は、替え歌を作って一緒に歌いました。
彼女は大変オトナシイ人で、ココアを美味しそうに飲みました。
自分から何も話さないけど、ニコニコしてくれるので
私は、養護学校の面白い話をしました。
当時、養護学校は県下に1校、しかも中等部まででした。
卒業後は、自宅に戻るか、自宅に戻らないかを選択します。
(クラスメイトのほとんどは、小学生の頃から寄宿舎で暮らしています)
地元の普通の高校か、徳島県の養護学校高等部へ進学したり
身体障害者更生指導所や広島の職業訓練校や、障がい者支援施設に進みます。
「障がい児」から「障がい者」への呼び名の変化で
大人になった事を感じたものですわい。
同じ高校で、それぞれに友人ができ、
階段の途中で出逢うと、笑顔でエール交換しました。
彼女は、都会の福祉関係の大学へ進み
重度障がい児が集う施設で働いているらしいと
30歳を過ぎた頃、風の便りに聞きました。
お元気でお過ごしでしょうか?
どんな人生を歩んでおられるでしょう?