DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

生きる(25)

2015-04-28 04:49:38 | 物語


4月26日の日曜日、私たちはびわ湖にささやかなプレゼントをした。

沖島の漂着ゴミの清掃だ。

この島は、我が国の湖で唯一、人々が生活をしている島だ。

昨年、離島指定を受けている。

八幡浜に集合した私たちは漁船に分乗し、沖島の集落から離れた湖岸に向かった。

びわ湖トラストでは、毎年1回、このような取り組みを行っている。

思う心と行いを一致させること。

陽明学の教えだ。

老若男女100名が集まった。



中でも驚いたのは、中国湖南省からの留学生が20人も集まったことだ。

みんな非常に熱心で積極的だった。

中国では、ごみのポイ捨てがひどい。

この若者たちが帰国して、かの地の環境保全に少しでも貢献してくれれば、と心から願った。



誰かが言った。

中国の若い人はこんなに積極的なのに、日本の若者はどうして消極的なのだろうか。

もちろんすべてがそうだとは言わない。

しかし、確かに、この国の若者たちの社会に対する無関心ぶりは、将来への不安さえ感じさせる。

「日本の人たちに望むことはありますか」

そう問いかけると

「もっと日本の人たちと触れ合いたい」

という答えが返ってきた。

ゴミ拾いをきっかけとしたささやかな日中交流。

期待を持って日本へやってきた中国の若い留学生たちは、日本人とどうやって付き合ってよいのか、戸惑っている。

少しでもびわ湖の恵みに感謝しようと思って始めたゴミ拾いだが、思いがけない成果もあった。

日常の生活からはわからなかった、ふれあいの欠如に気がついた。



参加者たちへの、びわ湖神様からのささやかなプレゼント。

晴れ渡った青空と、澄んだ空気と、小さな幸福感だった。

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