本屋大賞を受賞したベストセラーです。
まず第一に、普段は日の当たることのない辞書の編集者に目をつけた作者のアイデアの勝利でしょう。
実際の現場への取材を通して、普通の人の知ることのない辞書編纂の裏側を紹介しています。
しかし、そこに盛られた人間ドラマがあまりに薄っぺらいので驚きました。
登場人物の描き方が、どれをとっても表面的で魅力がありません。
もちろん、こういうマンガ的な平面的キャラクターの描き方が、今のエンターテインメントでは主流なのは承知していますが、それと辞書の編集という題材とがミスマッチをおこしています。
また、辞書の編纂には時間がかかるので、作品を時間的に二分して、登場人物の若返りを図るとともに、どちらの時代にも恋愛物語を挿入するのは、三浦のメインの読者である若い女性へのサービスなのでしょうが、安直すぎてついていけません。
本屋大賞も、最初の小川洋子の「博士の愛した数式」のころは隠れた本を発掘してベストセラーにする働きを持っていましたが、だんだん既に売れている本の人気投票のようになって、受賞作は質的に大幅に低下しています。
もちろん書店員は本を売るのが仕事なのですから、どんな形であれ本屋大賞によってベストセラーができればそれでOKなのでしょうが。
まず第一に、普段は日の当たることのない辞書の編集者に目をつけた作者のアイデアの勝利でしょう。
実際の現場への取材を通して、普通の人の知ることのない辞書編纂の裏側を紹介しています。
しかし、そこに盛られた人間ドラマがあまりに薄っぺらいので驚きました。
登場人物の描き方が、どれをとっても表面的で魅力がありません。
もちろん、こういうマンガ的な平面的キャラクターの描き方が、今のエンターテインメントでは主流なのは承知していますが、それと辞書の編集という題材とがミスマッチをおこしています。
また、辞書の編纂には時間がかかるので、作品を時間的に二分して、登場人物の若返りを図るとともに、どちらの時代にも恋愛物語を挿入するのは、三浦のメインの読者である若い女性へのサービスなのでしょうが、安直すぎてついていけません。
本屋大賞も、最初の小川洋子の「博士の愛した数式」のころは隠れた本を発掘してベストセラーにする働きを持っていましたが、だんだん既に売れている本の人気投票のようになって、受賞作は質的に大幅に低下しています。
もちろん書店員は本を売るのが仕事なのですから、どんな形であれ本屋大賞によってベストセラーができればそれでOKなのでしょうが。
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