現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

サキ「平和的玩具」サキ短編集所収

2019-04-14 15:11:16 | 参考文献
 軍隊や武器の玩具で戦争ごっこばかりしている男の子たちを憂えた大人たちが、文化人の人形や日常用品のミニチュアなどの平和的玩具を彼らに与えるお話です。
 当然、男の子たちは興味を示しませんが、半ば強制的に遊ばされます。
 でも、ちょっと大人たちが目を離したすきに、男の子たちは文化人の人形と日常用品のミニチュアを使って、戦争ごっこをしていました。
 この短編が書かれたのは100年以上も前のことですが、大人たちと男の子たちの同様のせめぎ合いは、その後もずっと続いています。
 日本では、漫画、テレビ、アニメ、ゲームなどで、繰り返し男の子たちが夢中になるものは、「俗悪」「有害」「低俗」などのレッテルをPTAなどに貼られてきました。
 現在では、エンターテインメントの消費の中心は完全に女性になっているので、これらの子ども向けエンターテインメント類のほとんどは、大人の女性の眼鏡にかなうように漂白されて、毒にも薬にもならないものばかりになっています。
 それぞれの記事で紹介しましたが、アニメでは「エヴァンゲリオン」、「進撃の巨人」、「ジョジョの不思議な冒険」などは、それらの目をかいくぐって、かなり残酷なシーンをキープしています。
 ただし、「進撃の巨人」はNHKで放送するようになってからは、見事に女子ども向き(児童文学者にあるまじき差別用語ですね)な人畜無害なものに漂白されてしまいました。
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マニー・パッキャオ

2019-04-14 08:56:41 | 映画
 言わずと知れたボクシングの6階級世界チャンピオン、マニー・パッキャオを描いた、2014年のアメリカのドキュメンタリー映画です。
 型通りにフィリピンでの貧しい生い立ちから、アメリカに渡ってボクシングで文字通りのアメリカン・ドリームを実現した半生をおっていきます。
 ただ、単純なヒーローものでなく、彼の周りに金儲けのために群がった人間たちや彼自身の失敗も描いていて、パッキャオの多面的な活躍(ボクサー、バスケットボール選手、タレント、歌手、政治家、宗教活動家など)を駆け足ですが追いかけています。
 その後、パッキャオは、2015年にフロイド・メイウェザーとの「世紀の一戦」を戦い、2016年に引退しましたが、その後カムバックして世界王者に返り咲いています。
 他の世界でもそうですが、ビッグマネーが動くようになると、その関係者がどんどん毒されていく様子(そのために本人はなかなかやめられない)がよくわかり、興味深かったです。

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