十五少年漂流記と言えば、1888年にヴェルヌが書いた少年小説の古典中の古典です。
私もご多分に漏れず、講談社版少年少女世界文学全集に入っていたこの作品の抄訳は、小学生時代の愛読書のベストスリーに入っていて、それ以来全訳も含めて何度読んだか数えきれないほどです。
その舞台になっていた南米のハノーヴァー島(少年たちは、自分たちの学校の名前を取ってチェアマン島と呼んでいました)と、園田女子学園大学の田辺眞人名誉教授がそのモデルとして異論を述べている少年たちの出発地のニュージーランドにより近いチャタム島を、探索するというルポルタージュです。
しかし、この本こそ「羊頭狗肉」というのにふさわしい物でした。
題名とは関係ない過去の椎名の旅行や思い出話が、全体の90パーセント以上を占め、全く期待はずれでした。
椎名の結論はここでは述べませんが、それも読む前に予測された範疇を一歩も出ていなく、わざわざ現地まで行った成果はまるでありません
いくらテレビ番組と雑誌のルポ連載のための企画とはいえ、余りにひどいやっつけ仕事です。
このテーマは、もしきちんとした研究者だったら、一生をかけて研究してもいいほどの興味深い内容なのに、なんでこんなおざなりなやり方をするのかと、怒りがこみ上げてきます。
椎名は、テレビ局や出版社にお金を出してもらってどこへでも取材に行ける特権的な立場で、相変わらず世界中を駆け回っているようですが、こんな仕事の仕方であったら一つとしてまともなことはできないでしょう。
書かれている事柄は、すでに彼の他の本に書かれていることの二度売り、三度売りが大半です。
これは今に始まったことではないのですが、この本の場合は同じ内容が本の中でも繰り返されているところもあり、とてもきちんと推敲したとは思えません。
確かに、雑誌に連載中の時はそういうことも起こるかもしれませんが、一冊の本にまとめる時にきちんと書き直すべきでしょう。
同じ本の中で同じ内容が繰り返されると言えば、故庄野潤三氏のエッセイ集が思い出されますが、あれは八十過ぎのご高齢の時の作品ということで、かえってご愛嬌と思えましたが、この本が出た時椎名はまだ六十代前半なのでボケるにはまだ早すぎます。
椎名は「十五少年漂流記」を子ども時代からの愛読書としていますが、その名を借りてこんな低レベルの本を出したことは、世界中の「十五少年漂流記」ファンに対する冒涜以外の何物でもありません。
私もご多分に漏れず、講談社版少年少女世界文学全集に入っていたこの作品の抄訳は、小学生時代の愛読書のベストスリーに入っていて、それ以来全訳も含めて何度読んだか数えきれないほどです。
その舞台になっていた南米のハノーヴァー島(少年たちは、自分たちの学校の名前を取ってチェアマン島と呼んでいました)と、園田女子学園大学の田辺眞人名誉教授がそのモデルとして異論を述べている少年たちの出発地のニュージーランドにより近いチャタム島を、探索するというルポルタージュです。
しかし、この本こそ「羊頭狗肉」というのにふさわしい物でした。
題名とは関係ない過去の椎名の旅行や思い出話が、全体の90パーセント以上を占め、全く期待はずれでした。
椎名の結論はここでは述べませんが、それも読む前に予測された範疇を一歩も出ていなく、わざわざ現地まで行った成果はまるでありません
いくらテレビ番組と雑誌のルポ連載のための企画とはいえ、余りにひどいやっつけ仕事です。
このテーマは、もしきちんとした研究者だったら、一生をかけて研究してもいいほどの興味深い内容なのに、なんでこんなおざなりなやり方をするのかと、怒りがこみ上げてきます。
椎名は、テレビ局や出版社にお金を出してもらってどこへでも取材に行ける特権的な立場で、相変わらず世界中を駆け回っているようですが、こんな仕事の仕方であったら一つとしてまともなことはできないでしょう。
書かれている事柄は、すでに彼の他の本に書かれていることの二度売り、三度売りが大半です。
これは今に始まったことではないのですが、この本の場合は同じ内容が本の中でも繰り返されているところもあり、とてもきちんと推敲したとは思えません。
確かに、雑誌に連載中の時はそういうことも起こるかもしれませんが、一冊の本にまとめる時にきちんと書き直すべきでしょう。
同じ本の中で同じ内容が繰り返されると言えば、故庄野潤三氏のエッセイ集が思い出されますが、あれは八十過ぎのご高齢の時の作品ということで、かえってご愛嬌と思えましたが、この本が出た時椎名はまだ六十代前半なのでボケるにはまだ早すぎます。
椎名は「十五少年漂流記」を子ども時代からの愛読書としていますが、その名を借りてこんな低レベルの本を出したことは、世界中の「十五少年漂流記」ファンに対する冒涜以外の何物でもありません。
『十五少年漂流記』への旅 (新潮選書) | |
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