現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

チャップリンの黄金狂時代

2020-05-18 10:33:30 | 映画
 1925年公開のアメリカ映画です。
 当時アラスカで起こったゴールドラッシュに狂奔する人々を、痛烈に風刺しています。
 ストーリー自体は、最後に黄金を得て億万長者(死後ですね)になり、美女とも結ばれるハッピーエンドですが、それよりも特撮技術もそれほど発達していない時代に、観客を随所でハラハラさせる映像表現の方が魅力的です。
 特に、吹雪で山小屋に閉じ込められ、飢えて靴を食べるシーンが有名です。
 靴紐はスパゲッティのように巻いて食べ、靴に打たれていた釘は鶏の骨のようにしゃぶりながら、靴底をステーキのようにして食べる様子は、まさしく至芸です。
 また、短いシーンですが、二個のロールパンにフォークを刺して、まるで二本の足のようにして即興のダンスを演じてみせるシーンも、すごく動きが自然で可愛らしいです。
 オリジナルは無声映画ですが、私が見たのは、チャップリン自身が音楽とナレーションを付けた、1942年のバージョンのようです。


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モダン・タイムス

2020-05-18 10:17:03 | 映画
 1936年のチャップリン映画です。
 この映画は、世界恐慌後のアメリカにおける、非人道的なオートメーション社会(ここでは工場ですが、ご存知のように、現在ではオフィスや家庭にも広がっています。今流行のテレワークも、三十年前からそれをやっていた外資系の会社員としての経験から言うと、日本の住宅事情では会社と家庭の境目が曖昧になって、二十四時間精神的に会社に縛られる非人道的なものです)、格差社会や家庭崩壊(これらも今の日本にあてはまります)、組合への弾圧など、社会批判で有名ですが、今回見直してみると、やはりチャップリンらしい身体表現の素晴らしさに惹かれます。
 有名な目隠しで危険な場所で滑るローラースケートやいろいろなダンス、それにスラップスティック・コメディ特有の動きなど、どれをとっても一級品です。
 また、この映画は、チャップリンとしては無声映画からトーキーへの過渡期にあたるので、彼のセリフは一つもありませんが、有名な即興歌の「ティティナ」で美声(チャップリンは声が良かったので、同じ無声映画時代の大スターのキートンと違って、トーキーになってからも生き残れたと言われています)を聴かせてくれます。


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