1980年代から1990年代にかけて日本でも人気のあった、アメリカの有名なコラムニストの本です。
作者は1947年生まれのいわゆるベビーブーマー(日本で言えば団塊の世代)に属するので、この本が出たころには50歳代にかかったころでしょう。
彼の文章は、10代、20代、30代、40代に書かれたものも読みましたが、弱者や陽の当たらない市井の人たちへの温かい視線は一貫して変わらないのですが、しだいに懐古的なコラムが増えてきました。
彼が懐古しているのは、彼の少年時代や青春時代である1950年代、1960年代のいわゆる古き良きアメリカです。
それは、タイトルにも象徴されているように、シボレーのようなでっかいアメ車を乗り回していた夏の夜に代表される豊かな生活です(彼自身も、16歳の誕生日に父親から自分の車をプレゼントされています)。
しかし、それはあくまでも白人社会に限った話で、当時の彼の知らない所で公民権運動は行われており、キング牧師は暗殺されました。
こういった懐古主義が根っこにあると思うと、彼の書く正義を振りかざしたコラム(その中には黒人や子どもたちに対する差別を告発するものもあります)も、すでに名声を確立した立場からの権威主義に思えてしまいます。
その点では、日本での椎名誠や沢木耕太郎などにも近い雰囲気があり、成功者の無残を感じてしまいます。
作者は1947年生まれのいわゆるベビーブーマー(日本で言えば団塊の世代)に属するので、この本が出たころには50歳代にかかったころでしょう。
彼の文章は、10代、20代、30代、40代に書かれたものも読みましたが、弱者や陽の当たらない市井の人たちへの温かい視線は一貫して変わらないのですが、しだいに懐古的なコラムが増えてきました。
彼が懐古しているのは、彼の少年時代や青春時代である1950年代、1960年代のいわゆる古き良きアメリカです。
それは、タイトルにも象徴されているように、シボレーのようなでっかいアメ車を乗り回していた夏の夜に代表される豊かな生活です(彼自身も、16歳の誕生日に父親から自分の車をプレゼントされています)。
しかし、それはあくまでも白人社会に限った話で、当時の彼の知らない所で公民権運動は行われており、キング牧師は暗殺されました。
こういった懐古主義が根っこにあると思うと、彼の書く正義を振りかざしたコラム(その中には黒人や子どもたちに対する差別を告発するものもあります)も、すでに名声を確立した立場からの権威主義に思えてしまいます。
その点では、日本での椎名誠や沢木耕太郎などにも近い雰囲気があり、成功者の無残を感じてしまいます。
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