1985年公開の伊丹十三監督のコメディです。
はやっていないラーメン屋を、行列のできるような人気店にしていく過程を、なぜか西部劇調で描いています。
本編(宮本信子、山崎努という、伊丹映画おなじみの二人が主演しています)はまあまあのでき(それにしても伊丹監督は、妻の宮本信子を、この映画でもなんと魅力的に撮っていることか)ですが、その周辺で描かれている本編とは直接関係ない食に関するコント(役所広司、中村伸郎、津川雅彦などの名優たちが大まじめに演じています)の数々が秀逸で、そちらの方が強く印象に残ります。
グルメ、アンチグルメ、皮肉、批判、シュール、エロス、コミカルなどの様々なテイストを持ったそれぞれのシーンで、伊丹監督の唯一無二の才能がきらめいています。