幕府による仙台伊達藩のお取り潰しの陰謀に対して、苦闘する家老、原田甲斐の生涯を描いています。
幕府の老中やそれにしそうされている藩の重役の様々な策略に対して、忍耐に忍耐を重ねて耐え忍びます。
最後は、一切の責任を引っ被って死んでいき、そのおかげで藩は安泰になります。
作者は、そこに男の美学を描きたかったのだろうだと思いますが、あまりにも代償が大きく(一族まで滅亡されます)、とても読み味が悪かったです。
会社第一人間の多かった高度成長期には受け入れられた(NHKの大河ドラマを始めとして何度も映像化され、ベストセラーになっています)かもしれませんが、さすがに賞味期限が切れています。
ただ、家老だけでなく、その部下たちや藩の様々な人たち、さらには市井の人々まで描ききる筆力はさすがのものがあります。