現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

グードルン・パウゼヴァング「どこにでもある村」そこに僕らは居合わせた所収

2018-01-02 08:17:35 | 作品論
 ゴルバッハ村は、観光で栄えています。
 そこでは、ナチス時代にユダヤ人の迫害は行われなかったことになっています。
 しかし、実際はユダヤ人のザロモンさんにひどいことをしたのです。
 村人たちは、観光に影響が出ることを恐れて、そのことをひた隠しにしています。
 戦争中にザロモンさんを援けたマルタだけは違います。
 マルタは、観光客に昔行われた事実を話します。
 村人たちは、マルタを阻害していますが、彼女がいる限り安心はできません。
 負の記憶を隠すことは、日本でも行われています。
 そして、真実を伝えようとする人が阻害されるのも同様です。
 しかし、ともすれば被害者意識ばかりが伝えられる中で、加害者としての記憶も伝えていかなければなりません。

そこに僕らは居合わせた―― 語り伝える、ナチス・ドイツ下の記憶
クリエーター情報なし
みすず書房
 

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