1965年から1967年にかけて、週刊少年サンデーに不定期連載(全二十回)された忍者漫画です。
私は小学生の時に、少年サンデーを毎週家でとってもらっていて(町の本屋さんが配達してくれました)、前半はリアルタイムに読んでいましたので、その部分は鮮明に記憶に残っています。
後半が記憶にないのは、中学生になって少年サンデーをとってもらうのをやめたからでしょう(本屋で好きな漫画だけ立ち読みしていました)。
今では考えられませんが、当時の少年漫画雑誌の主な読者は、小学生でした。
私が読んでいたころの少年サンデーでは、横山光輝の「伊賀の影丸」が大人気で忍者漫画ブームでしたので、作者の「カムイ」にも白羽の矢が立ったのかもしれません。
典型的な子ども漫画のタッチの「伊賀の影丸」に対して、劇画(そのころはまだこの言葉はありませんでしたが)タッチの「カムイ外伝」は、子ども読者の目にも圧倒的にリアルでした。
また、「木の葉隠れ」などの影丸の技がいわゆる「忍術」だったのに対して、カムイの「変移抜刀霞切り(へんいばっとうかすみぎり)」や「飯綱落とし(いづなおとし)」は、修練を積んだアスリートの技っぽくて、男の子たちの憧れでした。
竹製の三十センチものさしを、ズボンのベルトの後ろに差して、教室で「変移抜刀霞切り(へんいばっとうかすみぎり)」のまねをしたのを、今でも思い出すことができます(「飯綱落とし(いづなおとし)」は、まねをすると死ぬ恐れがあります)。
この時期は、作者にとっては、代表作の一つである「カムイ伝」を大人向け(というよりはマニア向けといった方が正しいかもしれません)の漫画雑誌「月刊漫画ガロ」に連載していた時期(1964年から1971年にかけて)と重なります。
「カムイ外伝第一部」では、そのカムイ伝(で抜け忍のカムイだけでなく、カムイの義兄(姉の夫)の下人(百姓の中でも下位の立場です)の正助、侍(ただし脱藩した浪人)の草加竜之進を中心とした群像を描いています)に登場するカムイを主人公にして、抜け忍とその追手の戦いを通じて、いろいろな忍者の技を紹介(発明)しています。
安保闘争を中心にした当時の階級闘争を社会背景にして、江戸時代の身分制度や一揆などの階級闘争をマルクス・レーニン主義を思想背景にして壮大に描いた「カムイ伝」が純文学だとすると、「カムイ外伝第一部」は忍者の戦いにフォーカスした大衆文学(今の言葉で言えばエンターテインメント)に位置付けられます。
その後、1982年から1987年にかけて「カムイ外伝第二部」が、ビッグコミックに不定期連載されますが、こちらもカムイが主人公ですが、発表誌からも分かるように、「カムイ伝」と「カムイ外伝第一部」を折衷したような内容になっていて、言うならば中間小説のような作品です。
この期間(1970年代から1980年代にかけて)に、マルクス・レーニン主義への評価も大きく変わりましたし、純文学も大衆文学寄りにシフトしていますので、そのあたりの時代変化に作者なりに対応したものと思われます。
私は小学生の時に、少年サンデーを毎週家でとってもらっていて(町の本屋さんが配達してくれました)、前半はリアルタイムに読んでいましたので、その部分は鮮明に記憶に残っています。
後半が記憶にないのは、中学生になって少年サンデーをとってもらうのをやめたからでしょう(本屋で好きな漫画だけ立ち読みしていました)。
今では考えられませんが、当時の少年漫画雑誌の主な読者は、小学生でした。
私が読んでいたころの少年サンデーでは、横山光輝の「伊賀の影丸」が大人気で忍者漫画ブームでしたので、作者の「カムイ」にも白羽の矢が立ったのかもしれません。
典型的な子ども漫画のタッチの「伊賀の影丸」に対して、劇画(そのころはまだこの言葉はありませんでしたが)タッチの「カムイ外伝」は、子ども読者の目にも圧倒的にリアルでした。
また、「木の葉隠れ」などの影丸の技がいわゆる「忍術」だったのに対して、カムイの「変移抜刀霞切り(へんいばっとうかすみぎり)」や「飯綱落とし(いづなおとし)」は、修練を積んだアスリートの技っぽくて、男の子たちの憧れでした。
竹製の三十センチものさしを、ズボンのベルトの後ろに差して、教室で「変移抜刀霞切り(へんいばっとうかすみぎり)」のまねをしたのを、今でも思い出すことができます(「飯綱落とし(いづなおとし)」は、まねをすると死ぬ恐れがあります)。
この時期は、作者にとっては、代表作の一つである「カムイ伝」を大人向け(というよりはマニア向けといった方が正しいかもしれません)の漫画雑誌「月刊漫画ガロ」に連載していた時期(1964年から1971年にかけて)と重なります。
「カムイ外伝第一部」では、そのカムイ伝(で抜け忍のカムイだけでなく、カムイの義兄(姉の夫)の下人(百姓の中でも下位の立場です)の正助、侍(ただし脱藩した浪人)の草加竜之進を中心とした群像を描いています)に登場するカムイを主人公にして、抜け忍とその追手の戦いを通じて、いろいろな忍者の技を紹介(発明)しています。
安保闘争を中心にした当時の階級闘争を社会背景にして、江戸時代の身分制度や一揆などの階級闘争をマルクス・レーニン主義を思想背景にして壮大に描いた「カムイ伝」が純文学だとすると、「カムイ外伝第一部」は忍者の戦いにフォーカスした大衆文学(今の言葉で言えばエンターテインメント)に位置付けられます。
その後、1982年から1987年にかけて「カムイ外伝第二部」が、ビッグコミックに不定期連載されますが、こちらもカムイが主人公ですが、発表誌からも分かるように、「カムイ伝」と「カムイ外伝第一部」を折衷したような内容になっていて、言うならば中間小説のような作品です。
この期間(1970年代から1980年代にかけて)に、マルクス・レーニン主義への評価も大きく変わりましたし、純文学も大衆文学寄りにシフトしていますので、そのあたりの時代変化に作者なりに対応したものと思われます。
カムイ外伝 (1) (小学館文庫) | |
クリエーター情報なし | |
小学館 |