現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

グードルン・パウゼヴァング「十一月のある朝」そこに僕らは居合わせた所収

2017-02-17 08:36:19 | 作品論
 実業学校に通う十歳の少年が、前夜にドイツ全土でシナゴーク(ユダヤ教の教会堂)が放火され、ユダヤ人の商店が略奪にあった1938年11月10日の朝に、襲撃されたユダヤ人のお店を見て、「ユダヤ人に同情してはいけない、ユダヤ人はドイツ人の思いやりには値しない」という学校での教えに疑問を持ちます。
 非常に短い作品ですが、子どもの正義感を根絶やしにしようという教育の恐ろしさ(日本でも、戦時中は「鬼畜米英」や中国人や朝鮮人に対する優越意識などが、子どもたちに教育されていました)を考えさせます。

そこに僕らは居合わせた―― 語り伝える、ナチス・ドイツ下の記憶
クリエーター情報なし
みすず書房

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