カニグズバーグが来日した時のインタビューをもとに編集した記事です。
化学者としての経歴や、母、妻、作家をこなす話などが含まれていますが、一番印象に残ったのは、彼女のアウトサイダー(ユダヤ教徒としてアメリカ社会(宗教的にはクリスチャンが圧倒的に多数派です。彼女の認識としては、人種ではなく宗教としての少数派です)としての自覚と、アウトサイダーなるがゆえに文化に貢献できる(インサイダーの人間は文化に融合していて客観視ができない)という自負です。
それが、現代のアメリカ社会、特に子どもたちを取り巻く状況について客観的に眺めることができ、クローディアのような、時代の典型としての子どもたち(ユダヤ人も白人も黒人も)を描き出すことが出来たのでしょう。
そうした意味では、日本の児童文学でも、もっと日本に住む少数派の人々(国籍が日本かどうかは別にして)の視点で書かれた作品が必要なのかもしれません。
トーク・トーク カニグズバーグ講演集 (カニグズバーグ作品集 別巻) | |
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