現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

児童文学における子ども社会と老人社会

2017-10-09 08:55:49 | 考察
 核家族が一般化した現代では、子どもと老人が一緒に住む機会が極端に減ったために、それぞれが形成する社会が分断されていることが多くなっています。
 子どもたちは、家庭(多くは親世代と子ども世代だけで形成されていて、祖父母以上の世代は子どもたちにとってはたまに会いに行く存在になっていることが多くなっています)と学校を中心にして、いろいろな習い事の場や地域の商業施設や公共施設などで生活しています。
 一方の老人たちは、家の中に孤立している場合(ほとんどが男性です)もありますが、多くは老人同士のコミュニティを形成して生活しています。
 そのコミュニティの場としては、自宅以外は、子どもたちと同様に、習い事の場や地域の商業施設や公共施設などのことが多くなっています。
 しかし、両者は利用時間帯(例えば、多くのスポーツクラブは、午前中や午後の早い時間が老人用で、夕方は子ども用、夜は学生や勤労者用に設定されています)や利用場所が区別されていて、お互いに接する機会はほとんどありません。
 少子高齢化が進む中で、児童文学において、子ども社会と老人社会をどのように結び付ける(協調する場合もあるでしょうし、対立する場合もあるでしょう)かは、ますます重要なテーマになってきていると思われます。

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