児童文学関連のいろいろな組織では、長期的な衰退期が続いています。
それは、それらの組織の持つ後進性や閉鎖性に、大きな原因があるように思えます
児童文学について組織の外部へ積極的に発信していくよりも、自分たちの小さな世界に閉じこもってわずかな既得権益を守ることに汲々としているようにさえ思えることもあります。
いずれの組織も、会員の減少や財政的な破綻などの大きな問題を抱えていてますが、会費の値上げや活動の縮小などの後ろ向きの対策しか打ち出せていません。
会の運営は多くの場合旧態依然で、あたかも同業者たちの互助会のようになっていて、社会に押し寄せているディジタル化(インターネット、通信技術、電子化など)の波に対応する組織もなければ、対応できる人材も払底しています。
このままでは、どんどん負のスパイラルに陥って、やがては完全な破綻を迎える心配があります。
電子書籍やネットでのサービスにいまだ対応できていない出版界も含めて、「児童文学」はすでに死に瀕しているのかもしれません。
このままでは、「児童文学」はその芸術性、文学性、社会性を完全に失い、広範なエンターテインメントの世界の一隅をしめるにすぎない「児童(あるいは女性)読み物」としてしか生き残れないでしょう。
しかも、その世界でも、例えば「物語消費」の点において、ゲームやアニメやマンガなどにマーケットシェアの点で大きく引き離されていて、ごくニッチな存在です。
それは、現代社会から背を向けた場合にたどる必然の行く末なのかもしれません。
こういった状況において、わずかに残された「児童文学」の生き延びる方法は、児童文学活動(創作、評論、研究、翻訳など)をどんどんディジタル化して、積極的に(場合によっては無料で)外部へ発信していくことだと思われます。
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