日本児童文学2012年9ー10月号掲載の第5回日本児童文学者協会評論新人賞・入賞論文です。
疎開物の定番である柴田道子の「谷間の底から」を中心に、奥田継夫の「ボクちゃんの戦場」、長崎源之助の「ゲンのいた谷」などに言及しています。
文末の注の用意など論文としての体裁は一応整っていますが、作品からの引用が多く芹沢の意見がよく見えません。
また、その意見もすでに先行研究で繰り返し述べられていることが多く、新しい発見は少ないように思われます。
集団疎開と縁故疎開による違い、送り出した家族や受け入れ側の農村側の子どもたちとの関係など、もう少し整理してから論じる必要があると思います。
冒頭で、東日本大震災による子どもたちの疎開が、この論文を書くきっかけになったように思わせる前振りがありますが、それと学童疎開の関連性についての考察は、最後までまったくなく拍子抜けしました。
考察の対象作品もいわゆる「児童文学」(特に日本児童文学者協会の関連)の範疇に限られていて、例えば、私見では「疎開児童文学」の最高の作品のひとつと思われる柏原兵三の「長い道(井上陽水の主題歌で有名な映画「少年時代」の原作の藤子Ⓐ不二夫の漫画のさらに原作)」などの、一般文学の書き手の作品についての言及がまったくなかったのも不満でした。
疎開物の定番である柴田道子の「谷間の底から」を中心に、奥田継夫の「ボクちゃんの戦場」、長崎源之助の「ゲンのいた谷」などに言及しています。
文末の注の用意など論文としての体裁は一応整っていますが、作品からの引用が多く芹沢の意見がよく見えません。
また、その意見もすでに先行研究で繰り返し述べられていることが多く、新しい発見は少ないように思われます。
集団疎開と縁故疎開による違い、送り出した家族や受け入れ側の農村側の子どもたちとの関係など、もう少し整理してから論じる必要があると思います。
冒頭で、東日本大震災による子どもたちの疎開が、この論文を書くきっかけになったように思わせる前振りがありますが、それと学童疎開の関連性についての考察は、最後までまったくなく拍子抜けしました。
考察の対象作品もいわゆる「児童文学」(特に日本児童文学者協会の関連)の範疇に限られていて、例えば、私見では「疎開児童文学」の最高の作品のひとつと思われる柏原兵三の「長い道(井上陽水の主題歌で有名な映画「少年時代」の原作の藤子Ⓐ不二夫の漫画のさらに原作)」などの、一般文学の書き手の作品についての言及がまったくなかったのも不満でした。
日本児童文学 2012年 10月号 [雑誌] | |
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