gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/dot/nation/dot-2022010300014
家もない、仕事もない。まさか、正月を路上で過ごすとは思いませんでした」
1月3日、東京都千代田区の聖イグナチオ教会で開かれた「年越し大人食堂」。食料配布の最前列に並んでいた男性(58)は、思いつめた表情でつぶやいた。
大人食堂は、新型コロナウイルスの影響で困窮する人を支援しようと、新型コロナ災害緊急アクションや反貧困ネットワークなど複数の団体が主催。弁当以外にも、おむつや生理用品なども配布した。
正午開始の3時間ほど前から人が並びはじめ、開始30分前には200人近くが寒空の下、列をつくった。中高年男性が多いが、若い女性も少なくない。中には、小さな子どもを連れた母親の姿もあった。
冒頭の男性は、半年ほど前に働いていた飲食店が倒産した。やがて家賃を払えなくなり、住んでいたアパートを追い出された。上野公園や池袋のガード下などで野宿をして過ごすという。
「寝袋があるけど、寒くて寝られない」
この日も寒さで寝られず、上野公園から歩いて4時間近くかけ、ここに来たという。持ち物はリュックサックが一つで、所持金は1千円あるかないか。こうつぶやく。
「家があって、仕事があって、風呂にも入れて、人として最低限の暮らしをしたいです」
コロナが長引く中、雇用情勢は改善傾向にあるものの、生活困窮の長期化が深刻になっている。厚生労働省の集計によると、全国の自治体に設置されている生活困窮者向けの相談窓口「自立相談支援機関」に2021年度上半期(4〜9月)に寄せられた新規の相談件数は30万7072件。これは、感染が拡大する前の19年度同期(12万4439件)の約2.5倍に上る。
特に非正規雇用や女性の働き手が多いイベント関係や宿泊、飲食業などの苦境は継続している。
「一生懸命に働いて税金もちゃんと払ってきたのに。国は何もしてくれない」
大人食堂に電車を乗り継いで来たという中野区に住む男性(53)は、怒りをぶつける。
イベント関係の仕事をしていたが、コロナの影響でイベントは軒並み中止になり収入はほぼ途絶えた。フリーランスなので失業給付ももらえない。
ハローワークに行っても、年齢が壁となって仕事は見つからない。今は細々と友人の仕事を手伝っているというが、収入は以前の10分1以下。
家賃は4万円。これに電気、水道、ガスなど公共料金を払うと手元にはほとんど残らない。男性は訴える。
「先が見えない。何で、こんなことになってしまったのか」
家族4人で暮らす都内の男性(40代)も、コロナ禍で仕事をなくした。今日は、2歳になる娘のおむつももらえたという。
「こういう支援は本当にありがたいです」
主催団体の一つ、一般社団法人「つくろい東京ファンド」代表理事の稲葉剛さんは、こう指摘する。
「公助が十分に機能していない」
生活保護に対する偏見や、支援制度の条件の厳しさといった課題もあるという。
「感染の第6波への警戒感が強く、今も雇用が不安定化している。現金給付や家賃補助など、国の経済支援の拡充が必要だ」(稲葉さん)
れいわ新選組代表山本太郎さんは、政治家を目指した頃から国会議員の時も、毎年炊き出しのボランティアとして困窮者の支援をしてきた。
立憲民主党の議員さん達は、野宿をしなくても良いようにと支援で用意されたホテルを視察されたそうだ。
残念ながら、これが現実である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます