日大豊山水泳部 活動日誌

インターハイでの総合優勝を目指して、日々練習に励んでいます。

教えその45 「水泳の練習に関する教え」

2015-05-17 05:10:52 | Weblog

水泳の練習に関しては、具体的に様々なことが伝えられています。

フォームやスタミナ、KICK、休みのとりかたのことはお伝えしましたが、それ以外のことをまとめてお伝えしようと思います。

豊山水泳部の練習の特徴につながるものといえます。

1、KICK練習のボードは小さいものを使用する … 大きいボードよりも強度が高くなる

2、道具に頼らない練習をする … 道具の使用はあくまでも補助的である

3、ディセンディングの練習は一本目がHARD … 最後の一本で満足する練習では強くなれない

4、スイムの練習は大会種目(S1)で行う … 特種目はFRでは強くならない

5、個人メドレーの練習はつなぎを大切に … FLY→BA、BA→BR、BR→FRの練習を繰り返す

6、フォームの確認は上方から … 高い位置から見たほうが見やすいため

7、追い込むときは徹底して追い込む … 中途半端にゆるめたりしない

8、DOWNは15~20分行う … 乳酸除去に必要なため

9、スタート、ターンは常日頃から意識する … 練習の時だけ気をつけても実践では使えない

10、BRはフォーム重視 … 4種目のなかでも平泳ぎは特にフォームが大切

他にも細かいことを挙げていけば多数の教えがあります。

これらのことは経験から学んだことと、科学的な知識から得たことが含まれています。

特にディセンディングやEASYとHARDを繰り返すような練習に関しては、コーチの満足に終わりやすく気を付けて行う練習であることを繰り返し強調されました。

頑張りやすい練習ではありますが、裏を返せば頑張れて当たり前だというわけです。

本当に力をつける練習というのは、徐々に上げる練習やEASYが入るようなものではなく、すべてストレートのHARDで行うべきです。

当然厳しい練習になりますが、それに耐えてこそ競争に勝つことができるのです。

竹村知洋

 

 

 

 

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教えその44 「KICK強化」

2015-05-16 05:17:35 | Weblog

KICKの強化は競泳選手にとって不可欠です。

前半にスピードを上げるうえでも、後半に強さを発揮するためにもKICKの力は生かされます。

KICKの強い選手は筋力的に優れていることはもちろんですが、足首が柔らかいことがあげられます。

足首が柔らかければ、最後まで水を後方へ押し出すことができるからです。

そのため水泳選手にとって足首の柔らかさは強い武器となります。

1時間の朝練習ではすべてをKICK練習にあてることも多いです。

短いサイクルの練習では、100mを4本で1:10のサイクルで行うことができればKICKの強い選手といえます。

今までの豊山水泳部の選手でもこの練習ができたのはわずか数名です。

また、50m・100m・200mのタイムトライアルも行います。

たいてい背泳ぎの選手が最も速い記録になりますが、100mで59秒台の記録を出すことができれば強いです。

KICKのベストタイムを知っておくことで練習の目安にもなります。

レースの最後でもKICKを強くいれることを強調しています。

レースの最後で疲労が蓄積してきたときにKICKの力が強ければ何とか身体を浮かせることができるからです。

KICKのフォームも重要です。

バタフライであれば、ただ両足をそろえて動かしている選手が多いのですが、力の入れ方を変えることで進み方は改善します。

腰から指先に向かって力を伝えていくイメージを持つことが重要であると考えています。

そのためまず腰に力をいれることから教えます。

また、膝を意識的に曲げないことで抵抗を受けることなく、スムーズな動きになります。

KICKのフォームが改善することで、SWIMのフォームも全体的に改善しやすくなります。

下半身の重要性はあらゆるスポーツに共通していることではないかと感じています。

下半身の推進力が安定することで、上半身の動きに集中しやすくなり、よりよいパフォーマンスにつなげることができます。

下半身の筋肉は大きいので疲労が蓄積しやすく苦手な選手も多いのですが、それを我慢して強化する必要性があります。

競泳選手にとってKICKの強さは大変重要です。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

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教えその43 「スタミナをつける」

2015-05-15 04:43:23 | Weblog

練習にあたって最も大切にしている原則です。

スタミナをつけることを第一に考えて練習を作成し、取り組むということです。

スタミナという言葉は最近あまり使われないかもしれませんが、ここでいうスタミナとは持久力はもちろんですが、体力全般を指します。

積極的なレースをして前半からリードしても、最後まで粘れる体力です。

「体力」・「技術」・「精神力」を組み合わせてレースを展開するわけですが、この3つでどれが一番重要か、という質問を生徒にすると、たいてい「技術」か「精神力」という答えをします。

根本的な体力がなければ、良いフォームという技術だけでは強くなれません。

まして、体力も技術もないのに精神力だけでどうにかなるものでもありません。

やはり、根本的な体力がなければ戦えません。

その点、日本人は外国人に比べて不利な立場にあります。

そのため体力を養ったうえで、技術を磨く必要があるのです。

体力をつける練習というのは大変厳しいものです。

長い期間にわたる日々の積み重ねを必要とします。

体力は何もしなければ落ちますので、常に継続していかなければなりません。

後半の粘り強さを発揮するには、下半身の強さが生かされます。

そのため、KICKの強化はかかせません。

最後までもつ持久力と強いKICKがあれば、自信を持って前半から積極的なレースをすることができます。

アテネオリンピックの女子800m自由形で金メダルを獲得した柴田亜衣選手の高校時代までの指導者は、豊山水泳部OBである徳島県の阿部英則コーチです。

阿部コーチが柴田選手に課していた朝練習は、毎日1500m自由形を6本というものでした。

これがどれほど厳しい練習であるかということは、水泳に関わったことのある人であればお分かりになるものと思います。

柴田選手は高校時代までに身につけた強靭なる体力を基礎として、大学時代にそれが磨かれて世界一の座につくことができたのは間違いありません。

並の選手であれば、それほど過酷な練習に耐えることはできません。

そのような厳しい練習を課すことのできるコーチとそれを受け止める選手の関係というのも特筆すべきことです。

スタミナとは「活力そのもの」ともいえます。

私たちも阿部コーチを見習い、誰にも負けないスタミナを持つ選手を育成したいと考えています。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

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教えその42 「教育者である」

2015-05-14 05:09:26 | Weblog

私たちは高校教諭として水泳部の指導を行っています。

私たちと水泳部員は、教員と生徒という関係です。

担任や授業、クラブ活動、寮生活においてもその関係は保たれており、卒業後も同様です。

良い関係を築くことは大切なことですが、それ以上に馴れ馴れしい関係にはなりません。

これは高校のクラブ活動を行っていくうえで重要なことです。

私たちは教員として生徒に接する以上、常にそのことをわきまえていなければなりません。

入学直後、ほとんどの生徒は挨拶や返事を満足にすることはできません。

馴れ馴れしい言葉の使い方をすることも見受けられます。

そのような生徒も学年が上がるにつれて自分の立場を理解して私たちと接するようになります。

上級生が下級生を指導することでそれを自覚するわけですが、それが受け継がれていくのは私たちが教員として生徒に接しているからです。

もちろん時代の変遷とともに接し方が変わっている部分もありますが、根本的には相違ありません。

卒業後に挨拶に来るOBもたくさんいますが、私たちにとってはいつまでたってもかつての教え子であり、卒業生にとって私たちは先生です。

私たちが最も喜びを感じるのは、教え子が卒業後に立派な社会人としての姿を見せてくれることです。

学生時代はどうであれ、一人の大人として成長した姿を見ることができるというのは教員としての最高の喜びです。

これはクラス担任や授業を受け持った生徒にもあてはまることですが、やはり水泳部の一員として同じ目標を抱いて努力したという経験は生涯忘れることはありません。

私自身もそうですが、水泳部での経験が人生そのものの自信につながっているともいえます。

練習や上下関係の厳しさを思い出せば、社会人として働いていることのつらさにも耐えることができます。

私たちが教育者として水泳部の指導を担っていくということは、高校時代という人生の大切な時期にとって大変有意義なことであると考えています。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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教えその41 「選手が伸びないのは99%指導者の責任である」

2015-05-13 05:05:06 | Weblog

選手の成長に関して言われ続けていたことです。

選手が記録が伸びないのは、指導者の責任です。

100%ではない理由は、レースで勝つか負けるかという勝負になった時に勝敗を決定づける最後の1%は選手の勝負魂にある、と考えているからです。

そこまで互角の勝負をしていれば、本当に勝ちたいという気持ちの強い選手が勝利すると思っています。

そこに至る99%は指導者の責任であるということです。

よく指導者側から聞くのが「選手が頑張らないから」とか「環境が…だから」というような話です。

私も日々指導していて、そのようなことを口にしたくなる気持ちはよくわかります。

しかし、それを何とかするのが指導者であって、そのようなことを口にしても何も解決しません。

学習でも同じことがいえます。

学習成績が上がらない理由を「生徒が勉強しないから…」という教員がいますが、その時点で教員として失格であると考えています。

スポーツ選手にしても学習を志す生徒にしても、指導者が満足するように自ら率先して努力する生徒などほとんど出会ったことはありません。

こちらが驚くような努力をする生徒もごくまれにいますが、そのような生徒はすでに相当なレベルに到達しています。

練習や勉強をしない生徒をどのように指導するか、ということが私たちの仕事であって、それに対して不満を口にしている指導者の下で成果が上がることはおそらくないでしょう。

人間というのは苦しいことを避け、楽を選ぶのが普通であって、率先して目標実現のために苦しみに耐えようという人は少ないと思います。

すぐに楽な方向へ向かおうとする人が、指導の結果、苦しいことに耐えられるようになることもほとんどありません。

努力が足りない人は、たいてい常に足りないままであって、常に努力の必要性を言い続ける必要があります。

それを諦めていたら成果にはつながりません。

それが人間というものであると私は思っています。

私のこのような人間の見方も、これまでの指導の経験や読書から学んだことです。

そのような見方をしていればそれほどストレスを抱えることもなく、努力が不足している場合の指導の仕方を考えるだけです。

すべての責任は指導者にあると考えるこの教えは、選手や生徒に責任転嫁しないことを示してくれます。

この教えをもっていれば、指導に対する姿勢も変わり覚悟が生まれるのです。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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教えその40 「主体性をもつ」

2015-05-12 05:04:18 | Weblog

主体性をもつ、ということは自分の頭で考えるということです。

素直な気持ちを持つ、ということは大切なことですが、何でも指導者の言いなりになって自分で考えようとしない選手は大成しません。

特に、最近気になっていることなのですが、自分で考えようとしない選手が多い傾向にあるようです。

例えば、試合の前は自由練習にすることがあります。

私たちの世代は自由練習はうれしいものでしたが、近年、それを喜ぶよりというより何をしてよいかわからないという選手が増えたように感じています。

試合の前のウォーミングアップも同様の傾向があるようです。

高校生ぐらいになれば、これまでに何千回という練習をしてきたはずです。

それにもかかわらず、試合の前のウォーミングアップすらまともにできないというのは不思議としかいいようがありません。

試合会場は込み合っていることが多く、まともに泳げないことも多いです。

それであればなおさら工夫して身体を温めなければならないはずなのに、ただのウォーミングアップ不足でレースに臨んでいる状況もあるようです。

これは自分で自分のことを考える力というのが不足しており、主体性が欠如しているとしか思えません。

競泳というのは基本的に個人競技であり、レースでは自分との闘いになります。

それがすべて指導者側の指示がなければ動けないというのは、一体誰のために、何のために競泳をやっているのか、問いかけたくなるようなことが見受けられるのです。

「問題には即座に対応する」でもお伝えしましたが、すべて周囲の人にお世話になりっぱなしで、自分で考えてくる機会がなかったのでしょう。

考えるということは疲れることです。

何でも言いなりになっていれば楽であると思います。

しかし、自ら考えるということをしなければ本当に強い選手とはいえないものと思います。

できれば小学生や中学生ぐらいから考えるということをしていなければ、大きく成長してから考えなさいといっても難しいことでしょう。

素直な気持ちを持つのと同時に、自分で考えて自分を鍛えられるような強い選手を育成したいものです。

竹村知洋

 

 

 

 

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教えその39 「本を読む」

2015-05-11 05:02:23 | Weblog

この教えは水泳部の教えというより、教室で言うことの方が多いと思います。

「文武両道」でも伝えましたが、本を読むということが学習や教養を高めるための第一歩です。

読書というのも習慣であって、読んでいる生徒は誰に言われるまでもなくすすんで本を読んでいますが、読んでいない生徒はまったく本に触れることもないようです。

本を読む習慣のある生徒は概して成績は良好であり、思考や言語にも深みがあります。

読んでいない生徒はマンガどころか、せいぜい雑誌に目を通す段階にとどまっています。

スマートフォンの普及によってますます活字離れが進んでいるようなので、最近はマンガや雑誌でもよいから読むことを薦めています。

本の分野や本を読むことの理由は人それぞれでしょう。

本を読むことがどれほど重要なことであるか、ということは本を読んでいけばわかることです。

思考は言語で行うため、言語力が豊かであれば物事のとらえ方や表現の仕方も豊かなものとなります。

世界や人生に対する見方に深みや広がりがでれば、学習やクラブ活動に対する取り組みも変わってくるはずです。

これらの教えの数々は水泳部に伝えられてきた言葉ですが、その言葉に対する解釈には私が様々な本から学んだことが含まれています。

孔子や仏陀などの言葉を引用することが多いわけですが、水泳部の教えには先人たちの思想に通ずるものが多いと感じているからです。

これまで数千冊という本を読んできましたが、自分の人生や世界に対する見方を支えている本との出会いはかけがえのないものです。

自分が考えていたり、体験していることはすべて先人が経験していることであり、それが著作物として伝えられています。

特に人間を人間らしくする道徳的なことは二千年以上前から普遍的なものとして伝えられています。

私たちはそれを学ぶことで誤った道に進むことなく、安定した人生を歩むことができるのです。

インターネットがいくら普及しても、本の重要性を理解する人がいる以上、日本から紙の本がなくなることはないでしょう。

私が歴史や伝統を大切にする理由も本から学ぶことができました。

それがこれらの教えを大切にしようということにもつながっているわけです。

その考え方もいずれお伝えしようと思っています。

竹村知洋

 

 

 

 

 

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教えその38 「弱点を徹底してなおす」

2015-05-10 05:02:37 | Weblog

誰しも自分の弱みとなる部分というのはあるはずです。

そして、自分の弱い部分と向き合うのはつらいことであり、できれば避けたいところです。

しかし、本当に上を目指すのであれば、自分の弱点を改善しなければやはり勝てません。

向き合ったとしても弱点というのはなかなか改善しないものであり、時間がかかります。

選手はもちろん、指導者側も粘り強さが要求されるところです。

徹底してなおす、という強い意志がなければ弱点というのは克服できません。

フォームや体力、精神的な部分など様々な弱点があるかと思いますが、最も改善しにくいのはやはり精神的な部分でしょう。

試合の勝負どころで負けてしまう選手は、練習中でも最もきついところで自分に負けています。

そのような選手にそれを問いただすと、たいてい「頑張っているつもりです」という返答です。

「練習は正直」です。

練習でできていることしか試合ではできません。

練習を見ていれば、だいたい試合の予測がつくものです。

特に弱点というのは試合の大事なところで表面化するようです。

弱点に徹底して向き合って克服することができれば、自信につなげることができます。

そして、自分の強みをさらに生かすことができるでしょう。

そのためには「練習あるのみ」です。

人と同じことをしていては、勝てません。

弱点を克服したければ、人よりも多くの練習をするしかありません。

私の記憶に残るところでは、一日のすべての練習が終わってから毎日400m×10本の練習を行っていた大学時代の先輩がいました。

その結果、大学のレギュラーに入るかどうかというレベルから、日本でも上位のランキングに入るところにまで到達した先輩がいたことはよく覚えています。

「弱点を徹底してなおす」ことはつらいことですが、本当に強くなりたければ避けては通れないことを教えてくれます。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

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明日は東水会

2015-05-09 16:44:55 | Weblog

こんにちは。豊山高校の安村です。

明日5月10日(日)は、東京スイミングセンターにて第16回東水会競技大会が開催されます。

ゴールデンウィークの強化練習を経て身体がきつい時期ではありますが、

今の自分にとって、最高のパフォーマンスができるようしっかりと準備をし、レースに臨んでほしいです!

また、Bチームの3年生は、この東水会が高校最後のレースになるので、

悔いが残らぬよう、精一杯出し尽くしてほしいと思います。

 

練習後には心が和むような、たいへん綺麗な夜景を見ることができました。

良い練習環境が整っているだけではなく、11階から見渡せる見晴らしの良い景色も

この新校舎のプールの良さであります!

明日も1日頑張りましょう!!

 

安村 亜洲

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教えその37 「問題には即座に対応する」

2015-05-09 05:05:02 | Weblog

小さなことから大きなことまで様々な問題が発生しますが、大切なことはできるだけ早い段階で問題に対応するということです。

問題というのはたいてい、そのまま放置していて改善することはなく、はじめは小さかった問題もいつの間にか大きくなっているものです。

そのため、まず問題点を小さなうちから見つけられるようによく観察することが必要となります。

選手にも何か問題があればできるだけすぐに申し出るように伝えています。

身体の故障などはその一例で、少しの痛みの段階で早めに対応することでその後の練習に影響を与えずにすみます。

また精神的な面に関しても、選手の表情などから少しでも様子がおかしい場合は、なるべく早めに対応するように言われたことを覚えています。

これまでも仕事が重なっていたり、選手の表情の変化を見逃しているうちに改善が難しくなってしまうという反省点が多くありました。

今後も問題点はできるだけ小さなうちから即座に対応していきたいと考えています。

ただし最近になって特に強く感じていることなのですが、問題点をすべて即座に解決することが本当にその人のためになるかどうか、ということです。

それを感じている理由は、あまりにも問題を自分で解決する力がないように思えるからです。

問題を抱えたまま受け身の姿勢で待っているような様子も感じられます。

強い人というのは、問題点を自ら見出し、改善する力を持っているはずです。

それこそが「生きる力」ともいえます。

確かにフォームなどは第三者から確認してもらう必要はあります。

しかし、何から何まで少しの問題のうちから周囲の人がすべて解決して育った場合、その人は本当に生きる力の強い人になるのだろうか、という疑問を抱いています。

周囲の人が問題をすべて解決しているため、自分自身のことがよくわかっていないという状況も発生しています。

イメージでいうと、ハウス栽培の温室で栄養を与えられながら管理されて、大きく育っているような感じを受けます。

そのような恵まれた環境で育った植物の場合、おそらく風や雨を遮るものがなくなればたちまち枯れてしまうでしょう。

つまり、自分で根っこを張り巡らせて栄養を吸収し、花を開こうという生命力がないわけです。

人間も同様で、厳しい環境の中で育たなければ強い人間にはなれません。

本当に強い人間というのは、問題を自ら解決し、一人でも生きていける力を持つ人であると思います。

競泳でいうと、コーチがいなくても自分で練習し、強くなれる選手です。

最近はその点を意識し、問題を指摘した上で、自分ではどう思うかということを問うようにしています。

どうすればわからないという場合にも、まずは自分で考えて改善することを促しています。

大学や社会人で選手として活躍したいと考える選手であれば、自ら考えて行動できなければ強くはなれないからです。

「問題には即座に対応する」と言う姿勢は今後も変わりありませんが、対応の仕方を考える時期に来ていることを感じています。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

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