ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』
これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

誰でもいつか死ぬことはわかっているのだが

2017年08月10日 | 使命
大学時代のテニス部後輩と田園調布で、それこそ四十数年ぶりにテニスを楽しんだ。これだけ時間が経っていても、駅前で一目見て彼は彼だとわかるのがおもしろい。ただ、二十歳そこそこの若者だったはずなのに、今やどう贔屓目(ひいきめ)に見ても前期高齢者の、堂々たるおじいちゃんになっているのが妙に変だった。(天皇陛下も、テニスを今でも楽しまれる)

その違和感はプレーを始めたら関係なくなるわけだが、不思議なことに私が四回生、彼は一回生で、一年間だけしか一緒にプレーしていないのに、まるで時が止まったかのように、彼は彼のプレーをしていることだった。具体的にいうと、ストロークやサービスなどの全てのスウィングやプレースタイルが何一つ変わっていず、ただ単に正確性やパワーが増し加わっていた。たぶん私も彼から見たらそうだったのではないだろうか。時が互いに四十数年前の二十歳ごろに戻っていった不思議さ。これってタイムマシンに乗って過去に戻り、大学のあのコートでプレーしている感覚だった。(錦織、絶頂の瞬間・・・・全米オープンファイナルへ)

時間が来てコートを去る時に、彼が言うには「ああ、できたらコートの上で、スマッシュを一発決めた直後ぐらいに、(脳卒中など一瞬で)死にたい」と。「そうだろうな、それはよくわかる」と思いながら、〈いいや、それはとんでもない〉と半ば憤りと共に、次の言葉がこみ上げて来た。

「お前、十字架と福音を信じてなきゃ、天国に行けないんだぞ!!」と。それを私はかろうじて抑えていた。今の彼には通じそうにもないからだ。

彼のように、多くの人が楽しいこと、愉快なこと、やりたいことをの絶頂でこの世を終えたいと思っているのだろう。最近見たNHKのドラマ「ブランケット・キャッツ」の最終話は、死ぬまでにしておきたい十のこと」だった。世の中、死から免れないことは、皆さん分かっているようだった。しかし本当に肝心かなめのことを忘れている。人には不滅の「霊」があることを。そして肉体の死と共に、その行き先が永遠に決まるのだ。肉体の命は、永遠の命のためにあるのだから。

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人は、たとい全世界を得ても、いのちを損じたら、何の得がありましょう。(マルコ8:36)



ケパ



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