Spiral Melody Project Bagnolet
Samedi 28 Mai à 15h
Au théâtre L’échangeur (petite selle)
Bagnolet (Metro Gallieni 2 min. à pied)
Entrée libre!
先日、久々にホームグラウンドのパリ19区から抜け出して、パリ16区の音楽院まで、国家教免試験の審査員に行ってきた。
(ちなみに受験された生徒さんはなんと若い日本人で、伸びしろの感じられる将来有望な方であった。)
帰りはとても感じの良い審査委員長先生と一緒にメトロまで歩いたのだが、麗しのお屋敷街、パリ16区の壮麗なオスマン建築の連なりに目をパチクリ。
パリ16区のオスマン様式建築
「私いつも19区なんで、あんまりに違う美しい光景にビックリですねぇ」なんて言うと、審査委員長先生も「ほら、さっきの生徒役の子供の名前、あれってラシーヌの本の中に出て来る、ギリシャ神話からとった名前だよ。そんな優雅な名前は、19区では、付けないよな(笑)。」「ですかぁ!どうりで初耳でした(苦笑)」「うちはルーアンでさ。ルーアンはパリに近いんで自ら「パリ」と勘違いしてるって有名なのさ(笑)」なんて自虐ネタで話も弾む。
パリ19区には明らかに、他の区とは違うアイデンティティーがある。サッカー選手のムバッペなんて、プロフィールに「パリ出身」じゃなくて、ちゃんと「パリ19区出身」って書いてある。
ダクルーズの壁画
うちの子の通う19区の小学校では、ほぼ全校生が踊れるヒップホップダンスや、校庭の壁に描かれたダ・クルーズのストリート絵画なんかがメインカルチャー。
ヒップホップの動きで各自インプロヴィゼーションを披露する子供たち
私の生徒たちにしても
「私は19区のヴィレットの芝生で育ったの。だから、5区の子らの鼻持ちならない話題にはついていけないわ」
とか
「私、中学の時の〇〇音楽科では、10区辺りの競争心剥き出しの子たちがいてね、ほら、19区ってそういう土壌がないじゃない。だから無視するのに苦労したわ。。。」
とか、若いのに分かったような口を聞くのが可愛らしい。
こう言うのを聞いていると、アイデンティティーって言うものは大切で、それがどのような環境であれ、生まれ育った環境に誇りを持つことがその子を護っているんだなぁ、と思う。
ところで、私のブログを読んで下さっている方はご存知かも知れないが、1年ほど前に私は人生で初めてアパートを購入して、パリ東に隣接したバニョレ、という小さな町に引っ越した。
私は晴れてパリ19区とバニョレの二重アイデンティティーを持つこととなる。
シュールなバニョレ街中の小牧場。
そこはパリに隣接しているとは言え、パリのように「もう文化はいっぱいいっぱい目一杯です、これ以上誰も入る隙はありません」というギシギシした空気が一気に変わって「みんなで何か一緒にやらない?」とでも言うか、何か面白いことを探している雰囲気があると感じる、とパリの東にて。 - SpiMelo! -Mie Ogura-Ourkouzounovで書いたことがある。
だからこの新しい地を基盤に何かプロジェクトが出来ないものか、演奏と教育を両立したようなものを。。。とずっと思っていた。
そんな4月の大統領選第一次投票の日。外人で選挙権のない私はヒマなので、いつものように隣町モントルイユのマルシェ(朝市)に行き、いつもの場所に自転車を停めようとした。すると
「えーと、そこ邪魔なんだよね。こっちに停めてよ。見ててあげるからさ。」
と声を掛けてくれた人たちがいて、何してるんだろう?と思ったら、「外国人の為の象徴的な大統領選挙」って言うのをやっている、「外国人の権利を守るバニョレの市民団体」さんで、実はバニョレ在住の日本人なんだと言うと、ぜひ投票して行かないか?ということになった。
で、自転車のことも買い物のことも遥か彼方に忘れ去ってこの人たちと話し込んでいるうちに、私が音楽家としてやっていることに非常に興味を示してくださり、よっしゃー、何か一緒にやろう!という成り行きになったのでした。
バニョレ在住で、雑多なコスモポリタン・バニョレと、コスモポリットな音楽を愛してやまない人たち。アイデンティティーが私たちを繋げた。
アイデンティティーとは、愛である。
よって、その名の元に他を攻撃することでは決してない。
なーんて、前置き、長っ!!
ロックダウン直前にパリ19区でビッグバンを起こしたスパイラル・メロディー、その後の長いコロナブレイクを経て再始動した、その名も
「スパイラル・メロディー・プロジェクト・バニョレ」。
当時想像だにしなかったバニョレにて、しかもバニョレで一番有名なあの最先端シアターThéâtre l’échangeur から、この土曜5月28日15時の発進です!!
未来都市の中に忽然と現れるテアトル・レシャンジャー
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