経済財政諮問会議は、ついに「インフレ・ターゲット政策」を導入することを宣言するようです。以前から、ネット上でも色々な論争を巻き起こしており、私は素人ゆえその学問的背景とかは詳しくわかりませんが、デフレ脱却という点で意味がありますし、借入金の相対的縮小の意味は大きいでしょう。素人考えと非難されるかもしれませんが、政策的にこれを行うという明確な宣言があれば、財政政策と金融政策の両者がそれに向けてきっと頑張る(?)でしょう。どう頑張るのかは、専門家に聞いて下さい(笑)。
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 経財諮問会議「21世紀ビジョン」にインフレ目標
具体的目標としては、年率2%程度ということです。リフレ派は高らかに「勝利宣言」でしょうか(笑)。とは言っても、このリフレ派というのも、実態をよく知らないのですが。庶民感覚としては、賃金が減少するって話よりも嬉しいし(単に見かけ上の話なのですが、実質的には価値が上昇するというものでもないでしょう)、借金の額が相対的に小さくできるのも、当然嬉しい!って感じでしょうか。私は住宅ローンにも苦しんでいますから(笑)。国の借金も勿論そうですね。
年率2%が毎年達成されるとどうなるか。これを考えてみます。
仮に今の給料を100、借金を1000としましょう。今22歳の人が働き始め、相対価値は一定であるとしますと、だいたい58歳頃に給料が200となります。倍ぐらいですね。この時にも借金が同額残っていたとしても(利息とかが増えないものとして)、年収の10倍あった借金は、何と5倍まで価値が減少します。返済が随分と楽になりますね。前に医療費のキャップ制導入は無理だ、って経済財政諮問会議に文句を言った時に、必要成長率がだいたい2%くらいではないかと考えたのですが、インフレが着実に達成されれば色々役立ちそうです。
2%のインフレ率が達成されて尚且つ年金の給付水準を据え置くと、実質的に給付減少と同じ効果が得られます。しかも、受け取る側は、すぐには気付きにくいですから、いい方法と言えるでしょう。これは、私的には大賛成ですね。私が提言した年金改革は、基礎的年金と確定拠出型個人年金の2本立てでした。しかし、完全な確定拠出型に移行できるのは、新制度開始時に20歳の人からです。それよりも年長の人は既に旧制度(つまり今の制度)で年金保険料を納めてしまっています。また現在既に受給されている人は大幅な減額とかが困難ですので、それについての問題は以前記事を書きました(新しい年金給付 1、新しい年金給付 2)。でも、本当は満額受給できる人はできるだけ少ない方がよく、しかも現在の給付水準とこれから受給される人の給付水準には結構な開きができるでしょう。これを多少緩和できるのが、インフレ率でしょう。満額受給の人は現在価値のままで出来るだけ長く据え置き、後から確定拠出型に掛金を入れる人達は、インフレ率の分だけ多く積立られるようになります。そうすれば、結果的に満額受給者と確定拠出型の人との給付差が減ることになります。ラッキー!
例で考えてみます。今65歳の人がいて、その人が受給している厚生年金が月20万円とします。今後20年間で受け取る年金は、4800万円です。一方、現在45歳の人がいて、今後20年間確定拠出年金を20年間積立するとします。この人が受け取れるのは、基礎年金部分とそれまでに払った保険料と比例する上乗せ額(大して多くはならないでしょう)が公的年金となります(正確には計算しないと確定しません)。それとは別に個人の年金を積立ますが、年率2%のインフレ率だと給与は最終的に約45%増加し、掛金が一定割合で給与の8%とすると、掛金総額はインフレ率が0%の場合に比べ約20%増加します。この人が年収500万円だとすると最後の給与は約728万円(相対価値は一定です)で払い込み年金掛金は約972万円となり、インフレ率がない時(年収500万円のまま、掛金年間40万円で総額800万円)に比べて増加してますね。これに運用益を加えた分が年金原資となります。これによって年金給付額が据え置かれた満額受給者と、20%の増加効果をもたらした確定拠出型個人年金併用者の差が縮まっているのです。ですから、インフレ・ターゲットは、私が提唱する年金方式の場合にはとても役立つと言えそうです。
これによって年金負担の軽減が図られれば、医療関係費の財源に回せる額が大きくなりますから、財政上のメリットも大きいでしょう。もっと早くに、インフレ・ターゲットを開始してほしかったですね。
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 経財諮問会議「21世紀ビジョン」にインフレ目標
具体的目標としては、年率2%程度ということです。リフレ派は高らかに「勝利宣言」でしょうか(笑)。とは言っても、このリフレ派というのも、実態をよく知らないのですが。庶民感覚としては、賃金が減少するって話よりも嬉しいし(単に見かけ上の話なのですが、実質的には価値が上昇するというものでもないでしょう)、借金の額が相対的に小さくできるのも、当然嬉しい!って感じでしょうか。私は住宅ローンにも苦しんでいますから(笑)。国の借金も勿論そうですね。
年率2%が毎年達成されるとどうなるか。これを考えてみます。
仮に今の給料を100、借金を1000としましょう。今22歳の人が働き始め、相対価値は一定であるとしますと、だいたい58歳頃に給料が200となります。倍ぐらいですね。この時にも借金が同額残っていたとしても(利息とかが増えないものとして)、年収の10倍あった借金は、何と5倍まで価値が減少します。返済が随分と楽になりますね。前に医療費のキャップ制導入は無理だ、って経済財政諮問会議に文句を言った時に、必要成長率がだいたい2%くらいではないかと考えたのですが、インフレが着実に達成されれば色々役立ちそうです。
2%のインフレ率が達成されて尚且つ年金の給付水準を据え置くと、実質的に給付減少と同じ効果が得られます。しかも、受け取る側は、すぐには気付きにくいですから、いい方法と言えるでしょう。これは、私的には大賛成ですね。私が提言した年金改革は、基礎的年金と確定拠出型個人年金の2本立てでした。しかし、完全な確定拠出型に移行できるのは、新制度開始時に20歳の人からです。それよりも年長の人は既に旧制度(つまり今の制度)で年金保険料を納めてしまっています。また現在既に受給されている人は大幅な減額とかが困難ですので、それについての問題は以前記事を書きました(新しい年金給付 1、新しい年金給付 2)。でも、本当は満額受給できる人はできるだけ少ない方がよく、しかも現在の給付水準とこれから受給される人の給付水準には結構な開きができるでしょう。これを多少緩和できるのが、インフレ率でしょう。満額受給の人は現在価値のままで出来るだけ長く据え置き、後から確定拠出型に掛金を入れる人達は、インフレ率の分だけ多く積立られるようになります。そうすれば、結果的に満額受給者と確定拠出型の人との給付差が減ることになります。ラッキー!
例で考えてみます。今65歳の人がいて、その人が受給している厚生年金が月20万円とします。今後20年間で受け取る年金は、4800万円です。一方、現在45歳の人がいて、今後20年間確定拠出年金を20年間積立するとします。この人が受け取れるのは、基礎年金部分とそれまでに払った保険料と比例する上乗せ額(大して多くはならないでしょう)が公的年金となります(正確には計算しないと確定しません)。それとは別に個人の年金を積立ますが、年率2%のインフレ率だと給与は最終的に約45%増加し、掛金が一定割合で給与の8%とすると、掛金総額はインフレ率が0%の場合に比べ約20%増加します。この人が年収500万円だとすると最後の給与は約728万円(相対価値は一定です)で払い込み年金掛金は約972万円となり、インフレ率がない時(年収500万円のまま、掛金年間40万円で総額800万円)に比べて増加してますね。これに運用益を加えた分が年金原資となります。これによって年金給付額が据え置かれた満額受給者と、20%の増加効果をもたらした確定拠出型個人年金併用者の差が縮まっているのです。ですから、インフレ・ターゲットは、私が提唱する年金方式の場合にはとても役立つと言えそうです。
これによって年金負担の軽減が図られれば、医療関係費の財源に回せる額が大きくなりますから、財政上のメリットも大きいでしょう。もっと早くに、インフレ・ターゲットを開始してほしかったですね。