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肝炎訴訟に関する雑考~その11

2007年12月21日 23時37分24秒 | 社会全般
原告団との和解交渉は決裂となってしまいました。とても残念な結果です。このような結末を迎えることになったのは、一体誰の責任が大きいのか?
一番の責任はマスメディアにあるだろう。それはセンセーショナルな話として、この問題を取り上げようとしてきたからだ。国の受け入れ難さを助長するような、誤った情報提供(操作というべきか?)しかやってこなかったからだ。
一連の報道の中で、どこかの報道機関でただの一度でも、法学的な見地から専門家に意見を述べさせたり、肝炎が専門の医師などの意見を出してきたことがあったか?
恐らく、そんなことはどこもやってないのだよ。

新聞でもテレビでもそうなのだが、間抜けな感情論しか述べないコメンテーターや、判ったことを言うキャスターとか、「文系専門バカ」の論説委員とか、そういう人たちの出す意見しか出回っていないのだよ。誰も、よく考えてみよう、という努力などしていないのだよ。そんなことで一体何を解決しようと言うのか。

今回の和解決裂に関しても、裁判所の判断が分かれているとか、東京地裁の判断だけを国が重視しているとか、偉そうなことを言ってる連中ばかりなのだが、法学的な専門家でもないような方々に裁判所判断の異なる理由なんかが判るんでしょうか?マスメディアは、「正しい情報」を提供することから完全に逃げているのだよ。既に書いたが、80年代後半の時にマスメディアが国の薬事行政の問題について責任を負って、当時社説を書いていたりテレビ報道していた連中に代わって謝罪したり、責任を感じたりはしてないであろう?20年以上前のことについて、「いま目の前にいる、現役の人たち」が責任を取らされて、謝罪せよ、とか求められることがどれくらい難しいことなのか、マスメディアの連中には全く判ってないのだ。

今回の和解案提示に至るまででも、交渉が決裂した後でも、裁判所への批判とかは一切ないでしょ?
別に、個々の地裁の判断を批判してくれ、と思っているわけではありませんよ。そもそも法律論としてというか、法学的に見てどのように考えるべきなのか、なんてことは何一つ「専門家からの批評」が出されていないのではありませんか?何故全ての地裁判決が異なっていたのか、和解で原告側主張を全て認める場合の法学的な問題とか、そういったことが何ら示されてこなかったのですよ。法律の専門家たちの中で意見が割れるような、「難しい問題」であると考えられるのに、何らの検討もなされてこなかったのではありませんか?個々の地裁判決について、専門家が詳しく検討していれば、その積み上げがあれば、これほどまでに混乱を招くことはなかったのではありませんか?これまで何度も指摘してきたことなんですが。そういう知見の蓄積を怠ってきたことにも一因があるのではありませんか?

公明党とか民主党とかも、原告団の気持ちを判ってない、みたいな、通り一遍の意見を出しているが、これも体のいい責任逃れなのですよ。共産党にも何人かしると思うし、公明党や民主党にも医師免許を持ってる「お偉い議員先生」が大勢おられるでしょう?そういう連中が、これまで「何も知らなかった」などということが考えられると思いますか?知らないわけないんですよ。
現在国会議員の中で医師免許を持ってる人たちだけ一斉に集めて、肝炎の感染とその問題について、討論会をやらせればいいですよ。肝炎の問題について、過去の時点から詳しく証言させたらいいですよ。原告団に納得のいくように、国会議員が説明してあげなさい。医療に関する知識に乏しい、文系専門バカの舛添大臣に比べれば、はるかに上手に納得のいく説明ができることでしょう。大臣に成り代わって、国会議員が代わりに説明してあげなさい。できるでしょ、これくらい?早急に、やってくださいよ。

こうして、みんなが舛添さんを悪者扱いし、厚生労働省の役人が悪くて、財務省の役人が金を出し渋って、法務省の役人が都合のいい東京地裁判決だけを金科玉条のように取り上げたんだ、という、「悪の枢軸」を作り上げ、全ての責任を押し付け、自らの責任を回避し、スケープゴートを作ってしまえば思う存分叩けるからね。それはみんなが、「自分だけは悪者にはなりたくない、原告団に面と向かって事実を述べたくない」ということなのだよ。


結局、みんな自分たちの責任を放棄して、「そっちで解決してやれよ」という逃げと押し付け合いをやった結果なのだ。政治決断をせよ、というのは、それが端的に顕れた「殺し文句」なのですよ。福田総理に、或いは舛添大臣に「そっちでやれ」と押し付けただけなのだ。


とりあえず。後で追加します。