どうやら支持率低下のヤキが回って、「窮余の一策」としてだけに利用されるということだ。
首相、薬害肝炎の一律救済法案提出を表明…全面解決へ(読売新聞) - Yahooニュース
腹を抱えて笑ったぜ。
この国の基本的な仕組みは、エコーチェンバーで簡単にぶち壊せるということであり、「コメントスクラム」を仕掛けたヤツラが必ず勝利するようにできている、ということだな。
具体的な現実行動をとる人々もいるみたいだし。
薬害C型肝炎訴訟:早期解決へ署名活動 仙台で東北大生ら /宮城(毎日新聞) - Yahooニュース
薬害C型肝炎訴訟の早期解決と恒久対策の強化を求める署名活動が22日、仙台市青葉区の東二番丁通で行われた。訴訟を支援する東北大生らを中心に約20人が、「総理、あなたの声が聞こえない」などと訴え、福田康夫首相あてのはがきに署名を呼びかけた。正午からの1時間で約350人分が集まり、早速郵送された。
はがきには「国には薬害をひき起こした責任がある。患者全員のひとしい救済を望む」との文面が印刷された。年の瀬でにぎわうアーケード商店街で、買い物客や家族連れが次々に署名に協力した。利府町の主婦、早坂心子さん(33)は「罪もない人が肝炎にかかり、気付いていない人もいると聞く。人ごとではないと思う」と話した。
企画した東北大法学部4年、斉藤隆広さん(22)は「大阪高裁の和解骨子案についての国側の修正案は、国の責任を限定するもの。首相に直接、一律救済を訴えるため、はがきへの署名活動を始めた。学生のエネルギーで全国に展開し、国の決断を促したい」と意気込みを語っていた。【伊藤絵理子】
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あと、こちらも。
薬害肝炎訴訟 東北大生ら、政治決断求め「はがき作戦」(河北新報) - Yahooニュース
子ども2人と一緒に記入した宮城県利府町の主婦早坂心子さん(33)は「新聞記事で活動を知り、1日も早く解決してほしくて書きに来た。薬害を人ごとと思わず、みんなに関心を持ってもらいたい」と語った。
リーダーの東北大法学部4年斉藤隆広さん(22)は2年前から東北訴訟の支援活動にかかわっているが、多くの学生が参加するようになったのは、9月の仙台地裁判決がきっかけだという。斉藤さんは「判決を傍聴した仲間みんなが怒りを覚え、『負けてたまるか』と思った」と説明する。
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意気込みはよくわかりました。
しかし、「どう考えるか」ということがまるで判ってないような連中が、マスコミから流される誤った情報だけを元に判断しようとすれば、必ずこうなる。これは「~~は医療過誤だ」「~~は○○の管理ミスだ」というような主張を展開する人々と非常によく似ている。枯れ枝一本でも落ちていようものなら、「犬が棒に当たったのは~~のせいだ」攻撃が可能となる。
企画した東北大の法学部4年の学生さんは、裁判傍聴などもやって偉いなとも思うけど、大学教育というものの限界を感じずにはいられない。法学部では一体どのように教育しているのだろうか、と疑問に思う。私などは法学部でも何でもないし、これといった法学的教育を受けたことなどないから、現役法学部生以下の知識しかないだろう。しかしながら、5地裁判決が異なることから、「現職の裁判官」が考えているにも関わらず容易に結論の出せるものではない、ということは理解できるのに、東北大の現役法学部生が法学的に考えようとしないことを不思議に思う。
「仲間みんなが怒りに覚え、『負けてたまるか』と思った」という記事のコメントに全てが集約されているであろう。義憤は必要だけれども、その行使が本当に「事実に基づくもの」なのかどうかについて、考えることができない人々なのだろうな、と思ったよ。ハガキを福田総理に送りつけるのって、ホラ、コメントスクラムと同じような現象でしょ?前から何度か書いたと思いますけれども、ファクスを大量に送信するとか、みんなで電話をかけるとか、手紙を大量に送るとか、そういう「コメントスクラム」ちっくな(笑)行為と何らの違いもないんですよね。
しかし、マスコミもそういうものを好んで煽動するわけだ。ここに、エコーチェンバーの本体を垣間見る。
そうして新たな仲間をつくりだすべく培養(
炎上とアウトブレイク)が行われるようなものなのだ。
こちらでも書いたけれど、ここで例示した如く「仙台地裁判決はトンデモだ、負けてたまるか」というのと同じだ、ということ。こうした行動を通じて、「よく知らない人々」をpolarizeすることを狙う、と。
結果的には誤った情報や認識が拡散し、カスケードの威力が発動される、と。
これで超法規的措置を強要することが可能になってしまう、ということだな。
因みに、上の毎日新聞と河北新報は、全く別々の記事内容になっているのに、申し合わせかたのように、偶然居合わせたかのような子連れ主婦の方のコメントを載せてますね。これって、共同記者会見でも行われていたのでしょうか?それとも、ヤラセか何かですか?全くの見ず知らずの新聞記者同士が、偶然同一の時間帯に東北大の学生にインタビューし、その場にたまたま居合わせた主婦の方に、全く別々にコメントを取ったのだとすると、はがきを投函するまでの時間は非常に長くかかっていた、ということですわね。そんな偶然ってあるのでしょうか?(笑)
例えば、
毎日記者:まず主婦にインタビュー → 学生代表にインタビュー
河北記者:学生代表にインタビュー → 主婦にインタビュー
みたいになってるとかですか?
でも、これってヘンですよね?何故なら、この会の趣旨や目的とか、活動状況とか、色々と尋ねていたはずで、それを聞いてから参加者たちの声を聞くのが普通じゃないですか?ワケのわからん集団とか、募金グループとか、何でもいいんですけれども、まず偶然参加しに来ていた人に話を聞き、その後に代表者にインタビューするというのは、極めて珍しいのではありませんかね?
要するに、これは仕込みの一種でしょ?
毎日と河北の記者が同時にその場に居合わせる必要性なんて、これっぽちもないからね。個別にインタビューしコメントを取るというのも、あまりに不自然。共同でインタビューを行っていたと考えられるが、その理由とは何か?「やりますよ」という事前の打ち合わせが行われていた、ということでしょう。で、そこに偶然現れる主婦、の図。そうですか。
ま、これが日本の報道のやり方であり、ニュースの作り方、ということなのでしょうね。両方を読まない人々には、こういう状況が生み出されていたことなど判らないし、それも別に関係ないし、大衆を煽動することさえできれば何でもいいのだから。