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オール人力狙撃システム試作機

福島第一原発 1号機はどうなっていたのか

2011年05月24日 20時15分28秒 | おかしいぞ
東電が公開したという大量のデータについて、ちょっとだけ見てみた。東電としては、ホラこの通り、情報を出しているんだから隠蔽なんかしてないぞ、という姿勢を示したいのかもしれない。まあ、そうだ。公開してはいる。一見すると。
東北地方太平洋沖地震発生当時の福島第一原子力発電所プラントデータ集|東京電力

だがこれは、悪知恵の働きそうな人間ならば思いつくであろう、紙爆弾ではないだろうか。生データを出して、その中から本当に重要な部分とか意味のある部分とかを拾い出してきて、解析かつ解説できる人間など極めて限られるに決まっているからである。同時に、不可欠な部分とか、本当に重要な部分を意図的に取り除いたりして(悪く言えば隠して)公開しておけば、「公開はしてるぞ」といううアリバイ作りが出来るとともに、事実を隠蔽することもできるという、一粒で二度美味しい作戦なのではないのかな、と。

前に、日本郵政がこうした手法を取ったのではなかったかな、と思い起こしてみたわけです。アレな連中というのは考えることが似ているので、勉強になりますね。他の事例が参考になる、というわけですね。ああそうか、国税庁の査察官とかも、こうして参考事例を積み上げてゆくことで、様々な手口に対抗できるノウハウを蓄積してゆくというわけですね。ほんのちょっぴり理解できたような気がします。

話が大きく脱線しました。
1号機の話に戻りましょう。以下の記述は、あくまで素人の視点によるものだということですので、悪しからず。データの見方とか、各資料なんかは、初めて目にするもので、全く判りません。用語なんかも不明ですね。そうではあっても、疑問に思える部分がありましたので、書いておきます。


①「2.チャート」の圧力変化について

チャートだけでもたくさんの資料があったのですが、印字が見づらくて、判読できないものが多い(水位や原子炉圧力のデータとかがそうでした)のと、意味が判らないものが沢山ありました。
取り上げたいのは、『原子炉格納容器圧力/圧力抑制室差圧 (1/2)』という時系列データ表です。
多分、圧力の高い方が格納容器圧力かと思いますけれども、これが、3月11日0時には約5kPaだったのですが、徐々に6kPaくらいになっておりまして、地震発生直前の値がそれくらいであったのではないかと思います。地震後には、急激に上昇が見られ、3時30分過ぎくらいには約8.3kPaになっていたように見えます。

地震発生後に原子炉停止となったものと思いますが、津波が到来する以前に、停止直後から格納容器内の圧力が上昇していたということです。

また、圧力抑制室との差圧ですけれども、これもやはり上昇が見られました。地震発生前にはゼロでしたけれども、3時10分~15分くらいの時点で約2kPa、その後の数分間で更に上昇が見られ、3時15分~30分の間に約3.6kPaくらいになっていると思います。こうした圧力変化は、恐らく冷却システムが止まってしまった影響ということであろうと思われ、非常用復水器の停止が悪化をもたらした可能性があるかと思います。

まとめると、
・原子炉格納容器圧力
地震前 6kPa → PM3:40分頃 8.3kPa

・圧力抑制室差圧
地震前 0kPa → PM3:15分頃 2kPa → PM3:30分頃 3.6kPa

ということでした。既に、津波前の時点で、既にこれほどの圧力上昇が起こったということです。東電説明のような、原子炉の圧力が急激に低下したので非常用復水器を手動で止めた、というような説明は不整合としか見えないわけです。
他のチャート類を見ても、肝心な地震発生直後のデータが殆ど分からず、この圧力変化のデータは有力な手掛かりかと思います。


②「警報発生記録等データ」について

これも全く意味の分からないものですから、どういう意味があるものなのかはよく分かりません。ただ、気になった部分がありましたので、取り上げます。

14:52 の『RX MODE SW』について、です。これによると、
STAT、OPER、REFUELの3種があるのですが、はじめはそれぞれ順に、
「ON、OFF、ON」だったものが、続いて「OFF、ON、OFF」と変わっています。
緊急起動のスイッチオンで、手動がオフ、何かの供給がオン、ということでしょうか。断定するのは憚られますが、RXは非常用復水器の起動ということなのでは?
そうだとすると、自動緊急起動でオン、手動がオフ、復水器の給水オン、ということで納得がいくように思えます。これを切り替えて、手動オンで復水器の給水オフとしたのではないか、ということです。

津波襲来前にも関わらず、3時以降の警報発生記録がないのは何故なのか分かりませんが、機械的な要因なのかもしれません。

上のデータの話もそうなのですが、重要部分が欠落しているとしか思えないようなデータになっている、ということですね。

他の資料も含めて、分かる人間が、全てを読み込んでいき、解釈することを積み上げないければ、正しく理解することは非常に困難でしょう。特定部分のデータを隠しているかもしれない、ということについても、記録システムのことに詳しい人間じゃなければ、判らないでしょう。

そうした検証を今後やってゆく必要がある、ということです。


当方のような素人が、限られた時間の中でチラッと見てもこれだけの疑問点が出てくるのですから、もっと正確に判る人がきちんと見ないとダメであろうと思います。