いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

基礎年金高騰へバク進中

2005年03月22日 13時14分30秒 | 社会保障問題
原油じゃないんだから!バカで間抜けでのろまな(『スチュワーデス物語』で流行したセリフみたい)厚○労○省のお役人が考えるレベルというのは、この程度ってこと?でもね、入る時にはみんな難しい試験に合格したんだよね・・・本当なの?それとも、ここは掃き溜めみたいな所で、「ショムニ」のような人が送り込まれる所なの?そんな奴らがあちこちに天下りしたり、公益法人の役員になったり、裏金溜め込んだりして国民の金を掠め取るのか?

以下に記事を。

NIKKEI NET:経済ニュース

すべての年金受給者が受け取る基礎年金を賄うために必要な額が、2004年度と05年度は1人当たり月1万5000円強に達していることが厚生労働省の調べで明らかになった。自営業者や学生が加入する国民年金の保険料(月1万3300円)を2000円近く上回る。国民年金の未納の増加なども影響しており、厚生年金に加入する会社員への負担のしわ寄せに拍車がかかっている。




結論から言えば、調べるまでもなく予想通りだろう(年金議論の呪縛)。データがある方が信憑性が高く、多くの人が信じてくれるから望ましいけどね。だいたい調べる時期が遅すぎ。それに、昨年の年金改革案を立案する時の、考えるべき対策とか予想される収支の検討が甘すぎだ。ポイントが外れているんですよ、厚労省官僚諸君。入ってこないお金を当てにして、計画を立案しているということだ。官僚に金を預けるというのも、本当に困りものだ。経済学とか色々難しい勉強を沢山してきたんだろうよ。その頭を使えばすぐに判りそうなもんだがな。

一体誰が考えたか、公表してほしいものだな。どこの課の誰と誰が考えました、法案作成するときにも誰も気にせず、チェックもせず、そんな計画に基づいて、何十兆円という大金が絡んだ年金制度を作ってしまいました、ってね。だが、官僚達はたぶんこう答えるだろう。「自分達は悪くない。法律を決めたのは国会議員だ。その議員を選んだのは、国民だ」と。確かにそうですね。統治のシステムとしては、法的にそうなっている。本当に、これは危険だ。「~に刃物」とか言うが(差別的表現に該当するのでピーです)、「官僚に金と法」だな(これは差別的表現として、訴えられる可能性がある?)。


年金事業団の惨状も酷かったが、何をやらせてもまともに出来ない連中が、行政の中枢にいるのを何とかしてほしい。省庁は国民側にきちんと説明することくらいは守ってほしい。ずっと待っているが、省庁からは返事が来ない。おまけに、今まで官僚が間違えたり、正しく業務を行わなかったことがあっても、絶対に自ら認めようとはしない。変えようという姿勢もない。何なんだ、この組織は。トップ(総理とか大臣とか)が変わっても、霞ヶ関の組織体質は全然変わらない。考え方も職業倫理も変わらない。綱紀粛正も永遠に達成されない。自ら変わろうという気が全くない。


社長が変わっても、社員がダメならば、その会社は永遠にダメということだな。経営権の問題ではない、ということだ。残るは完全な組織解体と、新たに組織編制するくらいしかないのかな。いい加減に目を覚まして、まともな組織を作ってくれ。


海賊事件―邦人無事解放

2005年03月21日 23時16分07秒 | 社会全般
今回の事件で、マラッカ海峡の危険性についても明確になりました。遥か昔の冷戦時代には、マラッカ海峡でソ連の潜水艦などに待ち伏せされて、日本にタンカーが帰ってこれなくなる、というような物語が、相当の真実性をもって語られていましたが、現在は「海賊」が待ち伏せしているということのようです。少し前に、海上自衛隊の老朽艦の払い下げについても検討課題として挙げられていましたが、今後の国際協力を考えると必要になってくるかもしれません。しかし、インドネシアの政情不安が懸念され、正当に利用されれば問題ないのでしょうが、軍用に転用されてしまうという危険性もあり、武器輸出禁止の原則を歪めることを畏れるということも理解できます。ですが、海賊をこのまま放置し続ける訳にもいかないでしょう。何か考える必要があると思います。


今回の人質解放は、割と早く解決となりました。現地入りした船会社の社長が、どれほど頑張っても単独では無理だったでしょう。きっと外務省筋か、特別な民間会社の仲介人を立てないと無理ではないかと思います。後者の場合には、高額な金銭が必要なはずで、身代金自体が相当の高額(会社への手数料も高いはず)でしょうから、見た目で判断して申し訳ないですが、あの社長にそれ程の大金が用意できたとも思えないのです(ゴメンナサイ、もし身代金払っていたなら許してね)。


とすると、残るは外務省関係が現地の有力者の筋からコネを探し出して、犯人側に交渉の糸口を見つけたはずで、犯人側の安全を約束するのと有力者への見返りで話をつけたのではないか…という勝手な推測をしてしまいます。恐らく外務省関係者は、解放への最大限の努力をしたのだろう、と思うのです。これは絶対に公式発表できないでしょうから、現地の外務省関係者の頑張りに敬意を表したいですね(もし推測通りなら、ですが)。
例えば、日本で言えば、有力政治家関係の筋から暴力団とか極右関係者に話をつけ、暴力団組織が犯人側への話をつけ…みたいな感じですかね。昔読んだシェルダン著の『天使の怒り』(ちょっと流行ものみたいですみませんね。関係ありませんが、これを模倣したのではないかと思う日本映画があった…女性検事の子供が誘拐されて、その子を救出する為に暴力団と取引するという話…)のストーリーを思い出しました。「闇の力」には「闇の力」で対抗する―これも交渉の一つの手段でしょう。


インドネシアは賄賂天国で、とりわけ軍人とか地元有力者とかは不正のオンパレードでしょう。そこに日本の非公式なお願いをしたとしても、これは許容されるでしょう。だって人間の命が一番大事ですから。日本人が救出されることの方がよっぽど嬉しいですから。


今、テレビを見ていたら、近藤社長が「水面下で活動した方々のお陰」というような発言をしていました。「身代金の要求はなかった、これが公式発言です」ということのようです。これはこれで良かったのでしょう。本当に無事で何よりでした。


経済学は難しい6

2005年03月21日 13時09分00秒 | 経済関連
以前の記事(経済学は難しい5)に幾つかコメントを頂いたので、思ったことを記事に書いてみます。

経済原理とか理論を考える時、時間や在庫量といった要因はきっと無視できないのだろうと思います。全部に当てはまるのかどうかは判りませんが、恒常的状態に近づくほど、それはそれで効率化が図られるのだろうと思います。トヨタのカンバン方式とか、確かに有名になったものでもありますね。これが、古典的な経済理論と大きくかけ離れているか否かは、私の知識では判断できないのですが・・・。


昔、「たまごっち」という商品が登場した時に、経過時間と伴に、品切れのため深刻な在庫不足に陥りプレミア状態とも言える状況となったように思います。つまりこの状況下では、収益優先なら在庫の心配よりも生産速度を出来るだけ上昇させた方が一時的には儲けが大きいですが、その後「模倣品」とか「海賊品」などが市場に登場して「たまごっち」関連市場は全体として下落し、在庫が積みあがることになります。本家の商品も大きく影響を受けます。最大に儲けようと思う時、「たまごっち」にカンバン方式は有効かどうかは、私には判りません。観測する時間帯(過熱中かブーム終了後か、リバイバルブーム後か)によっても違いが出てくるように思います。収益効率とか生産・在庫・需給・価格などは変数が多くて、正確な記述が難しいのかな、と感じます。


加えて市場の消費者や投資家、生産者(経営者)の「心理」というかなり不確定な要素が時間という軸の中に存在することが、記述を困難にさせるのだろう、とも思います。これが定量的に評価でき、経済原理や理論に正確に組み込むことが出来るならば、かなり現実の現象に近い記述も可能になるのではないかと。


ブラック・ショールズ理論にしても、理想的なオプション価格を考慮する上では役立ちますが、この理論通りの変動が必ず起こるとも言えません。あくまで判断材料の一つに過ぎず、現在価格が割安と考えるかどうかの判断に用いられると思いますが、割高と判断されたにも拘らずもっと価格上昇となる株もあれば、割安と判断されたのに全然上がらないものもある。当然突発的な出来事(何処かの国の経済危機とか大会社破綻とか天災被害とか・・・・色々)は予測できないし、市場参加者の心理がそれほど判るわけではないので、連想買いとか逆の売りとかも判断できないし、暴落のような雪崩現象も反映されないし、バブルのような暴騰も反映されない。現在の理論というのは、そういうレベルなのではないか、と思っています。


昔の景気刺激策が、現在の経済状態に有効か無効か、というのも、正確に判断ができにくい部分があると思う。部分的には有効だが、全体としてはそうでもないとか、かえって逆効果ということも有り得るかもしれない。これは、複雑化したモデルであれば、そういうふうになってしまうんではないかな、と感じます。


例えば、人体の中にある普遍的な物質に「アドレナリン」があります(エピネフリンとも呼ばれる)。時々スポーツ選手とか芸能人などのコメントでも用いられますね。「アドレナリン出まくりでした」のような感じで。これは生体内の殆どの細胞に作用しますが、その作用様式は複雑で個別に観察すると本が何冊も書けるほどです。


一般的に知られる反応としては、心臓が止まりそうとかの時に医療系ドラマなどで「ボスミン!」とかドクターが叫んでたりしますが、これは商品名であって一般名ではありません(「ホッチキス」といいますが、これはホッチキスさんが作ったことから付けられた商品名で、一般名は「ステープラー」ですね。でもよく知られるのは「ホッチキス」の方で、このような一般名称化したものは結構あります)。アドレナリンの作用は、心臓をドキドキさせたり(恋ではありませんよ、笑)、血流を多くしたりする作用があります。ですから、緊急薬品としてよく用いられる古典的薬物ですね。ウソをついてバレそうになった時、心臓が「ドキリ」としてドクドクと鼓動が感じられたりするのも、このアドレナリンが体内で分泌されて心臓や血管系に作用した結果、そうなるのです。


人体は非常に精密に出来ている複雑なモデルですが、許容範囲も当然広く(そうでないと直ぐに死んでしまう)、ある一定限度までには耐えられるように出来ています。ですが、アドレナリンを許容量以上に投与されると死にます(そりゃそうだ)。体内成分であっても危険であることは間違いないのです。また、作用する量が少量の時には、心臓のポンプ機能(バクバクして血液を送り出す量が多いか少ないか)の増強よりも末梢血管の作用が先に出るため見かけ上血圧が上昇しますが、それよりも多くなってくるとポンプ機能がはっきりと亢進し(心拍数が増え、一回に送り出す量も増える)、末梢血管の血流が増加(血管が拡張して筋肉などに多く血液を送る)するので、見かけ上血圧は低下する作用となります。ですが、全力疾走するような場合には、他の体内物質の作用もあるため結果的には心拍数も血圧も上昇するのです。このように、非常に複雑なバランスになっており、同じ物質を作用させても反応はことなります。これが細胞レベルということになりますと、ある種類の細胞に対しては「促進」的に作用し、別な種類では「抑制」的に作用するというふうに、全くの逆の現象となりますし、当然個体差もあります。これは、同じ1mgを作用させても、レセプター(アドレナリンがくっついて作用する受容体)の量とか分布、個人の体格とか筋肉量など、様々な変動要素があります。従って、「アドレナリンをどのくらい投与すればよいか」というのは、大まかに体重当たりこれくらい、という量が目安としてありますが、実際の投与段階では、「投与してみなければ正確には判らない」ということになります。


経済理論もこれに似ていると感じており、ある細胞や組織で見た場合には概ね正しくとも、他の細胞・組織では効果がない、とか逆の反応となってしまうとか、個体全体で見た場合にはまた別な現象として捉えられるとか、そういう違いがあるのではないでしょうか。


非常に有名となった「バイアグラ」(これも商品名ですね)は、血管を拡張させる作用がありますが、全身に作用するのではなく、ある程度の「組織特異性」があります。そのためにED治療薬として用いられますが、元々薬が酵素系のものですので、これに影響を受ける他の物質(一般的には飲んでるお薬ですね、心臓の治療に用いられる薬剤などです)は、作用の仕方に影響を受ける場合があります。この副作用によって死亡例が報告されていますね。このように、たとえ「あそこにしか作用しない」といううたい文句であっても、個体の特定状態の時に作用させてよいものかどうかは、難しい判断となる場合もあり得るのです。


経済政策とか金融財政政策というものも、これと似ており、症状とか個体の特性を理解しようと(=経済理論を研究するとか学問的に分析するとか)努めてみますが、完全なものとしては判らないですし、とりあえず血流を増やす作用がある薬(例えば、バイアグラとかボスミンとか)を使おうか、という判断も成り立つかもしれないのですが、薬剤選択、使う量、時期などに誤りがあれば、症状は回復しない、ということになりますね。


酔狂人さんが指摘されていた、時間という要素も大切な場合が多々あります。生物の活動に合わせて、時間周期による体の変化も当然ありますし、薬の利き方にも違いがあります。なので、結論的には現状の経済理論は色々あるでしょうが、限りなく一般化された法則とか公理のようなものというのは、見つけるのがなかなか困難なのではないのかな、と感じます。また、診立てによっては、意見が色々出ても不思議でもないのかな、と。

「今、心拍数が低いから高くなるようにアドレナリンを投与しよう」
「アドレナリンは劇薬だから慎重に投与すべきだ。もっとマイルドな薬を投与しよう」
「それでは効果がない。少なければ逆効果なんじゃないか」
「いや、足の筋肉が多く酸素を消費しているから、そこの血流を絞ろう」
「そうではない、贅肉が多いのが負担になって問題だから、脂肪燃焼がいい」
「そんなんじゃ、心臓はもっと弱ってしまうよ。もっと、全身の血流を増やそう」
「末梢にばかり血が集まってるじゃないか。足の筋肉を減らそう」
・・・・・・

こんな感じで延々と続くような・・・実際はどうなんでしょうか?


テロ事件とインテリジェンス

2005年03月20日 18時36分01秒 | 外交問題
読売新聞に「政治の現場」という欄がある。以前、主に北朝鮮外交について興味深い連載があったのだが、今はその続編として「続 小泉外交」というタイトルでイラク戦争に関わる連載が続いている。前のシリーズも良かったのだが、今のシリーズも私的には面白く読んでいる。いつの時代の出来事も、人間の考えや行動が歴史に結びついていると思うと、それぞれ物語があってとても面白いのです。はやりフィクション以上に、真実の物語というか出来事の舞台裏は興味が尽きない。

これは、女性週刊誌とか低俗なテレビ番組(こんなことを言うと非難されるかもしれませんが、私の中での興味ランキングが”低い”という意味です)などに見られる、読者や一般人出演者が語る実話に、多くの人の興味が惹きつけられるのと同じです。真実の方が想像を超えた物語であることが多く、だいたい「えーっ!信じられない」的反応となってしまうのですね。私などはほとんどそうです。関係ない話に脱線しました。


さて、先程の「続 小泉外交」ですが、3/18日付の第7回の記事は特筆するべき内容でした。これを取材した記者を褒めてあげたいです。以下に、一部分だけ抜粋したいと思います。



米同時テロ後に米政府から非常に頼りにされた1人の日本人外交官がいた。

・・・中略・・・
今も情報の最前線にいるため、外交官の名前を明かすことはできない。ここでは、彼をXと呼ぶ。

・・・中略・・・
Xは事件当日の夜に、複数のルートからマスードの死亡を確認し、東京の外務省に打電した。「世界で最も早かった」と言われる。同時に不安を覚えた。

・・・中略・・・
マスード暗殺が現実となり、Xは「今後、とんでもない事件が起こるのではないか」と心配した。予感は的中した。2日後、遠く離れた米東海岸で、最悪の形となって。

・・・中略・・・
同時テロの直後、Xの名前を挙げて日本政府に協力要請した。米国の情報機関にはアフガン国内の人的情報(HUMINT)が決定的に不足していた。

・・・中略・・・
日米間の情報協力では、日本が米国に依存する割合が圧倒的に高い。米国同時テロにおける今回のような情報提供は極めて異例だ。隠れた対米支援だった。




こんな感じで、情報の意義が外交と絡めて書かれていました。ここで重要なことは、同時テロ前の情報の意味でした。この重要性がもっと認識されており、米国側が掴んでいた情報と考え合せれば、何かの形が見えたかもしれません。そして、米国が推進してきたSIGINT(signal intelligence)重視には限界があることを示していました。結局のところ、テロリストも人間なのですね。人の繋がり、人脈というものが、必ずあるということですね。satellite+SIGINT は万能ではない、HUMINTとの組み合わせが有効、ということでしょう。冷戦終結後、昔で言うスパイたちの多くは用済みにされてしまったり、長年作り上げてきたネットワーク組織は崩壊(引退したり予算がなくなったりでしょう)したりで、大きく偏りが出来てしまったことが、米国のHUMINT弱体化の原因かもしれません。


日本は元々情報組織も、特別なSIGINTも持たないですから、概ね外国頼みであると思っていましたが、外務省には優れた人材がひっそりと存在していたということでしょう。戦前の外交官は、有名になった『ちうね』の活躍ばかりではなく、多くの優秀な人材がいました(と、私は評価していますが)。日本の為に活躍した人達は、今よりもずっと多かったと思います。最近の外交官たちの体たらくぶりには(公金を好き放題使う、裏金にする、絵画や家具を公金で増やす等、きりがないな)無念を通り越えていましたが、Xのような活躍を見せる人がまだいたんだな、と心強く思いました。同時に、このような人材育成を外務省はきちんとやってくれ、とも思います。前から書いてきましたが、外交・防衛政策は表裏一体であり、インテリジェンスを重要視する意味が理解される出来事であると思うし、また、これを紹介したこの記事に本当に感心しました。


地下鉄サリン事件後丁度10年ということで、当時の事件の反省やその後のテロ対策の取り組みとか、安全性確保への問題提起なども行われています。このような時期ですから、もう一度行政側も国民側も、日常の中にある危機とか万が一の事態への対応とかを考えてみるよい機会かもしれません。

過去記事:
防衛政策への提言
統合情報会議
安全保障あれこれ
防衛情報とインテリジェンス



郵政民営化の考察9

2005年03月20日 12時27分09秒 | 社会全般
見直し条項の検討に入った模様であるが、この条項には制限を付けておいた方がよい。具体的、客観的に誰が見ても分る指標だ。この条項は、交渉戦術の為の、単なる反対派抑制の「ノボリ」かもしれないが、法案として決ってしまったら後からは取り返しがつかない場合があるからね。


自民党側が出している大きな理由として、「コンピューターのシステム構築が間に合わない」場合に、民営化が厳しいという意見だと思うが、これ自体が民営化とは直結しない理由なのは確かだろうと思う。普通に考えれば、企業間や銀行間のやり取りが不便というだけであり、収益性の問題はあるだろうが、民営化の進捗度の問題とは本質的に違う。当面持株会社の傘下に入って、段階的に株式の市場放出が行われることになっている。見直し条項を盾に取られて、常套手段の「先送り」を許してしまえば禍根を残すことになりかねない。その為には出来るだけ客観的な指標があった方がよいと思うのである。「民営化開始時期は2年後から」でこれは組織形態の違いによるだけですから、全く問題ないですね。昨日まで、とーちゃん、かーちゃん、などの同族商店だったものを、今日から有限会社のような法人化した会社組織に形態を整えたとしても、商店がすぐにどうにかなってしまうとかではありませんし、実質的に大きな影響をそれほど受けるものでもありませんね。


株式売出に環境が良くない場合もある。当然政府保有であれば、高く売れて利益が多い方が望ましい。ですから、仮に日経平均の12ヶ月の終値変動率がマイナス20%を超える場合(要は、過去一年間の終値の変動が、20%以上の下落ということですね。仮に昨年3月の終値が1万円で今年3月時点で7800円なら、大幅な下落環境となり株式放出のタイミングとしては悪いですね。このような事態を回避するという意味です)には売出はしない、といった制限を設けるということです。完全民営化しようが政府が一部保有していようが、民営化会社の収益構造や業務には違いがありませんから(まさに株主が誰かの違いだけ)、それで民営化会社が助かるとか市場競争力が変わるとかということではありませんね。


それと、見直し条項の客観的指標としては、競争力が十分備わっていなくて、民営化会社が連続赤字続きとかですと、当然株式放出しょうにも買い手がいないということになりますから(若しくは非常に安い値段になってしまいますね)、客観的指標としては例えば「最終利益が3期以上連続黒字になり、かつ、未処分利益(積立金)が10億円以上」とか東証1部上場基準でもいいと思います。それが見直し条項の意味なのではないか、と思っています。これくらいの基準であれば、自由競争でも何とかやって行けるでしょう。このようなメルクマールがないような条項であれば、時の政権が勝手に「もう少し先延ばししようよ」と考え、民営化が実行されなくなる畏れがあります。そういう「後でどうにでもなる」というような条件は残すべきではありません。


平ちゃんも、そういう条件なら、妥協してもいいと言うのではないかと思いますが。どうなんでしょうか。



人権擁護法案擁護論への疑問3

2005年03月20日 01時41分48秒 | 法関係
前回まで、率直な疑問とか危惧について書いてきた。小倉先生からもTB頂いたので、また少し考えてみたい。国民の権利についての制限を加える法案ですから、十分慎重な議論がなされることが必要かと思っています。私は法学の専門家でもありませんので、大したことは分かりませんが、行政庁の権力行使については、かなり慎重な手続き上の制約とか安全装置は確保されるべきではないかと思います。


小倉先生、an accused さんやbewaad さんの記事を読んでみて、「勧告」と「公表」の問題が確かにあるのかな、と考えます。この点について、ちょこっと考えてみます。


唐突ですが、比べる法律として独占禁止法を挙げてみたいと思います。これは何故かというと、公正取引委員会は皆さんが検討されているように、人権委員会との対比として構造的に似ており分かりやすい、実際に「勧告」が行われていること、そして「公表」が行われていることです。


時々独禁法に抵触する不当事項のある企業について、公取が「排除勧告を行った」というふうに報道されます。これは、公取が意図して「公表」するのか、単に報道機関が取材して入手した情報として「報道」しているのか、正確に分かりません。ですが、公取が公示するとか、報道機関に敢えて公表するかしなければ、報道機関は情報を知り得ません。もしも、意図的に守秘義務のあるものについて漏らしたとなれば、「守秘義務違反」ということになるでしょう。独禁法における「勧告」は、「公表」を伴ってもよい、という判断が現状かと思います。


追記:3/21 16時ころ
公示規定は独禁法上に探せませんでした。どのような法令に基づいて公表しているかはちょっとわかりません。しかし、ネット上でも公取の勧告は公表されているようです。つまり、「公表」という手続きは法に規定しなくてもよい行政側の行為と判断でき、同時に行政指導は「公表する」か、「公表してもよい」内容ということになりますね。以前書いたドンキホーテの記事には、間違えて書いてしまっているということになります。因みに消防法では、公示が条文に規定されて(第5条)います。


「勧告」については、独禁法第48条に規定されておりますが、「公表」とか公示というような規定はありません(47条には46条規定―これは以下に書きます―の処分を行った時は、その結果を「明らかにして置かなければならない」と規定されているが、これは文書等の記録として第三者が明確に分かるようにしておく、ということであって「公表」を意味するものでないと思われます)。つまり、不当事項の排除「勧告」を行った、という情報は公取が独自判断として報道機関に対して「公表」しているということになります。独禁法は行政手続法の第2、3章については、適用除外となっており、申請に対する処分や不利益処分は除外ということになります。独禁法における処分とは、大まかに言って、出頭・審訊、意見・報告徴収、鑑定人の出頭・鑑定、書類・物件の提出・留保、立入検査です。これも行政手続法の適用除外となっています。行政手続法での行政指導に該当する「勧告」は、独禁法において強力な権限として存在することが言えますし、行政指導の内容や対象企業の公表が同時に行われることになります。また、独禁法は、行政不服審査法や行政手続法に規定される不服申し立てや聴聞・弁明機会の附与が出来ない代わりに、審判手続きが存在します。これによって、公取の判断に対する再検討の機会が設けられております。


流れとしては、公取が調査等を行い、改善すべき不当事項のある企業に対してまず「勧告」を行います。この時点では、単なる行政指導に過ぎず、命令とか行政処分には該当しません。この段階が通常「公表」されています。この「勧告」を受け入れる場合には、企業は応諾の旨公取に通知して審決となります。しかし、応諾しない場合には審判手続に入っていくことになります。審判官は公取が任命した専門家(法や経済の)で、彼らによって審理され(裁判みたいなもの)ます。課徴金の納付命令についても、納付命令前に意見陳述機会の附与や審判手続があります。公取は主務大臣に対して、措置を行おうとする前に通知したり(45条)、審判手続開始前に協議したり(49条)しなければなりません。また、法律の施行状況について、内閣総理大臣を通じて国会に毎年報告しなければならない(第44条)ことになっていますから、国会や大臣の監視監督は細かく行われることになります。


審判は原則公開で行われ(事業者の機密保持等の理由がある場合には非公開でもよい)、審判終了後委員会の審決(委員長と委員の合議)をもって命令とか課徴金納付が決められる。審決のうち独占的状態の改善措置は3名以上の合意が必要である。審決の命令とか行政処分については、これが確定するまで裁判所の決定する保証金等を供託することで執行を免れ、この裁判は非訴事件手続法により行う(第62条)ことになっています。独占的状態の改善措置をとらせる場合(第8条の四第一項)の審判手続開始前には公聴会の開催が義務付けられています(第72条)。審決の取消の訴えは裁判所が証拠有無などを判断し、証拠がない(不十分)とか法令違反と認められれば、審決が取り消されたり差し戻しされたりします。


このように、最終的な審決に到るまでの過程で、幾つかの安全装置が作られています。勿論強制力が大きいから、という考え方もあるかもしれませんが。人権擁護法案での「勧告」についてはこの決定の適否について争う術がありません。独禁法では、従わない旨、意思表示を行い、審判にかけてみることも可能です。その審判(この結果から導かれる審決)の適否についても裁判所に提訴して、司法判断を仰ぐことも可能です。また、委員会の行為の監視として、措置前の主務大臣への通知義務や協議、公聴会開催、国会への報告などもあります。人権擁護法案は似ている部分は少しありますが、独禁法の方が行政側にハードルが多く作られていると思います。


独禁法における「勧告」と「公表」の一体的運用はよくわかりません。謎のままです。公取は法の規定がないにも係わらず、勝手に公表しているのでしょうか(笑)。そんなことではないと思いますが、条文からは「公表」が見えてきませんね。ここで独禁法の検討を目的としているわけではありませんので、すごく重要かと聞かれるとなんとも言えないのですが。


行き詰まり法案の懸念

2005年03月19日 16時50分34秒 | 政治って?
自民党は今国会で予定していた法案が全然進まないことに、いよいよ焦りが出てきたか。このままでは、何の戦果も挙げられず、ヤマタクの選挙戦を戦うことになる。ハレンチ議員の逮捕が流行り言葉で言えば「想定外」だったろう。しかも、思っても口に出さなければいいものを、麻生大臣がうっかり(若しくはワザと?かな)「同じような、女性(に関係する)問題ということで考えると、選挙に影響する」なんて発言しちゃったからね。これがテレビなどでも報道されてしまって、こっそり「思い出さないでくれ」と願っていたヤマタクに冷や水を浴びせただろう。出来るだけ密かに「問題」に触れぬようにしていたのに、一般大衆は「あー、そうだったな、似たり寄ったりかね」なんて「変態ぶり」を思い出してしまったかもしれない(笑)。悪気がなかったにせよ、痛い発言であった。まさか、ワザと発言したのなら、「中二階」の返上目指して、ヤマタク敗戦下野なら小泉さんの「責任問題」に乗せられるという思惑なのか。その時に麻生さんが党首に近い位置にいる中二階組、ということなのかな?それはそれで「あっ、そう」(オヤジギャグ好きでゴメンナサイ)って感じですが。


人権擁護法案は自民党内の了承を得られず、見通しは立っていない。自衛隊法の海外任務も今国会では見送り。メインディッシュの郵政まで法案を通せないような事態になれば、目玉商品なしで終わることが懸念される。自民党内に「郵政民営化」の法案作成への協調姿勢が必要という判断だろう。まあ、これぐらいは通せなくてどうする、って感じだしね。今は小泉政権の支持率は上昇基調だし、これに抵抗するイメージを濃くしたくないだろう。今後の展望を占う意味では、党側としては地方の補選を重視しよう、ということでもあろう。千葉知事選で都知事的意見に従えば、あんな「バ○ア」に自民党が退けられたことがかなり痛いだろうから、選挙を戦う地方の切実な危機感があっても当然だろう。このままで行くと確かに連敗も有り得る様相だからね。ましてや、ヤマタクで一敗地に塗れるわけにはいかない。

参考記事:
Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 郵政公社存続なら10年後に赤字転落 自民試算
Yahoo!ニュース - 共同通信 - 完全民営時期に見直し条項 政府与党、大筋で合意
NIKKEI NET:政治ニュース


そんな思惑もあって、また党執行部が郵政法案の推進に決意を持って臨む姿勢を明確にしたことで、政府との協議が加速したのでしょう。与謝野さん頑張ったね。ネゴシエーターはこうでなくっちゃ。園田、柳沢のバックアップを得て、政調会長が先頭に立って自民党内の反対派を押さえ込む作戦で、公社の赤字予測もいいタイミングで出されたようです。当然の結論だろうね、これも。今さら片山さんも文句も言えまい。青木さんがよし、と言えば逆らえんだろう。もう反対派の小賢しい雑音は、障害とはならないだろう。与謝野さんの応援(国会空洞化現象郵政民営化の考察5郵政民営化の考察6郵政民営化の考察8)をした甲斐がありました。郵政民営化は絶対に必要です。ペイオフ後の預金者動向も見極めできるから、早い段階で道筋がついている方が公社としても行動予定が立てやすいだろうし、対策を練る時間的余裕もできるだろう。


民主党は、所謂「証文の出し遅れ」ってやつだな。党内意見の集約をやっている時間はないぞ。その時には、政府与党は合意後であり、絵が全て出来上がった後だろう。これでは、反対案を見せてみた所で、評価されないだろう(予算案もHPで見たけれど、一律カット部分があって、現実に実行することは無理なんじゃないか、とも思う。評価が非常に怪しい、というのが感想です)。もう、郵政民営化の反対案は諦めた方がいいよ。国会前に検討して、矛盾点とか洗い出さないと、間に合わないだろうが。自民党内の争いに巻き込まれないように、なんていう自己都合ばかり考えるとこうなるんだよ。何遍も言うけどね、誰の為に活動しているか考えれば、自ずと行動は決ってくる。国民を第一に考えないから、「損した、得した」ってな結果になるんだよ。今さら郵政に首を突っ込んでも呆れるから、社会保障改革一本に絞って、取り組んだら?今のところ、民主党の方が先行していて、私的には賛成部分が多いですし。


四面楚歌外交の無理難題

2005年03月19日 03時00分07秒 | 外交問題
今夜ライス国務長官が日本に到着した。米国産牛肉の早期輸入再開を求めるという、明確な意図を持っている。また米国議会では、日本に対して制裁措置を決議する動きも見られる。ここ暫く忘れていたが、昔よく見られた米国の対日制裁…スーパー301条とか何とかがあったような…を思い起こす。米国の農家もきっと汲々としているのかもしれない。はるか昔に、米国の「市場開放圧力」に”負けて”(NOと言えない日本でしたから、笑)オレンジとか、牛肉はどんどん輸入されるようになった。消費者はその恩恵を受けたし、吉野家の牛丼に代表される外食産業を支えてきた面もあるだろう。


私は特別牛丼が好きな訳ではないから、吉牛があろうがなかろうが困ることもないのだが、先日のフィーバーぶりを見るにつけ、輸入再開に期待している人々も多いのだろうと思う。果たして、この願いが叶えられるような日本側の回答が有り得るのかは、明日以降に明らかにされるだろう。北海道地盤の町村外務大臣も、牛は見慣れているのかもしれないが、国益重視の強力な”カウボーイ”(カウガールか?)には手こずるだろう。安全性に神経質な国民と、悠長な食品安全委員会と、無神経で非常識な発言の島村農水大臣の揃い踏みで、うまく納得させる説明をするのは、至難の業であるかもしれない。まあ、頑張ってくれ、町村さん。少なくとも制裁発動だけは回避できる道筋を模索してみるしかないのかな。


一方、竹島問題で過激な抗議を繰り返す韓国の問題も頭が痛いな。時々ニュース映像で見る、外国人が国旗を燃やすシーンがあるが、これはヨーロッパでも中国でも韓国でも共通しているようです。日本人は滅多なことで、あれほど過激に抗議しないし、国旗を燃やしたりはしないかもしれない。やっぱり島国でひっそりと過ごしてきたからなのかな?韓国人は自分の指を切断や、焼身による抗議など、かなり過激だな。大陸では、あれくらい過激でないと生き延びてこられなかったのかな?本当のところはよく分からない。まあ国民性の違いなのであろう。


北朝鮮がゴネて困っているところで、韓国が突然過去の歴史だの竹島だのと、余計なことを言い出したので、拉致問題が霞んでしまった。中国の嫌味な態度さえも、忘れそうになった。今の日本の置かれている状況は、四面楚歌状態になりつつあるのか。実際、そこまでの悪化はないにしても、米中韓朝に暫くは悩まされそう。自己利益に過ぎると無理難題を要求するものなのか。


このような時、日本の国益を大切にすべきではあるが、利に優る理、人も国も正道こそ大事ではないかとも思う。では具体的にどのような方法があるか、と言われれば難しいのであるが、これを忘れなければ大きく踏み外すことは少ないように思うというだけなのですが。


経済学は難しい5

2005年03月18日 19時23分47秒 | 経済関連
経済財政諮問会議は、ついに「インフレ・ターゲット政策」を導入することを宣言するようです。以前から、ネット上でも色々な論争を巻き起こしており、私は素人ゆえその学問的背景とかは詳しくわかりませんが、デフレ脱却という点で意味がありますし、借入金の相対的縮小の意味は大きいでしょう。素人考えと非難されるかもしれませんが、政策的にこれを行うという明確な宣言があれば、財政政策と金融政策の両者がそれに向けてきっと頑張る(?)でしょう。どう頑張るのかは、専門家に聞いて下さい(笑)。

Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 経財諮問会議「21世紀ビジョン」にインフレ目標


具体的目標としては、年率2%程度ということです。リフレ派は高らかに「勝利宣言」でしょうか(笑)。とは言っても、このリフレ派というのも、実態をよく知らないのですが。庶民感覚としては、賃金が減少するって話よりも嬉しいし(単に見かけ上の話なのですが、実質的には価値が上昇するというものでもないでしょう)、借金の額が相対的に小さくできるのも、当然嬉しい!って感じでしょうか。私は住宅ローンにも苦しんでいますから(笑)。国の借金も勿論そうですね。


年率2%が毎年達成されるとどうなるか。これを考えてみます。
仮に今の給料を100、借金を1000としましょう。今22歳の人が働き始め、相対価値は一定であるとしますと、だいたい58歳頃に給料が200となります。倍ぐらいですね。この時にも借金が同額残っていたとしても(利息とかが増えないものとして)、年収の10倍あった借金は、何と5倍まで価値が減少します。返済が随分と楽になりますね。前に医療費のキャップ制導入は無理だ、って経済財政諮問会議に文句を言った時に、必要成長率がだいたい2%くらいではないかと考えたのですが、インフレが着実に達成されれば色々役立ちそうです。

2%のインフレ率が達成されて尚且つ年金の給付水準を据え置くと、実質的に給付減少と同じ効果が得られます。しかも、受け取る側は、すぐには気付きにくいですから、いい方法と言えるでしょう。これは、私的には大賛成ですね。私が提言した年金改革は、基礎的年金と確定拠出型個人年金の2本立てでした。しかし、完全な確定拠出型に移行できるのは、新制度開始時に20歳の人からです。それよりも年長の人は既に旧制度(つまり今の制度)で年金保険料を納めてしまっています。また現在既に受給されている人は大幅な減額とかが困難ですので、それについての問題は以前記事を書きました(新しい年金給付 1新しい年金給付 2)。でも、本当は満額受給できる人はできるだけ少ない方がよく、しかも現在の給付水準とこれから受給される人の給付水準には結構な開きができるでしょう。これを多少緩和できるのが、インフレ率でしょう。満額受給の人は現在価値のままで出来るだけ長く据え置き、後から確定拠出型に掛金を入れる人達は、インフレ率の分だけ多く積立られるようになります。そうすれば、結果的に満額受給者と確定拠出型の人との給付差が減ることになります。ラッキー!


例で考えてみます。今65歳の人がいて、その人が受給している厚生年金が月20万円とします。今後20年間で受け取る年金は、4800万円です。一方、現在45歳の人がいて、今後20年間確定拠出年金を20年間積立するとします。この人が受け取れるのは、基礎年金部分とそれまでに払った保険料と比例する上乗せ額(大して多くはならないでしょう)が公的年金となります(正確には計算しないと確定しません)。それとは別に個人の年金を積立ますが、年率2%のインフレ率だと給与は最終的に約45%増加し、掛金が一定割合で給与の8%とすると、掛金総額はインフレ率が0%の場合に比べ約20%増加します。この人が年収500万円だとすると最後の給与は約728万円(相対価値は一定です)で払い込み年金掛金は約972万円となり、インフレ率がない時(年収500万円のまま、掛金年間40万円で総額800万円)に比べて増加してますね。これに運用益を加えた分が年金原資となります。これによって年金給付額が据え置かれた満額受給者と、20%の増加効果をもたらした確定拠出型個人年金併用者の差が縮まっているのです。ですから、インフレ・ターゲットは、私が提唱する年金方式の場合にはとても役立つと言えそうです。


これによって年金負担の軽減が図られれば、医療関係費の財源に回せる額が大きくなりますから、財政上のメリットも大きいでしょう。もっと早くに、インフレ・ターゲットを開始してほしかったですね。


人権擁護法案擁護論への疑問2

2005年03月18日 03時46分50秒 | 法関係
前の続きです。

2)行政指導について

人権擁護法案の勧告と公開についてですが、勧告は行政指導という解釈のようです。
通常行政指導には強制力もなければ、不利益処分もない。an accused さんが「勧告」及び「公表」について司法判断は及ぶか、という点に疑問を述べられて、私もよく解らなかったのであるが、行政不服審査法の適用にはならない、という見方のようです。コメントには、行政手続法による規定で、「聴聞」と「不利益処分」への行政訴訟と書いてしまったのですが、聴聞は誤りでした。これは行政手続法の規定によるもので、正しくは「弁明の機会」の附与ということになります。bewaad さんの記事を読んで、「ああ、そうか」と得心が行きました。さすがに現役官僚(法務官僚ではないでしょうが、どこかの法規課の方なのかな?)の方だなと感心し、行政法に明るいなと思いました(当然と言われるかもしれませんが)。また、「不利益処分」についてですが、「公表」そのものは行政側の行為としては処分に該当せず、「公表」によって第三者から受ける「不利益」に過ぎないので、行政手続法に規定される「不利益処分」にも該当しない、ということのようです。


従来の一般的な行政の態度を考えてみます。通常、行政が企業や個人に対して行政上の命令を下す場合、ある段階を経ていると思います。それは、informal な権力行使の形をとることが多いでしょう。それが一般的にいう行政指導です。特に、許認可権がある場合には、殆どの場合にこの形をとることが多いと思います。まずは指導によって、「正しく業務を行って下さいね」という意思表示をする。勿論この時に行政側の意見に従わなくともよいのですが、現実には相当の実効性を持ってほぼ「強制的に」認めさせることが多いと思います。行政指導に従わなければ、その後にformal な権力行使が待ち構えているからです。何がしかの行政処分や許認可の取り消し処分(これは滅多にはないでしょうが、重い処分としては存在しますね。シティバンクの時とか、医療機関・介護事業者の処分とか、入札指定取消とか…所謂伝家の宝刀です)が行われれば、大きな打撃となることが多いでしょう。これをいきなり行うことは少なく、明らかな犯罪があった場合とかは別として、普通では指導を行って改善を図り、それでも効果が十分ではないとか従わないような場合には、正式な処分が発動されますね。

昨年の放火事件によって死亡者が出たドンキホーテの例がこれに近いものでありましょう。事件の以前に、消防当局が立入検査を行い行政指導を行っていたと思います。この最初の立入検査は消防法に基づく強制的な命令が発動された訳ではなく、単なる指導であり「改善して下さいね」というお願いに過ぎませんが、事件後緊急立入検査が行われ、会社に対して改善命令が出されたかもしれません(もしくは、命令ではなく再び行政指導であったのかもしれませんが)。これを聞き入れず従わない場合には、強制的な改善命令を出した上で、さらに強制的に営業停止などの処分を下すことになっていくでしょう。


また一般に、行政指導の内容や指導した企業等の公表を行うかと言えば、それは行われず、行政処分を受けた場合にのみ処分内容と対象となった企業等が公表されます。例えば、三菱重工の指名停止処分とか、富士見産婦人科に見られたような医療機関の保険医療機関取消処分とか、医師の免許取消処分や医業停止処分などですね。こうした処分は、「公表」という形がとられるわけですが、人権擁護法案の「勧告」という行政指導に従わないものについて、「公表」という、あたかも「行政処分」を受けたかのような形が取られるわけです。もしも、一律に行政指導に従って改善していない(意図するかしないかに関係なく)ものについて全て公表するということであるならば、まだ理解できうるかもしれませんが、今までそのようなことは行われていないわけです。金融庁が金融機関に行った行政指導の結果、改善が不十分として毎回公表していたら、相当多くの金融機関が公表の対象となるのではないでしょうか(実際にはよくわかりませんが)。


行政指導は、行政の権力行使の中でも大きな地位を占めており、法的には単なる「お願いに過ぎない」といっても、これがなんら規制や強制力が発揮されないなどということは有り得ない、と思われます。法律は、そんな行政の実態までは面倒を見ない、ということでしょう。この行政指導の形をとった権力行使は、通知・通達の実効的強制力発揮と併せて、様々な企業、組織や個人に行政庁の意向を押し付けているものです。通知や通達が如何に「法律ではないから従う必要がない」などと言ってみても、これに逆らうことは許されないのと同じです。銀行がなぜ簡明な銀行法によってのみ行政の監督を受けているわけではないかは、行政庁から大量に発せられた通知通達に縛られていることを見れば明らかでしょう(実態がどうなのかは正確に知らないので推測です)。個人であっても、法的責任を生じさせられる、ということは、今までも記事に書きました(市立札幌病院事件1市立札幌病院事件5)。法律が規定せずとも、行政庁が法解釈して、その解釈を強制することが出来る、ということは確かでしょう。ですから、法的な手続き上は「行政指導に過ぎない」ということをいくら説明されても、「そうですか、弱い力なので安心です」などとは考えられないのです。


また、ドンキホーテの例だけではなく、薬事法違反容疑で立入調査を受けた健康食品会社の倒産(確か小倉先生の記事で読んだように記憶しています)などを考えあわせても、個人または団体に、「人権委員会の立入調査を受けたこと」また「公表」という実質的な「制裁」が発動されることは、大きなリスクとして存在することは確かです。このような処分を回避するような安全弁的仕組みが法案には存在しないばかりか、司法判断を仰ごうにも、「勧告」は処分でもなく「公表」も不利益処分でもなく、行政訴訟の対象ともなり得ないとするならば、国民側には対抗できる手段や判断の過誤を審問する機会すらないことになってしまいます。唯一の方法は、「公表」によって受けた不利益の損害について賠償を求めるしかない、という、何だか本末転倒のような事態が生じてしまう法律というのは、果たして信じられるのか、とも思います。このことは、an accused さんも危惧されておられます。


私のような「法律」や「法学」に疎い人間は、間違えた解釈や知識不足による誤認などがあるかもしれません。しかしながら、法律の運用が如何に人間に依存するか、行政庁は如何に都合よく法を適用するか、権力行使への対抗手段を持たない国民が如何に弱い立場か、ということが過去の経験や実例から感じられてしまうのです。その不安が払拭されない限り、単純に「いい法律ですね、大賛成」とは考えられないものなのです。


人権擁護法案擁護論への疑問1

2005年03月17日 22時27分16秒 | 法関係
幾つか不安に思うことがあると以前に書いたのだが、もう少し書いてみたい。これは、行政庁の持つ仕組みやシステムといったものが、本当に「条文通り」機能するのか、という信頼性の問題でもある。まだ作られてもいない法案や組織について、いくら不安だからといって反対する理由にならない、と言われればそれまでかもしれない。しかし、法律とは一度作られてしまうと、それを改めることは容易ではないし、その法律に基づいて省令なりを附与されてしまえば、これまた改善させることは甚だ困難だと思っている。それに行政庁の下す判断や決定というのは、相当の重みがあり、これに抵抗できる権力は、一般国民には「司法」以外に持ち得ない。


国会議員の選出によっても、権力への対抗が可能とか、行政府の統治が可能とか、そういう考えは有り得るであろうが、本気でそう考えている人間など存在するのだろうか。およそ絵空事としか思えない。衆愚の目を欺いたり、大衆誘導を図ることの方が容易であり、今までも現にそういう方法によって政治が行われてきただろうし、それを選択したのは国民が愚かだったからだ、という結論を持っているのではなかろうか。

今までにも何度も書いてきた。法律は条文に正しいことが書いてあるからといって、それを担保するものではない。法律がいかに正しかろうとも、法の専門家や行政担当者達が、そろって愚かで特定権力になびいてしまえば、誰も変える事も改めさせることも出来ない。それが、行政の正体であり、行政組織の法の運用である。


以前書いた記事です。参考に読んでみて下さい。
人権擁護法案とネット言論
法と正義 1
法と正義 2
会計検査院の仕事4


1)組織独立性と法の恣意的運用

法務省の外局という構想であり、これが内閣府であろうがあまり違いはないように思う。
現在私が行政機関で最も独立性が確保されていると思っているのは、会計検査院です。これは、憲法で規定されている唯一の独立的行政組織だからです。その独立性について考えてみたいと思います。

会計検査院は、検査官3人(会計検査院長は互選)で、国会の同意を得て内閣が任命する(天皇が認証する)。閉会中などでは、任命後両院の承認が必要である。検査官会議で重要事項の決定を行い、その指揮下に事務総局があって、ここに検査院職員は所属し、検査官の合議により院長が任命するが、この権限は事務総長に委任できる為、一般には事務総長が実質的な人事権を発揮できるだろう(単なる推測ですが)。

当然会計検査院は、全ての省庁の検査権限を有しているし、その権限は強力であるはずだ。基本的に検査拒否できるという事由は存在しない。ところが、警察の裏金事件を見て明らかなように、必要書類を提出しなかったり、検査官の質問に答えなかったりできるのである。これは何故か。会計検査院法の条文に規定されているにも関わらず、その権限は正しく行使出来ない。刑事罰のような罰を与えることができないからである。本来「強制力がない」というのはウソだと思う。会計検査院法第26条規定は、検査忌避などできるような条文ではないが、拒否した人に「厳罰」を与えない、というだけである。隠せば当然26条違反になるのである。そして、これに違反すれば当然31条第2項規定に基づいて懲戒処分を要求しなければならないはずなのである。

また、会計検査院法第27条も33条も守られてはいない。領収書偽造事件が裁判の認定によって確定しているにもかかわらず、当然の如く会計検査院に直ちに報告されてはいない。領収書偽造は「犯罪ではない」という判断が、警察庁の判断だ、ということだ。そんな法的判断や解釈があるなら、是非講釈して欲しいものだ。どれ程立派な解説をされても、一般人が偽造したら犯罪として認定されるだろう。ところが、省庁は違う、ということだ。33条規定についても、検査院長の国会答弁では、「捜査機関ではないから、実質的に無理だ」ということである。ならば、条文そのものがいらない、って話だろう。検査した結果、かなりの確度で犯罪があるかもしれない、と考えれば検察に通告義務があるというのに、勿論通告したりはしない。「犯罪」と認定するのは難しいからだ、という理由でだ。捜査の端緒となすに決っているこの33条規定を守れないのは、省庁の顔色を伺うしかないからである。

これが恣意的運用と言わずして、何と言う?もしも、納得のいく説明が出来る人がいたら教えて欲しい。
法律の条文とは、このように適用するかしないか、又は、運用者が法の趣旨を正しく判断して運用するかしないか、の違いだけである。書いてあることがどれ程正しくとも、到底行政を信用できるものではない。国会議員も追及の仕方が間違えているが、議員さんが国会で一言くらい突っ込んでみたところで、官僚達や行政職員や検査官達は、考え方を改めたり間違いを認めたりは簡単にはしない、ということだ。

さらに、会計検査院は検査官会議によって決定すべき事項が殆どである。しかし、第34条規定は、検査官会議を経なくともよい事項となっているが、今までこれに基づいて改善措置をとらせたり、意見表示、処置の要求などをしたことは多分ないだろう(検査現場に立ち会ったことがないので推測です)。条文には『直ちに』できることになっているが、現実は違う。条文は、間違っていなくとも、適用が違えば何の意味もなさないのである。いちいち省庁にお伺いを立てて、返答を待ってから検査報告を提出するのだ。これの何処が独立性が確保されているのか聞いてみたい。形の上では独立しているが、実質的に権限行使段階では独立などしていない。検査官は厳密な立場だが、現場の働き手は寄せ集め軍団だからなのかもしれない。それと、法律家に言わせれば、「『直ちに』とは、いつでもよい」と答える(解釈の権限は行政庁にあるから)だろうが、一般国民に制限を加える時には「今すぐに、緊急に」という日本語になり(これも適用する権限は行政庁にあるから、好きなときでいい)、行政庁が行う時には「自分達に都合のよい、『直ちに』でいい」というのが実際の運用の仕方である。だから法律の条文は、何が書いてあっても、たとえ同じ日本語が書いてあっても、簡単に信じることはできない。


独立性が本当に確保されているならば、どこの省庁だろうが適切に検査して、改善命令を出し、検察に通告するものは通告しなければならないだろう。検査途中であっても、検査官会議を経る前に意見表示し、改善要求できるだろう。およそ恣意的に運用されている条文は多いと思うが。それに、独立性が発揮されているとも言えないと思うが。こうした、行政への不信感を払拭できる、十分な理由などあるだろうか。憲法に規定される最も独立性の高いと思われる会計検査院でさえ、このありさまである。これが、法務省だか、内閣府だか知らないが、どちらに属していようが、両院の承認を受けようが、内閣が任命しようが、省庁の影響を受けたり他の公権力に影響されることがないような行政機関として機能することの保障など、何処にもないように感じる。

続きは、後で書きます。

公益法人の構図2

2005年03月17日 15時31分59秒 | おかしいぞ
読売新聞と毎日新聞は、先日の記事を継続して追いかけてくれている。調べれば調べるほど、不可解でおかしなことがこれからもたくさん出てくるだろう。いずれも同じような仕組み、タカリの構図が出来上がっている。恐らく補助金とか売上の殆どを公的事業に依存している所には、共通しているだろう。日本の色んな制度に、くまなく入り込んでいるかもしれない。クソ役人どもは、こんなおかしなシステムを長年に渡り作り上げ、公金を貪り尽くしてきたのだろう。根本的な仕組みを変えない限り、公平、公正な社会は作れない。


YOMIURI ON-LINE / 社会
MSN-Mainichi INTERACTIVE 事件


以前書いた記事です。
公益法人の構図
「第二の厚労省」を暴くマスコミ
開発王国の不正疑惑

公共事業の問題が明らかになって、それまで利権を貪ってきた土木・建設業界は大きな打撃を受け、改革を余儀なくされた。多くの会社が倒産したり、整理されてきた。これは大きな痛みを伴うものであり、勿論末端の従業員達は職を失ったりして困っただろう。だが、業界構造が明らかにいびつで、悪しきシステムにいつまでも頼ることは許されない。従って、苦しむ人々が出ることを畏れて、構造改革を止めることは出来ないと言えるだろう。壊れた後から、新たに活力のある業界なり、会社なりを作っていくしかない、と思う。金融業界にもこうした変革は訪れた。破綻した所もあるし、仕事を失った人々もいた。苦しみを乗り越えた分だけ、これから活力を取り戻せるであろう。


このような時代に、いつまでも公金を貪り続けるシステムの存在を許すことは出来ない。これは政府にしても、自治体にしても、そうだろう。クソ役人どもに金を貢ぐために、その他の多くの人間が犠牲になることは許されない。前にも書いたが、意味のない補助金10億円を止めたら、それだけで何人もの人員を手当てすることが本来出来るのだ。官僚達は粉骨砕身の思いで働いても、補助金とか随意契約とか様々な形でイナゴ軍団に餌を流してしまうから、その実害を国民も受けるが、官僚達自身も受けてしまうのである。この異常さに早く気づくべきだ。


ライブドア第二幕の続きなど…

2005年03月16日 16時48分43秒 | 社会全般
経団連は公明党神崎代表に幾つかの申し入れをしたようである。奥田会長は、「基礎年金部分の財源は、税方式にすべき」と発言している。
NIKKEI NET:政治ニュース

そりゃ、そうだろう。私も同意見ですね。現在の保険料徴収方式が非効率・不確実である以上、何か対策を考えなければない。民主党も同じように税方式を主張しているのだ。現状では、これが最もまともな考えであると思う。医療・介護保険についても、保険料方式よりも税方式で一本化した方が効率が良い。しかも、現在まで厚生年金に加入していないパートやフリーターについてもカバーされるからである。企業負担は増えるが、止むを得ないだろう。


小泉さんが「目的税化しない方がよい」という意見であったが、消費税率アップを国民がそれでも受け入れてくれるならば、一般財源化した方が自由度が高いし、道路財源のような問題が起こりにくいことは確かである。そういう説明で、賛成されるなら別にいいけど。目的税化にはこだわりないし。



もう一つ、事件が。遂にライブドアが過半数をとりました(議決権)。
Yahoo!ニュース - 共同通信 - ニッポン放送株50%超確保 ライブドア経営権取得へ

いよいよ、本土決戦に突入ですが、ニッポン放送側は「焦土作戦」で迎え撃つつもりのようです。ライブドア軍は、焼け野原を行軍することになります。侵攻作戦の時間がかかりすぎると、兵站(資金)が苦しくなるでしょうし…

ドーン・レイドで急襲を開始して、Blitzkrieg(ドイツが行った電撃作戦)で買い進み、遂に過半数を手に入れたと思ったら、「焦土」でした。って、そんな結末なら、余りに辛いな。後はトップ会談で決着をつけるとか、ニッポン放送は観念して、とりあえずライブドアにやらせてみて、市場の判断で決めてもらえば?例え支配しても、市場の答えが「NO」なら、支配し続けられないし、株価が下落して価値が無くなるだけだよ。そうしたら、手放す以外になくなるんだから、そこで「悠々と」買い戻してもいいじゃない。もし、逆に価値が上がり、市場が受け入れてくれるなら、フジ側にとっても十分プラスとして働くんじゃないのかな。


ほりえもんが最も恐れることは「株価下落」だと思うよ。自社株もそうだし、ニッポン放送でもそうだろうね。エポックメイキングによって「株価創造」を達成し、その見かけ上大きくなった価値で、それよりさらに大きな価値を得ようという投資スタイルなんだから、「株価命」だと思うんですがね。そう考えると、企業価値が落ちることを、ほりえもんが絶対に望むわけがないような気がするが。いきなり、とんでもないことはしないんじゃないのかな?

まあ、過半数を押さえられた防衛側の反応を見てみます。

追記:3/16 17:50
ニッポン放送の異議申し立ても却下されたようです。先日の地裁決定で、読売の記事では供託金5億円は「異例の少なさ」ということが出ていましたが、やはり予想通り却下でした。今後は高裁に移りますが、法的判断が大きく変わる気配はなさそうです。

とりあえず、ライブドアの経営権掌握はほぼ達成された模様ですね。




郵政民営化の考察8

2005年03月16日 11時59分41秒 | 社会全般
自民党側が最後の切り札!設置基準について、自民党の意見を飲まなければ「協議凍結」だ、と。これには与謝野さんも同意したようだ。反対派議員の勉強会は、さらに増えて74人になったとも。
MSN-Mainichi INTERACTIVE 政党

いよいよ、反対派は最後の抵抗を突きつけた。何だか、人質誘拐事件の交渉に似てきた。与謝野さんも園田さんも、そんなことを認めるのは、ちょっとどうかしている。そんなんじゃ、まるで「恫喝」だよ。そう言えば、数年前に『ネゴシエーター』という映画がありました。人質を取って立て籠もる犯人と交渉する専門家のお話ですね。『踊る~』の番外編で、ユースケ・サンタマリア主演の『ネゴシエーター 真下何とか』の映画が作られて公開予定だし、今年は「交渉人」が当たり年?全然関係ないけど。

ワタヌキ殿は、対案を出す兆しはないですね。約束破りの、口だけ男ですか?今はとりあえず「反小泉」の勢力拡大を狙っているようですが、政策検討であるはずなのに、協議の「テーブルに着かない」というのは如何なものか。いきなり「交渉決裂」宣言は反則でしょう。公社の損益発表を受けて、今後郵便局員の生活を守ってやろうと本気で考えているのかね。郵便事業を存続させることは不必要なことではないし、この事業が不採算で赤字となることも予想でき、ある意味止むを得ない面があるだろう。だが、それを考慮するからこそ、郵政が生き延びるための方策を考えねばならないだろう。それが理解できないのか?

もしも、現在ある全ての局の存続を法的に義務化してしまったら、一蓮托生で全滅しかねないぞ。その時に慌てて、尻尾を切るくらいでは済ませられないかもしれんのだぞ?郵便局自体は窓口NWとして殆ど残せるだろうし、利用数がとても少なければ配達と窓口の兼務によっても局を存続させることは可能だ。利用者にはちょっと不便だが、週3日とか隔日で営業していれば、それに合わせて利用するだろう。田舎の村立診療所とか移動図書館もそうだろう。病院すらないのに、郵便局がそれほど緊急性が高いわけないだろう。それに、ATMがあれば、絶対に窓口で手続きが必要なことは、それほど多くはないはず。むしろそういう過疎地とかよりも、地方都市や半端な規模の郵便局の存続が厳しいのかもしれない。市町村ごとの設置基準で、何がそれほど問題なのか知りたいな。過疎地だって、村とかなんだから、局は残るでしょ?それとも「切捨てだ」ということ?

郵便局が廃止になっても、その時に直ぐに局員は「首だ」とはならないでしょ?会社自体はあるのだから、他の部署に回ってくれ、って話になるでしょ。そういう時に、窓口NWから配達業務に変更とか出来るような仕組みがあればなおいいだろうし、いきなりの解雇や整理に直結しないでしょう。それに現段階で、公社が希望退職者を募っていて、1万人以上減るのだから、まず第一段階は過ぎているはずですね。そのあと、急激な解雇という事態は想定しにくいと思うが。要するに反対派は、いよいよ「反対すべき理由」が見つけにくくなっている、ということなのではないか。

自民党側も限界に近づいてきたのかもしれないが、それは政府側にとっても同様だ。これ以上の妥協は厳しい状況となっている。それに、防衛ラインを超えられてしまうと、ズルズルと後退しかねないという恐れもあるだろう。だから、政府側としても簡単に妥協はできない、という心理だろう。「協議凍結」という作戦は、言ってみればあの「北朝鮮」のやっていることと同じだ。「話し合いに応じない」「六カ国協議のテーブルに着かない」というのと、まるで一緒。反対派はそういう連中の集まりということだ。ネゴシエーションではなく、「ゴネドク」ってことだよ。卑怯者だな。

ネゴシエーター与謝野も、もっと厳しい姿勢で党内の意見を取りまとめて欲しい。交渉決裂で最も被害を受けるのは、他ならぬ自民党だ。そのことをもう一度考えるべきだな。「協議凍結」などという不毛な作戦は、断じて許すべきではない。交渉には、ルールがある。そのルールを作るのは、ネゴシエーターだ。何でも犯人側の言いなりでは、人質は解放されないぞ。

ワタヌキ殿を直接攻めるのは、まだ無理かもしれない。先日の小泉さんとのセッティングもスルーだったし。向こうにその気がなければ、現段階では難しいかもね。「北朝鮮と同じような協議凍結は、許されるものではない。そういう姿勢の方々とは、交渉すべきことはないので、政府案通りに法案作成作業を続けます」くらいは発表してもいいだろう、与謝野さん。ただ、反対派は何か一つ「政府に認めさせたい」という形作りも必要だろうから、適当な材料をこしらえて(仮に自民党側が絶対飲めないような案を一つ提示する。本当の作りたい部分を党側に言わせる。そして、それをあたかも党側に妥協したという形で政府が飲めばいいんじゃないですかね)、「解りました、応じましょう」という落としどころを探すしかないかもね。

いずれにしても、反対派は本当にバカだな。頭が悪いのか?狙いがショボい。ポスト小泉くらいにしか思ってないなら、もっと別な所で発言したり頑張れよ。社会保障とか色々頑張り所は沢山あるでしょうが。「これは、なかなか」という意見も見られない。何やってんだか。


公務員制度改革2

2005年03月15日 16時05分28秒 | 行政制度
やはりマスコミが取り上げれば、効果が出るのは事実ですね。大阪は言うまでもなく、全国自治体の不可解な手当てや互助会組織への補助率是正、施設利用券廃止など幾つかの見直しが行われている。これは当然だろう。優秀な人材を集めて登用したいならば、まずそういう仕組みを考えることですね。それが可能になるのは、「全員一律」の無駄を解消するしかないだろう。のんびりやっていても、一生懸命死に物狂いで頑張っても、給料が同じなら、社会主義的だし失望してしまうからね。
そうか、昔の社会党に何故公務員や教員などの支持母体があるのか、というのは、「横並び」「区別はいけない」「あんまり頑張るな」などの意識が強いので、「社会主義」が好きだったの?「資本主義」とは相容れない関係だから?なのかな。

労組とかはよく知らないし、興味もないけれど、もしも一緒に机並べて仕事していて、自分が一生懸命頑張って仕事しているのに、隣の奴が大して役にも立たずだらりと仕事をしていたら、腹が立つし、そんな奴と給料が同じなら、意欲が失せることも理解出来なくはない。
この前に、一律カットに見舞われた国家公務員の給与体系に多少の救済が・・・(官僚だけですがね)


今日の読売新聞朝刊には、本省勤務の手当て新設の方針と出ていました。
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 若手公務員の流出防げ…人事院、本省手当を新設方針

激務に悩まされていた官僚達は少し報われますね。素直によかったね、と思う。やっぱり、「意見は言ってみる」ものでしょ?でも、それには幾つか前提があることをお忘れなきようにお願いしますね。それは、正しく業務を行うこと、倫理を重んじること(当然遵法精神でお願いします、ってこんなこと言いたくはないけどね、国民全てに言えるし)、向上心とか改善意識を常に持つこと、自律できる高度な組織を目指すこと、真の組織力を高めること、などを達成するために、官僚諸氏の能力を発揮して頂き、その報酬として給与や手当てがあるのですから。


まずは上から下まで、そういう意識改革を徹底しなければ、良くならないですよ。おかしな公益法人とかの「不適切な関係」は、清算して、出直すしかない。国家公務員制度改革の本質は、官僚諸氏の意識改革であり、それに伴う組織改革・組織力アップでしょ?その結果、業務効率は高くなり、不適切なものや無駄がなくなれば、国民にその利益を還元できるのですから。そういう結果ならば、国民だって大歓迎ですよ。おかしなシステムでキックバックしたり、変な天下りして自分だけ稼いだり、そういう変なことや不正がなく、透明性を確保していれば問題ないのに、「隠そう」としたり「こっそり利益を抜く」ことをするからダメなんだよ。正しいことをやっているなら、誰から見られ批判されても、何も恥じることはないでしょ?そういう体制を作らなければなりませんね。


ところで、経済産業省の前係長は、インサイダー取引で捕まっちゃったね。
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 「バレないと思った」インサイダー取引の経産省前係長

情報の公表後に取引したとしても、十分儲けられたんじゃないかと思う。バカだなー。投資が好きな人も官僚の中にいるであろうが、こういう人が出てくると「株はダメだ」みたいに規制されるから、ちょっと可哀想だな。「悪い事」をしなけりゃ、問題にはならなくて済むのに、一部の悪い奴がいるとこういう破目になる。投資自体は正当な経済活動に過ぎないのだが、「自分だけ儲けよう」という悪い心があると、こうなるんだろうな。やっぱりね、考えが愚かなんだよ。勉強はこういうことを教えてくれない、ってことですね。いい学校に入ってみても、こんな程度の人間になってしまうという教育は、どうなんでしょうね。単に個人の資質の問題なのかもしれないが。


中央と地方の格差が出来る、という考えはあるかもしれないが、これが問題とは思わない。だって、業務内容が違う、権限の大きさも違う、それに、監督する上級庁の存在(単にある、なしです)は法的にも責任の有無に違いがあるでしょ?(正確ではないかもしれないが、おそらくそうだろう)

地方組織では決定する範囲が狭く、本省に規定されることが多いのではないかと思うし、多くの判断や決定権は本省にあるのではないでしょうか。ならば、それに見合う報酬であってもいいように感じるが。効率化と単なる人件費削減は直結しないだろう。むしろ、不適正配置とか業務見直しなどの方が必要だと思うが。


何年前か忘れたが、不動産取得税の還付に税事務所(地方組織?なのかな)に行ったことがある。丁度12時よりちょっと前頃だったと思う。目の前にデスクがざーっと並んでいて、一番端っこの受付側(ただのカウンターみたいな仕切りがあるだけですが)に60歳くらいのじいさんが座っていた。一番遠い方に、こちら向きに座っている課長?みたいな人がいた。
「すみません」と言って、じいさんに書類を出したら、「あっ、はいはい」とか言いながら書類を受け取ると、どこか離れたところから女性職員が飛んできて、私の説明を聞いて、「お待ち下さい」と言い残して書類を持ってどこかにいっちゃった。じいさんは書類を取り上げられたのか、初めからやる気がないのか、担当係が違うのか、よくわからなかったが、じいさんが凄く気になった。そこで、待っている間、ずっと観察することにした。

ここからがとても面白い。あのね、じいさんは机の上にある書類を右に動かし、それを今度は左へ動かし、時々「シー、シー」みたいな音を立てて息を吸い込みながら、壁にかかっている時計とにらめっこしてる。要するに「やるべきこと」が全くないのだ。湯のみに手を伸ばし、一口飲むと、また書類を左から右に動かして、時計を見る。「こいつは壁際族か?干されているのか?」などと想像しながら、観察を続けたが、仕事はない様子だった。当時、全面禁煙とかにはなっていなくて、壁には「禁煙協力時間11時~13時」のような張り紙がしてあり、このじいさんの手持ち無沙汰ぶりは哀れであり、こんな時に昔ならタバコをガンガン吸ったりして誤魔化せただろうに、とも思った。役所にも「窓際族」っているの?10分後位(それほどかかってなかったかも)に、先ほどの女性職員が戻ってきて、何某かの説明をしてくれ、私は「はい。わかりました」みたいな感じで、そこを後にすることになるのだが、女性職員が差し出した書類を受け取る時に、そのじいさんは「はい、いいですよ。他はありませんかー」と私に言い、まるで”合いの手”を入れたかのようだった。
何故?あなたは何もしていないでしょ?書類にも関係がなかったでしょ?そこにいるのは私だけで、他に誰も来てないでしょ?じいさんと女性職員と私しかいないでしょ?腹抱えて笑いそうになったが、堪えました。

哀れなり、じいさん。だが、これがお役所仕事なのかーと思いました。こいつらを養う為に税金取られるのか、と思うと何だか釈然としなかった。じいさんは、その後も時計とにらめっこを続け、ジャスト12時にはもの凄い勢いで飯を食うのだろうな、と想像した。その、あと数分が猛烈に待ち遠しかったことだろう。まるで、授業終了間際の学生みたいなもんだな。今は違うのかもしれないが、あんなことをやっていたんでは、業務の効率化など出来っこないだろうな、とも思う。じいさんは定年退職後の延長?の人なのか、臨時職員なのか、正規職員なのか、何だかわからんが、人件費が無駄だろうな。民間では、即クビ(というか、最初から雇わない)だろう。


私は田舎暮らしなので本省に行ったことはありませんし、地方の役所しか見てないから、比べようもないのですが、地方の中でもぼさーっとしながら仕事している所もありますし、テキパキやっている所もある。今まで手続きとか用事で役所に行った時には、必ず観察してました。先の~税事務所、図書館とか各種会館、保健所、税務署、職業安定所(現ハローワーク)、法務局、社会保険事務所等です。窓口などからざーっと見渡すと、どんな風に仕事をしている所か、概ね見当がつく。凄く忙しく働いている所は空気が違うし、人間の一動作の緩慢さが違うのですよ。同じ仕事をさせても、これじゃダメだろうな、という連中もたくさんいる。こうして無駄な人件費が発生するのだな、と国民は感じ取れるように思う。


ダレたお店とかに入った時にも分るでしょ?同じだよ。雰囲気でわかるよ。仮にすし屋に行った時に、「きびきび」してない職人の握りは食べたくないでしょう?ノロノロしてる職人はね、見てりゃわかるし、まずいから二度と行かない。そういうもんです。


是非とも約束を果たせるように、官僚諸氏は頑張って欲しいものです。