これは特に個人批判とかそういう積もりではありませんので、予めお断りしておきます。
小売の業績を見るとき、デパート、スーパーやコンビニなんかの売上高というのが確かに参考にされるけれども、ネット経由での売上高や通販なんかだと追跡が十分でないことは考えられる。そりゃ、そうだね。なので、ネット経由での販売に移行する割合が増大すれば、既存の小売業界の売上高が減少するかもしれない、というのは判るね。
まあ、そういう一面はあるかもしれないが、統計上の数値というのは―必ずしも信頼が置けないということは有り得るが―何も小売の売上実績だけ見てるワケではない、ということを申し上げておきます。この前、こちらの記事で、『家計調査では、勤労者世帯の消費はマイナスが依然として続いているのですよ。それは、所得が伸びていないということもあるだろう。』という風に書いたわけですが、これは小売業界の売上高なんかとは別な統計資料ですので、売り手側から見た数字ではなくて、買い手側(一般の消費者ですね)から見た数字、ということになるかと思います。メディアの報道などの時には、こうした「裏取り」みたいな作業をしないというのは確かに多いと思いますけれども、「いくつかの数字、データ」を見た結果、「消費は停滞」と考えている、ということを書きました。報道する側こそ、その信頼性は私のような個人の妄想ブログなんかと同じ水準ではなくて、もっと「高い水準」が要求されることは当然ですよね。
雇用者賃金の伸び、といった数字でもいいと思いますけれども、「給料が確実に上がっている」、(ちょっと意味が違うけど)「労働分配率が堅調に上がってきている」、「ULCがマイナスから大幅にプラスになってきた」、というような指標なんかでも景気拡大が個人レベルに波及していることが確認できれば、それは明るい未来という見通しでいいと思いますね。でも、定率減税がなくなるのは「確実」ですので、そのマイナスを上回る賃金上昇がなければ、所得低下は避けられないわけですよね。今の名目賃金上昇率が果たしてどれくらいでしょうか?
例えば、厚生労働省が04年時点の年金改革で、将来推計に用いていた名目賃金上昇率は2.1%です(爆)。毎年これだけの「高い賃金上昇」があってはじめて「厚生年金の保険料」が集められる予定なのですよ(タヌキも獲れんクセに皮算用だけは一丁前で…大衆の目先だけ誤魔化すのは朝飯前だ罠)。05年、06年の上昇率はどうだったのでしょう?せいぜい1~2%未満といった程度の伸びでしかないでしょう。しかも、所定内賃金に関しては06年度上期はマイナスです。所定外賃金やボーナスが伸びただけでですね。雇用者所得は伸びていますが、労働市場に新たに参入してきた人たちが数十万人規模で増えた(=失業率低下、雇用者数の純増)のであれば、数的寄与度が大きくなるだけで、一人当たり・時間当たり賃金で見ればほとんど上がってないと推測しています。つまり、今までよりも長く働かされたから、その分賃金は増えただけで、実質的には全然増えてないというのが本音でしょうね。逆に、社会保障費の負担(年金、介護保険料はアップ)や定率減税の段階的廃止によって、手元で使える実際のお金は増えてない(逆に大きく減っているだろう)というのが実感なのではないかな、と。
「97年ショック」はあったが、駆け込み需要なんかもあって経済指標が最悪になる前だったので、97年が名目上で可処分所得が最も多かった(翌年の98年以降坂道を転げ落ちていった)と思う。この年と05年の名目賃金を比べると、約93%程度でしかない。デフレで物価が低下したこともあるから、実質所得としてはそれほど落ちてないかもしれないが、個人のバランスシート上では、97年以前から抱えていた負債なんかがあると返済負担が重くなっているし、資産価値の下落なんかもあるかもしれない。つまり、相対的に負債は大きくなり、資産は劣化したということで、その上給料は減らされ社会保険料負担や医療費の自己負担を増やされた、というようなものです。
福井総裁は05年末には「物価だけじゃなく、ULCは先行きプラスに転ずる、だから量的緩和解除→利上げというシナリオでいいんだ」というようなことを言っていた(雇用改善とULC)わけです。その見通しが実際どうなっていますか?というのは、検証されてないんですよね。メディアも見てない。いいんですか?こんなんで。ULCは依然としてマイナスであるかもしれないのですよね。本当にプラスになってきたのであれば、正式に日銀が発表してみて欲しいもんだ(笑)。
まさか、「日経消費予測指数」だと06年に入ってからもグングン「うなぎ上り」だから、「本当は05年よりももっと消費は強いんだ」とかいう解釈をしてるのかな?(笑)そんな理由で「消費は強いし、家計にも波及しているんだ」とか言ってるワケではない、とは思いますけど。
何れにせよ、メディアの報道の仕方は抜けが多いし、ウソも多いし、一断面だけを取り上げがちだし、過去を振り返って評価することもまずしないし、信頼性を高めるような努力もない、という傾向はあると思いますので、「メディア自身は正しい判断ができてない」ということに大いに同意できます。それができるのであれば、もうちょっと違った報道になると思いますよね。
小売の業績を見るとき、デパート、スーパーやコンビニなんかの売上高というのが確かに参考にされるけれども、ネット経由での売上高や通販なんかだと追跡が十分でないことは考えられる。そりゃ、そうだね。なので、ネット経由での販売に移行する割合が増大すれば、既存の小売業界の売上高が減少するかもしれない、というのは判るね。
まあ、そういう一面はあるかもしれないが、統計上の数値というのは―必ずしも信頼が置けないということは有り得るが―何も小売の売上実績だけ見てるワケではない、ということを申し上げておきます。この前、こちらの記事で、『家計調査では、勤労者世帯の消費はマイナスが依然として続いているのですよ。それは、所得が伸びていないということもあるだろう。』という風に書いたわけですが、これは小売業界の売上高なんかとは別な統計資料ですので、売り手側から見た数字ではなくて、買い手側(一般の消費者ですね)から見た数字、ということになるかと思います。メディアの報道などの時には、こうした「裏取り」みたいな作業をしないというのは確かに多いと思いますけれども、「いくつかの数字、データ」を見た結果、「消費は停滞」と考えている、ということを書きました。報道する側こそ、その信頼性は私のような個人の妄想ブログなんかと同じ水準ではなくて、もっと「高い水準」が要求されることは当然ですよね。
雇用者賃金の伸び、といった数字でもいいと思いますけれども、「給料が確実に上がっている」、(ちょっと意味が違うけど)「労働分配率が堅調に上がってきている」、「ULCがマイナスから大幅にプラスになってきた」、というような指標なんかでも景気拡大が個人レベルに波及していることが確認できれば、それは明るい未来という見通しでいいと思いますね。でも、定率減税がなくなるのは「確実」ですので、そのマイナスを上回る賃金上昇がなければ、所得低下は避けられないわけですよね。今の名目賃金上昇率が果たしてどれくらいでしょうか?
例えば、厚生労働省が04年時点の年金改革で、将来推計に用いていた名目賃金上昇率は2.1%です(爆)。毎年これだけの「高い賃金上昇」があってはじめて「厚生年金の保険料」が集められる予定なのですよ(タヌキも獲れんクセに皮算用だけは一丁前で…大衆の目先だけ誤魔化すのは朝飯前だ罠)。05年、06年の上昇率はどうだったのでしょう?せいぜい1~2%未満といった程度の伸びでしかないでしょう。しかも、所定内賃金に関しては06年度上期はマイナスです。所定外賃金やボーナスが伸びただけでですね。雇用者所得は伸びていますが、労働市場に新たに参入してきた人たちが数十万人規模で増えた(=失業率低下、雇用者数の純増)のであれば、数的寄与度が大きくなるだけで、一人当たり・時間当たり賃金で見ればほとんど上がってないと推測しています。つまり、今までよりも長く働かされたから、その分賃金は増えただけで、実質的には全然増えてないというのが本音でしょうね。逆に、社会保障費の負担(年金、介護保険料はアップ)や定率減税の段階的廃止によって、手元で使える実際のお金は増えてない(逆に大きく減っているだろう)というのが実感なのではないかな、と。
「97年ショック」はあったが、駆け込み需要なんかもあって経済指標が最悪になる前だったので、97年が名目上で可処分所得が最も多かった(翌年の98年以降坂道を転げ落ちていった)と思う。この年と05年の名目賃金を比べると、約93%程度でしかない。デフレで物価が低下したこともあるから、実質所得としてはそれほど落ちてないかもしれないが、個人のバランスシート上では、97年以前から抱えていた負債なんかがあると返済負担が重くなっているし、資産価値の下落なんかもあるかもしれない。つまり、相対的に負債は大きくなり、資産は劣化したということで、その上給料は減らされ社会保険料負担や医療費の自己負担を増やされた、というようなものです。
福井総裁は05年末には「物価だけじゃなく、ULCは先行きプラスに転ずる、だから量的緩和解除→利上げというシナリオでいいんだ」というようなことを言っていた(雇用改善とULC)わけです。その見通しが実際どうなっていますか?というのは、検証されてないんですよね。メディアも見てない。いいんですか?こんなんで。ULCは依然としてマイナスであるかもしれないのですよね。本当にプラスになってきたのであれば、正式に日銀が発表してみて欲しいもんだ(笑)。
まさか、「日経消費予測指数」だと06年に入ってからもグングン「うなぎ上り」だから、「本当は05年よりももっと消費は強いんだ」とかいう解釈をしてるのかな?(笑)そんな理由で「消費は強いし、家計にも波及しているんだ」とか言ってるワケではない、とは思いますけど。
何れにせよ、メディアの報道の仕方は抜けが多いし、ウソも多いし、一断面だけを取り上げがちだし、過去を振り返って評価することもまずしないし、信頼性を高めるような努力もない、という傾向はあると思いますので、「メディア自身は正しい判断ができてない」ということに大いに同意できます。それができるのであれば、もうちょっと違った報道になると思いますよね。