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笑い者の「東電救済スキーム」

2011年05月19日 21時55分18秒 | 経済関連
スキーム発表後になってからというもの、矢鱈と勝ち誇ったようになっているのが、東電幹部と銀行だな。

銀行団の勝利宣言ですと>東電への協力、金利減免や債権放棄は頭にない=全銀協会長 | Reuters

なんじゃ、コイツらは。
どこの社会主義国ですか、ってなもんですわな。


【社説】東電救済策-日本の社会主義的解決方法 - WSJ日本版 - jp.WSJ.com

世界の目からすれば、日本の銀行団の言い分の方が、はるかに「オカシイ」んだっての。
東電には終わってもらえばいい、というのが、普通の判断なんじゃないですかね?

勿論、処理は迅速に、ということになるわな。
現政権のやり方とかがヘンだ、というのは、同意できる。それはそうだ。
だが、それを批判する日本の銀行団幹部とか、経済団体のお偉いさんたちとか、大差ないくらいのものではないですかね?

浜岡原発を止めたのは、政治的要請、というものであって、法の根拠のないものだ、ということなら、中電は突っぱねればよし、というだけではないですかな。今後の地震や津波の災害時であっても、耐え抜ける、問題ないという自信があるなら、断ればよかっただけ。
菅政権の手法はヘンなのは確かだし、唐突な停止要請というのも理解できない部分というものはあるが、大震災後の大震災(スマトラ沖地震の後のような)が発生した場合に、危機的状況に陥らないとも限らない、ということはあるかもしれない。


いずれにせよ、東電救済策を求める経済界や銀行団の言い分というのは、傍から見れば十分「資本主義に反する」ようなものであろう、ということなんじゃないですかね。

事後法では救えない、ということもないんじゃないかな、と思わないでもない。素人考えなのだけれども。


例えば、損害賠償請求が払えず、東電がこのままだと倒れるだろうね、ということになれば、早晩資金繰りに行き詰まることになるだろう。社債の償還とか銀行借入とかの借り換え等資金調達ができなくなるだろうから、だ。

そうなれば、倒産した東電の送電網と発電設備等資産を国が買い取るという形をとり、債権者には優先権のあるものについてはその順位に従い、残りの銀行債権とか損害賠償分については裁判所の判断に従うよりないであろう。

で、問題は、損害賠償請求権とは別に、事後法として例えば「震災被害特別措置法」とかの立法措置を取り、宮城県や茨城県とは異なった対象を定めて、地震と津波被害以外の損害認定として、原子炉周辺地域の現状回復未達分についての救済措置を行うといった形で、別な救済法で対応できなくもないのではないかな、と。
実際の賠償については、原子力被害の損害賠償という形を取らず、現状回復困難地域についての救済認定委員会のようなものを設置し、認定委員会の認定した救済額を交付する、ということにすると、必ずしも東電の負った損害賠償額にはよる必要はなく、被害を受けた方々の個別の救済額を決めることはできるのではないかな、と。勿論、東電の賠償額が一部支給される方々はおられるかもしれませんが、そうした金額も認定委員会の救済額決定の際に考慮することにすれば個別対応は可能なのではないかな、と思うわけです。


要するに、東電の救済なんかしなくても、被害を受けられた方々に救済措置を事後的立法で実施するということが、法的にそんなに困難なことなのかといえば、そうでもないんじゃないのかな、と素人だから思ってしまうわけです。テクニカルな問題として、そんなにハードルが高いものなんだろうか、と疑問に思うんですよ。

銀行さんたちだって、市場原理に従って、粛々と処理してくれてどうもありがとう、と御礼の一つも言ってくれるのではないかな(笑)。倒れないようにしたいなら、銀行が融資を継続すればいいだけだし。どうするかは、市場にこそ決定権があるのではないのかな?


東電の資産買い取りで一時的に国が電力会社経営をやって、新会社をきれいにしてから作ればいいんじゃないかな。
新会社にはこの電力会社としての資産を売却するとか、新会社の株式と交換するとかしておけば、後年に現金化したりして、回収できそうだし。

こういう手法はダメなんですかね?
何でもかんでも「国が払え、国が救え」とか言うのって、それは本当の意味で民―民の話なんですか?(笑)
都合のいい部分だけ、市場が市場が、とか、銀行家のくせして言うんじゃないよ。
だったら、全部について「国が介入してくるな」とか言えばいいだろ。東電を放っておけ、と何故言えない?

威勢良く啖呵を切るのはいいが、資本主義の理屈に従うべきと思うなら、国に救済を求めるんじゃない。

法に基づけ、というのなら、東電には賠償義務は存在しない、ということを司法で争え。その結論が出るまでに、東電の資金がショートして持ちこたえられなかったら、それが「市場の原理」なんだから甘受すべし、ってことだろ、タコが。
手続的には、そうすべきなんじゃないのか?おい。
法が大事なら、法に従って、東電が潰れようと何だろうと、その手続きを進めろや、それが金貸しってもんじゃないのか?(笑)


回収するなり、それとも追加融資を注ぎ込むなり、市場原理に従って進めろってんだよ。
一番舐めてんのは、銀行なんじゃないのか?

そうじゃなけりゃ、東電に緊急融資で兆円単位でぶち込むか?
ふざけてんのは、銀行なんだろ。

どうしてそんな選択をしたかと言えば、「馴れ合い」なんだろ。これまでの経済界のサークルという、内輪の論理だけで判断するからそうなるんだろ。唯一の担保は、「東電さんだから」という、ネームだけだろ。それのどこが市場だの民民関係なんだよ(笑)。単なるコネだ。情実融資と何が違うと?

審査は適正だったと、本当に言えるか?法廷で争えるくらいに、自信満々か?
違うだろ。銀行が一番市場を軽視してんだろ。

政治家もナンだが、経済界もやっぱり同じくらいアレなんじゃないのか(笑)。



続々・Fukushimaは人災か~謎は残る

2011年05月18日 21時57分38秒 | おかしいぞ
前の記事に追加です。

非常用復水器と非常用ディーゼル発電機D/Gの問題の他にも、記述が不足していると思われるのが、バッテリーの状況である。
10条通報の全交流電源喪失があったものの、直流電源であるところのバッテリーについては、殆ど説明がないように思われる。バッテリーが給水ポンプや中央制御室の機器類などに給電するということなら、このバッテリーがそれぞれどのように機能していたのか、ということについて、個別に検討が必要になるであろう。

津波から僅か1時間余りで注水不能という15条通報に至っているわけですから、バッテリーの余裕などあるとは思えなかった、ということだ。しかも、この時間帯であると、まだ放射線量が上がる前だったはずで、予備とか電源車などのバッテリー供給が最優先課題だったのではないか、ということだ。

報道などで言われているような弁の開閉操作とか、ポンプ類や計器類の給電がバッテリーに依存していたのだとすると、この途絶は視界から光を完璧に奪うようなもので、真っ暗闇では何も見えなくなるのと同じではないか、ということである。
非常用復水器の弁かポンプが機能しなくなった、ということも報道からは伺えるのだが、温度上昇によって圧力容器の内部圧が上昇(水蒸気が充満するので)してしまうと、たとえ水を注入しようとしても、ポンプの動作圧が高くなければ入れられないというようなこともあるかもしれない。パイプ径が比較的小さければ、当然ながら高い注入圧を必要とされるということになってしまうわけである。弁が物理的に閉じていないのに水が入り難くなる、ということが起こったとしても不思議ではないようにも思える。実際のところ、構造とか詳しい人じゃないと分からないのだろうけれども。


結局、ディーゼル発電機が使えなくなるとしても、バッテリーがあったはずであり、これの機能がどうだったのかということの検証が必要だ。



また、どうしても気になったのが、亡くなった東電社員2名のことだ。
続・福島第一原発の人的被害を隠蔽するのは何故なのか?

この記事にも書いたが、死因に疑問あり、である。
タービン建屋に行ったことも説明らしい説明がない。それも、運転していなかった4号機のだぞ?
本当に4号機タービン建屋地下で、「多発外傷→出血(性ショック)死」だったと?
そんなに強烈な濁流があったと?

死亡した社員が浮かばれない。

事実を明らかにし、事故原因究明と対策に役立てねば、若くして亡くなった社員に申し訳ないのではないのか。

今じゃ汚染水が大量に溜まる程なのに、津波の後、水が溜まっていた量が随分と少なかったのはどうしてなの?
そうじゃないと、遺体を運び出せるわけがないよね?
しかも、一人は水の溜まっていない場所で発見されたわけですよね?
津波の水は、きれいさっぱりどこかに流れて行ったわけですか?


何かがおかしいとしか思えないのである。


それと、こちら>asahi.com(朝日新聞社):津波6時間後には放射能漏れ 1号機、水素爆発の兆候か - 社会

これも以前に書いたように、水素爆発の前から既に放射能漏れが発生していた、ということだったのですかね?

続・Fukushimaは人災か~隠蔽される福島第一原発の疑惑

ま、想像通り、ということですかね。


続々・Fukushimaは人災か~1号機の疑問

2011年05月18日 12時56分13秒 | おかしいぞ
1号機の非常用復水器の起動と停止などが行われていた、という報道がなされた。
東電は、これまでのデータ等の資料を公表した、ということらしいが、それは専門的知識のある人間が読み込んでみなければ、どういうことがあったかというのは、正しく分かるものではないだろう。

手術等の記録を見る時、医師の書いたカルテや手術記録や麻酔チャートなどを一般人がいくら見たって、正確に読み取ることはできないだろう。専門知識がないと無理だ。どういう役割や意味があるのか、といったことも解説をしてもらわねば分かるわけがない。これと同じで、東電の公表データは専門的な知識のある人間が評価しなければ、一般人が理解できるような情報とはならないだろう。

ただし、公開したことについては評価できうる。
過去の隠してきたことよりも、まだマシだ。本当に全てを公表しているかどうかは、分からないわけだが。

とりあえず、これまでの報道から気になったことや疑問点について、書いておきたい。

asahi.com(朝日新聞社):地震・原子炉圧力上昇・津波…東電、データ4冊分公表 - 社会

東日本大震災:福島第1原発事故 1号機、冷却装置を手動停止 津波前、炉圧急低下し - 毎日jp(毎日新聞)


これら報道からすると、やはり疑問は残る。


◎ 『14:52 非常用復水器』の自動起動は何故起こったのか?


地震発生後、直ちにスクラムというのは、安全装置が機能したということである。それに続いて、停電発生の為、外部電源喪失となったということで、非常用ディーゼル発電機(以下、D/Gと略)の自動起動となった、と。これらは、運転中であった1~3号機で事前の想定通りに機能した、ということである。ここまではいい。

津波の襲ってくる15時半頃までには、D/Gは「冠水せず、燃料タンクも流されていなかった」のであり、正しく機能していたならば、電源は確保されていたはずである。だって、発電機が高電圧で給電するわけだから。

すると、どうなると思うか?

スクラム後の炉心冷却には、普通であればECCSが働くはずだろう、ということである。
これは、主として低圧/高圧スプレイ(注水?)系があるとされる。これがまず働くであろう、ということだ。
なのに、自動起動したD/Gによる発電開始から、僅か数分で「非常用復水器が自動起動」したというのは、どうしてなのだろうか?

つまり、地震発生直後から、D/Gによる発電は開始されたにも関わらず、施設内に給電されていたかどうかは疑問なのである。これは、昨年6月に起こった2号機の事故(*)とほぼ同じなのだ。

(*:東電の説明によれば、付近で作業していた人が歩いただか乗ってただか、それくらいの軽微な振動でスイッチング機器が切り替えできなくなって、外部電源喪失状態と同じくなったみたいなのだ。そんな程度の振動とかが原因で正しく動かなくなるのなら、もっと大きな地震だったらどうすんのよ、という話だな。きっと、そういう問題なんかじゃなかったと思うよ。)

緊急停止すると、外部電源があれば非常用ディーゼルは待機運転を開始、ということだけでいいはずで、給電は外部電源から行うはずなのである。自動起動するのと、給電は外部電源が行うのか、D/Gが行うのかは、外部電源の喪失の有無によるはずなのだ。6月の2号機事故の時には、外部電源があったのに、D/G起動しこちらからの給電もされず、外部電源とD/Gの両方が「生きている」にも関わらず、交流電源喪失と同様の状態となって「隔離時冷却系(RCIC)」を起動して冷却した、ということなのだ。

今回の1号機のD/G起動後であっても、やはり給電がされていなかったかもしれず、その為に各種センサー等からの情報が働いて、非常用復水器の自動起動を招いたのではないか、というのが当方の推測である。つまりは、非常用電源はあったのに、ECCSが機能せず、その為非常用復水器を使わざるを得なくなったのではないか、ということだ。

このことは、余計に危険性を高めることになったかもしれない。運転員たちは、この非常用復水器に慣れていたかどうか、ということがあるからだ。あまり使ったことのない機器とか道具類というのは、信頼性とか操作する側の自信とかに影響を与えるからである。

使用感が分からない、というのが一番あるだろう。調節系のものって、多くがそうだろうな、と思う。程度が分かり難い、というのもあるし。
喩えて言えば、普段軽自動車の運転しかしてないのに、初めて4トントラックの運転をやってみたら、アクセルペダルの踏み込み具合とか、ブレーキ時の止まり具合とか、そういう感覚とか体感具合がよく分からず、違いがあって不安になる、というようなことだな。いつもなら軽自動車で止まれる距離だと思っていたのに、トラックだと全然止まれない、みたいな。そういうので、ちょっとヒヤッとしたり、恐怖感を感じると、操作する側の心理的影響はあるだろう、ということだ。


15時前後までの僅か数分間に、非常用復水器を手動で停止したりしていたと推測されるのは、そうした影響があったのか、それともECCSが何故機能していないのか分からずにパニくってしまったとか、そうした迷いや逡巡のようなものがあった可能性が推測されるのである。

仮に、非常用復水器が起動しているとECCSのポンプが使えないとか機能させられないとか、そうした不都合があるならECCSを優先させようとして非常用復水器を止めようと考えたりすることも不思議ではないからね。運転員たちにとっては、D/Gがきちんと起動しているのに、どうしてECCSが働いてないのかが不明だったから、それは地震で何がが壊れたせいなのか、元々の回路や設計の問題なのか、見分けがつかないから。
そうして、津波に襲われたということなんだろう。

それから、原子炉の損傷を避けるため、というような理由が書かれているのだが、そんなことの理由で非常用復水器を止めるとは考え難いんじゃないのかな?
それまで猛烈な高温で運転していたわけでしょう?
それが、たったの数分の復水器の作動だけで、急激に冷却ができたとも思えないわけですよ。普通であれば、もっと大量にシャワーみたいな水を降り注ぐわけでしょう?それができなくて、やむなく発生蒸気を冷やして水にし、それを戻すという装置が非常用復水器なんですよね?
その程度の冷却では、10分やそこらで急激に温度低下、急減圧、なんてことは起こるんですかね?そんなに簡単に冷やせるなら、もっと楽々冷温停止ができそうだけど。

風呂釜で湯を沸かしたりしたことはないのかな?(笑)
原子炉全体の温度がかなり高いはずで、そういうのが一気に冷えると思うか?そりゃあ、難しいんじゃないですかね。相当大量の水でもって冷却を続けるならできるだろうけど、長時間かかるんじゃないかと思うけど。
圧力容器全体の温度が冷えるまでには時間がかかるはずだし、熱けりゃ内部の蒸気発生は継続するはずだから、急減圧が起こるとも思えないんだよね。
金属鋳造とかで急激な冷却で金属が収縮し変形や損傷ということを危惧する、という場合、その金属全体の熱を奪うのに十分な量の水を必要とするから、そうそう簡単に温度が低下しすぎて原子炉損傷を気にする、なんてのは、ウソっぽいとしか思えないわけだが。

焼肉の鉄板を洗うのに、水をかけて冷やすよね?
あの鉄板の体積の何十分の一程度しかない水をかけたって、あっという間にジュっと音を立てて蒸発してしまって終わりじゃないの?、という話さ。一瞬にして冷える程の冷却効果はないはずだ、ということ。非常用復水器の冷却効果は、熱くなってるヤカンから出る湯気を集めて冷やし、その水をヤカンに戻して全体の温度を下げる、というようなものなんですから。



東電の説明では、疑問を解消できない、ということだ。




東電と擁護派たちが画策した「津波のせい」説

2011年05月15日 18時54分07秒 | おかしいぞ
本当は、もっと以前から判り切っていたことだったんでしょう?

隠していたわけだよ、情報を。
東電救済という「枠組み」が決まってから次々と、こうした隠蔽情報が出されてくる、ということなんじゃないの?

1号機、津波前に重要設備損傷か 原子炉建屋で高線量蒸気 - 47NEWS(よんななニュース)

東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋内で東日本大震災発生当日の3月11日夜、毎時300ミリシーベルト相当の高い放射線量が検出されていたことが14日、東電関係者への取材で分かった。高い線量は原子炉の燃料の放射性物質が大量に漏れていたためとみられる。

 1号機では、津波による電源喪失によって冷却ができなくなり、原子炉圧力容器から高濃度の放射性物質を含む蒸気が漏れたとされていたが、原子炉内の圧力が高まって配管などが破損したと仮定するには、あまりに短時間で建屋内に充満したことになる。東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。

 第1原発の事故で東電と経済産業省原子力安全・保安院はこれまで、原子炉は揺れに耐えたが、想定外の大きさの津波に襲われたことで電源が失われ、爆発事故に至ったとの見方を示していた。


=======


津波で燃料タンクが流されたからだ、とか説明しておいて、結局はこれかよ。

まあ、当初から想像できてはいたけどな、東電の嘘つき体質も、NISAの運命共同体的な庇いだても。こんなヤツラの説明を、そうそう簡単には信じられないわな。都合の悪い情報は隠そうという、根っからの体質なんだよ、こいつらは。

嘘を言う、というところまでは行かないものの、ある決定的情報を出してしまうと誰もが気付く、というような情報だけは絶対に出さないように隠せば、事実には誰も辿りつけなくなるから。そういう情報の出し方というのを、十分心得ているのだよ、やつらは。で、言い訳としては、「嘘は言ってない」と(笑)。


そんなんだから、こういう結果を招くのだろ。


3月12日時点で、言ったはずだ>福島第一原発事故~昨年の事故教訓を無視した東電の責任は重大

で、やっぱり、メルトダウンだったわけだろう?


東電とNISAがグルだろうね、というのも予想通り。
・3月16日>福島第一原発事故の衝撃~繰り返される東京電力の慢心と馴れ合い原子力行政

ホント、想定の範囲内ってのが、こういう東電とか原子力安全・保安院とかの、あくどい連中なんだろう。水戸黄門的世界から、一歩も出てないぞ。


何度も書いたが、津波のせいだ、というのも怪しいって、言ったよね?
・3月22日>福島第一原発~重大事故の連鎖

再掲しておくか?

清水社長が津波のせいだ、と主張したり、一部マスコミの論調としても津波で非常用発電機が停止したことが事故をもたらした、というようなものが見られるわけだが、本当にそれが決定的な要因となっていたのか。

これが大いに疑問だ、ということである。
何故なら、1~3号機の全てが冷却・注水機能を失っていたかといえば、そうではなかったようだから、である。

原子力安全・保安院(以下、『NISA』と略)の発表によれば、15:41停止、同42 10条通報(1~3号機)、16:36 15条事象通報(1号機、2号機)、ということだった。
3号機は多分冷却装置が動いていた。
2号機の水位が確認できない、というようなことから始まり、その後に1号機の問題が報じられた。ディーゼル発電が失われたからといって、最初から全ての炉で冷却ができなくなったわけではなかったということだ。つまり、津波が、必ずしも全部の炉の問題を引き起こしたわけではない、ということである。

それなのに、事実を誤魔化して、何でも天災のせい、想定外の津波のせい、というふうにしようとしているのではないか、ということには注意しておくべきであろう。



どうしてこれほどまでに天災のせい、津波のせい、ということを強調したかといえば、「賠償責任を逃れる為」だったわけだろう?
当初、廃炉なんてとんでもない、というような論調に加担していた連中がいたわけだ。例えば産経新聞の社説子以下記者たちとか、原子力関連の連中とか、どっかのお偉いさんとか、そういう愚かな連中は爆発後でさえ「いやいや、5号機、6号機はまだまだ使えるから動かせ」とか、アホみたいな夢物語を主張しておったわけだ。

で、肝心だったのは、当時私の知らなかった条文であるところの「3条但書」問題というのがあったわけだ。どうせ、ロクでもないヤツラからの入れ知恵でもあったのだろう。「天災地変の場合は、政府が賠償するんだ、だから、津波のせいということにしろ」ってな。だからこそ、何度も津波の影響だ、というのを言いたてた。
あの津波の動画をもう一遍公開してみな。原発を襲った津波の映像があったろう?
高さが推定できるという、動画だよ。テレビでも放映したよな?
あれを出してこいや。専門家に検証させる必要があるよね?


流れから見て、どうしても疑問が多すぎるのだよ。
汚い連中は、そういうのに加担するのが当然だと思っているのかもしれないが、そんなのに納得できるわけないだろう。


3月28日>福島第一原発(1F)の事故原因は本当に「Tsunami」だったのか?

4月11日>Fukushimaは人災か~隠蔽される福島第一原発の疑惑

同>続・Fukushimaは人災か~隠蔽される福島第一原発の疑惑


重大な嘘をつき続ける組織には、重要な施設を任せることなどできないわけである。



東電は正直に検証などできる組織だろうか?

2011年05月13日 12時59分15秒 | 社会全般
一事が万事、こういう感じなのだな、東電というのは。

asahi.com(朝日新聞社):高い放射線量、東電公表せず 3号機、水素爆発前に把握 - 社会


隠すのは得意、誤魔化したり知らぬふりをするのも得意、ということかな?
根っからの隠蔽体質企業ということかもしれんな。

それは、事故調が言っていたように、企業風土というか体質的なものなのかもしれない。


それにしても、原子炉関連のチャートみたいなものはあるんだろうね、やっぱり。
時系列で発生した出来事や、その時点、時点でのデータや実行した処置とか対応策を一覧で把握できればいいもんね。

運転記録とか、事故記録とか、そういうので大体決まっているものなのかもしれんけど。


こういう記録は、本当に大事になるので、後日の検証に必要でしょうね。




ああ、そうか、政府が東電を救ってくれる、というのが発表になって、決まったと確信したから、今となっては「もう言ってもいいんじゃね?」ってことで、「メルトダウンしちゃいました~」って言ったよ、というわけか。

これが判っていた時点で発表していたり、認めたりしていたら、「東電許すまじ」とか「東電●ね」とか「東電非国民」とか、サンドバッグ状態確定、ってことだもんね。そうなれば、誰も東電の味方とか庇うとかしてくれるはずもなく。

だけど、専門家とかが見れば「ああ、これはイッちゃったな」とか判るんでしょう?ホントは。
ブハハハ…

ま、なんだな。
東電も、NISAも、ひでえ組織だな。


ところで、メルトダウンは起こらない、とか何とか言ってた連中はいなかった?(笑)



普天間基地移設問題に”騎兵隊”現る!

2011年05月12日 19時18分59秒 | 外交問題
ここまで言ってくれる人たちがいるというのに、どうしてDPJが辺野古案にこだわるのかが判らない。

普天間移設:「嘉手納統合を」…米上院委員長ら声明 - 毎日jp(毎日新聞)


大半はグアムに移転するわけだし、ごく一部だけ残るとしても、嘉手納に統合するといいんじゃないの、ということだろうと思う。

それに、嘉手納の負担を軽減するというのなら、訓練を他の基地に一部移転ということだって、できないわけではないだろう。


真剣に考えるべきである。



漏れ漏れ詐欺(笑)

2011年05月12日 17時50分41秒 | 社会全般
いや、笑ったりして不謹慎だ、という誹りを免れないであろうけれども、もう笑うしかないわな。

asahi.com(朝日新聞社):核燃料の大半溶け圧力容器に穴 1号機、冷却に影響も - 社会


圧力容器にリーク箇所があるということなら、以前に「圧力容器は大丈夫だ」「建屋は爆発で吹っ飛んだが、容器は壊れてない」とか豪語していた連中は、軒並み枕を並べて討ち死になんじゃないのかな。

炉心損傷とか炉心溶融は既に言われていたが、これほど下に溜まっているような状態だとすると、これはこれで、ある意味凄い。
言ってみれば、「福島の奇跡」とかのレベルでは。


よく今の程度で持ちこたえたな、ということですね。
もっと高温になっていたら、どうなっていたことか…


漏れてゆくけれども、水を入れ続けなければ高温になるのだから、仕方がなかったということでしょう。
燃料の殆どが溶け落ちたけど、再臨界とかには至らなかったのだから、必死に作業に当たった方々の努力の賜物ということかもしれません。

今後も危険なことは危険なのだろうけれど、冷やすことが継続できるなら、まさしく「九死に一生」、、、どころか「万死に一生」くらい凄い奇跡なのかもしれません。



原発という名の麻薬

2011年05月10日 19時26分33秒 | 社会全般
何かの雑誌の見出しか何かで見たような気がするが。

本当に、麻薬のようなんだね。
「原発依存症」と呼ぶに相応しい。原発がなくなれば、地元経済が回らなくなる、だから原発を必要とし続ける、という、依存体質が完成されるということになるわけである。もらえる交付金の旨味を知ってしまうと、そこからは抜け出せなくなる、と。

はてなブックマーク - 【浜岡原発停止】人も金も街から消え…「地元経済は壊滅だ」原発城下町・御前崎、覆う悲壮感+(1/2ページ) - MSN産経ニュース


これを正当化するというか、貰って当然とか、そういう発想とか体質は疑問に感じる。
「○○城下町」という命名の、企業城下町だってあるわけだが、そういう企業が撤退して、地元産業や雇用や税収が大打撃を受ける、というのは、そう珍しいものではないはず。これまでだって、そういうのを繰り返してきたのが歴史だ。
国鉄や郵政だって、広い意味ではそうだ。
炭鉱だって、繊維産業だってそうだ。

みんな、そういうのを乗り越えてきたんじゃないのかな。


それで廃れるのなら、歴史のなせる業と思うしかないのでは。



これぞ「穴を掘って、埋め戻す」事業

2011年05月09日 12時00分02秒 | 社会全般
腐すわけではないけれど。

放射線量:表土入れ替えで10分の1に…福島の園庭 - 毎日jp(毎日新聞)

福島大付属幼稚園で行われた調査には、独立行政法人・日本原子力研究開発機構の職員約20人が参加。園庭に約80センチ四方の二つの穴を約50センチまで掘り、一つの穴から別の穴に、表土を下の方に、底の土は表面に入れ替えるように移した。入れ替え前の表土の放射線量は毎時2.3~2.1マイクロシーベルトだったのに対し、入れ替え後の表面は同0.2マイクロシーベルトまで低下した。

 園庭の砂場や、隣接する同大付属中校庭では、深さによる放射線量の変化を調べた。表土で毎時2.0~1.7マイクロシーベルトだった放射線量は、約20センチの深さになると同0.2~0.1マイクロシーベルトまで低下することも分かった。


=======


なるほど。掘って取り去り、別な穴に埋める、と。これを繰り返すなら、除去した土の問題は、かなり軽減されうるかも。

かなり否定的意見を書いたので、すまんかった。
農地以外であれば、ある程度は対策として可能なのかもしれない。

土壌改良なんて、そう簡単にできるのか?


固定的な土地であれば埋めて戻す作戦でもいいのかもしれない。
だが、農地の場合、農作物が吸水とかで作物中に含まれることになるかもしれないので、単なる上下の入れ替えとかでいいのかは疑問が残るように思う。そこらヘンは、専門家の方々によく考えてもらえれば、と。


で、公共事業の無駄を言う場合の典型例として、「穴を掘って、埋めて戻す」というのがあったと思うが、まさにこれを地で行く事業になるかもしれない。保育園、幼稚園、学校、福祉施設等の園庭の「土を掘って、埋めて戻す」事業が。

全くの適当な命名を思いついたよ。

『放射性物質による土壌汚染の緩和措置に係る土地改良事業』

みたいな。
何となく公共事業っぽい名称ではないでしょうか?


クズの巣窟だった「最後の砦」

2011年05月08日 19時19分55秒 | 法関係
司法は国民の味方なんかじゃなかったんだ、ということである。
薄々感じたりしたことはあったが、残念ながら現実というものがどういうものか、思い知らされたのだよ。


日本の最高裁というのは、本当に法の番人とか、最後の砦なんていう覚悟は、これっぽっちも持ち合わせてはいないだろう。
米国の裁判官の物語は、昔から含めて映画化されているものが多くある。それは、法とか判事の役割というものが、正義を体現しているからだ。

だが、日本の最高裁にそうした物語はあったのか?
法とか正義を貫きました、という話があるなら、是非とも聞かせてくれ。映画化でもドラマ化でもやってほしい。

最高裁なんかよりも、下級裁判所の裁判官の方が、はるかに立派な人がいるのではないかな。

TBSが放映~唯一の原発差し止め判決を出した井戸謙一元裁判長

『「結果として、司法はほとんどが今までの原子力行政、あるいは電力会社の仕事を追認してきたわけで、そこでいろいろな警告を発していれば、こういう事態はなかったかもしれない。最後の砦であるという自覚をより深刻に持って仕事することが、これからの裁判官に求められるのではないか」(原発の差し止め判決を出した 井戸謙一元裁判長)』

このように述べられている。
司法には、本当に幻滅した。最高裁も、検察も、信じることは難しい。

続々・Fukushimaは人災か~隠蔽される福島第一原発の疑惑

この中で次のように書いた。
『その片棒を担いでいたのは、司法の連中だってそうなんだ、ということ。最高裁判事たちは、改心させられるチャンスを有していながら、正しい意見を行政に投げかけたりはしなかった。』

井戸元裁判官の意見に接して、やはりそうなんだな、という確信を抱いたわ。


それから、こちらも。

高速増殖炉「もんじゅ」と最高裁判決


日本をダメにする方法~”原子力村”という実証


司法が正しいとか何とかってのは、ただの幻想か勘違いなのだ。
クズが偉くなる仕組みである限り、そういうヤツラが選ばれてしまうのさ。

多くの国民には、裁判とかがどういうことをやっているとか、どんなことが問題とされているとか、どんな酷い滅茶苦茶な判決が書かれたとか、そういうことを知らないからね。

裁判所は、出された判決文さえ全部をネットで公開しないし。
高額な金を出して、判例集みたいなのを買えってことですかい?
判決文を載せるのなんて、そんなに難しいことなのか?


ま、いずれにせよ、最高裁判事なんて信用に足る人間かどうか、といえば、それはもう無理だわ、ぼくの中では。


この国では、根本が腐っとる。
最重要部分が、他にも増して、最も腐った連中が集まっており、そういうクズによって支配され、物事が決められてゆく、ということである。

東京第五検察審査会の幽霊みたいな話とか、こうした司法の態度とか、そういうのを見るにつけ、ああ、そうなんだなということを学んだのだよ。


司法がクズに支配されている限り、何も変わらんよ。
クズの再生産が続くだけ(笑)。



この国では、正義や良心というのは死語であり、存在していないのである。



ビンラディン亡き後の日米関係~日米のこれから

2011年05月06日 14時52分29秒 | 外交問題
今回の東日本大震災は多くの人命を奪った不幸な出来事であったが、それによって分かったこともあった。
多くの日本人はアメリカに助けてもらった、という事実である。そして、被災地にいた人々は米軍にとても感謝している、ということである。幸いにも被災せずに済んだ私も、救助に駆け付けてくれた米軍をはじめ、世界各国からの支援を心から感謝している。

こうして救助の支援を受けていて、差をつけたいわけではないが、真っ先に駆け付けてくれたのは、米海軍だった。多分、海兵隊ではなかった。時間的に少し後からじゃないと、海兵隊はその効力を発揮できないのではないかと思う。本当に沖縄じゃなければならない場合というのが、そんなに多いとも思われないのである。

将来に渡って、日米は協力しあう関係でありたい。それが多くの日本人の願いではないかと思う。日本はまだまだ米国に学ばねばならないことがたくさんある。明治時代に多くの米国人が日本に教育に来てくれたが、多くのことを学んだからこそ、後の日本があったのである。今後も日本は米国から学んでいきたい、と日本人の多くは考えているはずなのである。それを閉ざさないで欲しいのである。


憎しみからは、何も生まれない。
今後、沖縄の人々がどう受け止め、行動するかということについて、日本人はもっと真剣に考えるべきだ。沖縄で普天間基地問題が燻り続ける限り、沖縄の人々は日本政府も米国政府も信頼できない存在であり続けるだろう。拒否反応が高まってゆくことになるかもしれない。そうなった時、本当に困ることになるのだ。憎しみに変わってしまえば、後戻りできなくなる。

だから、沖縄の人々の話を聞き、たった一つだけでいいので、願いを叶えてあげてほしい。それを達成してくれるなら、移転費用の上積みなどの譲歩を考えるし、オバマ大統領再選を支持できる。長期に渡る良好な日米関係の維持に、大きく役立つことになろう。

その前提となるのは、日本国内の意思統一を図ることである。これを妨げる特定勢力は、これまで多数派ではないにも関わらず政治的工作に成功してきたのである。彼らの動きさえ封じ込めることができれば、きっと達成できるだろう。

将来、米国が真の困難に直面した時、多くの日本人が必ずや恩に報いる為に協力を申し出るだろう。それは、日米両国民に「信頼」の2文字が存するからである。今回の震災で日本人の多くが、米国が友でいてくれたことに深く感謝し、その雄姿を胸に刻んだだろう。だからこそ、日本が善き友としてあり続けられるように、沖縄の人々の苦悩を理解してあげて欲しいのである。嘉手納基地の戦略上の役割というものについては、多くが否定しないだろう。そのことと普天間基地は違う、ということなのである。



ビンラディン亡き後の日米関係~米国のけじめ

2011年05月06日 12時52分23秒 | 外交問題
9.11以降のアメリカが進んできた道は、延々と続く戦争―イラク戦争とアフガン戦争―だった。オバマ大統領は、この2つと決別するという決断をしたに違いない。

米軍のイラク撤退は、既にそのプログラムの過程にあるはずである。大統領選の公約でもあったのであるから、その履行は当然といえば当然だった。それでも、米国内の政治的勢力分布は大きく変化していたわけではなかった。オバマ大統領を誕生させたアメリカでさえ、現実に「change」となるには大きな障壁が存在していた。
それは、アフガン戦争を終わりに導くことは容易ではない、ということだった。

軍の立場もあるであろうし、明確な「勝ち戦」というものを見い出せなければならなかったはずだ。それは、イラク戦争でのフセイン政権打倒と「フセインの処刑」という、世界に誇示できうる”証拠”のようなものだ。これがアフガン戦争ではどうなるかと言えば、やはりビンラディンの捕獲と処刑というものになるのだ。

ブッシュ前大統領とその一派が始めた、戦争という華々しい舞台は、米国の軍事力という圧倒的なパワーを示すには十分だった。イギリスをはじめとする欧州勢も共に参加し、日本でさえもがイラク派遣に踏み切った。米国を中心に、それを支える仲間たちという構図は、世界の支配体制維持にとって非常に好ましいものだった。ソ連が消えた後、アメリカに挑戦しようという国が現れることなど、考えられないほどだった。その点においては、イラク戦争は十分役立った。

ただ、困ったことも存在し続けた。
行きがかり上「アフガン戦争」というものを継続する必要があった。始めた時には、(勝利条件の)ゴールというものが明確ではなかったようであり、どうなれば戦争を終わらせられるのかが誰にも判らなかった。それ故、ズルズルと戦争が続いてしまい、10年目に突入するということになってしまった。ブッシュ政権時代には、問題を解決しようという意思はなさそうであり、なんとなく慣性で続けていただろう。いや、惰性と言うべきか。
良く言えば、次に託した、ということだ。嫌な役回りを委ねられたオバマ大統領は、思ったよりも政治的指導力が発揮できず、イラクからの撤退が精一杯だった。泥沼のアフガンを終わらせよう、という、きっかけさえ掴めずにいたであろう。

国内では、ティーパーティ勢力に代表される反オバマ・共和党勢力に押されがちであり、議会も事あるごとに反発していた。医療保険の法案や予算案などを見れば分かるであろう。支持率も徐々に低下していった。

オバマ大統領を苦境に追い込んだのは、やはり巨額の財政赤字という問題であったろう。有力上院議員たちにとっても、膨大し続ける財政問題と、アフガン戦費に代表される軍事費が本格的な頭痛の種となっていたはずだ。この点においては、オバマ大統領と一部保守派勢力や共和党議員たちに共通した認識は存在していただろう。
長々と「何だかよく分からない戦争」というものを続けるわけにはいかなかった、ということだ。

もう一つ重要な変化があった。
それは「中東民主化運動の高まり」だった。それまでの米国の外交工作・戦略の見直しを迫られるほどの、大きな変化だった。例えば、エジプトの例に見るように、イスラム圏の変化は世界中が知るところとなった。バーレーンもそうだ。
米国にとって、これまでと違ったムスリムとの関係が必要になった、ということであろう。この点においても、アフガン戦争というもの、或いはイスラム過激勢力という単純な構図は、今後の米国の対外戦略上好ましくないもの(それとも不利になるもの?)という認識に至ったものと思われる。
こうして、財政上に事情と共に、新たな中東(イスラム圏)関係の構築のということから、アフガン戦争を早期に終結へと導く「ゴールの設定」が必要とされたのである。


こうして、アフガン戦争を終わらせる、ということもあったが、次の大統領選に向けての下準備が開始された。
まず、体制の組み換えが行われた。主だったところでは、人事刷新に着手した。これに伴い、日本国内のかつて権勢を誇った特定勢力(小沢派といったものではない)は、その力が削がれるに至ったはずだ(例えば特捜部批判、といったものがその一部であろう)。特定勢力というのがどういったものかは、各自が推測してもらいたい。

その結果、対日関係は若干の変化が訪れたであろう。
時を同じくして、東日本大震災という大規模災害が発生したことで、オバマ大統領の日本支援は一つの梃子となったであろう。直後に、再選への活動表明などが出されることになった。
一方で、リビア空爆等に積極的だったサルコジ大統領を尻目に、米国は率先して深入りしないように慎重に行動した。軍事行動でのアピールを避けているかのような動きだった、ということである。以前の米国とは違っていた。

そして、今回の「ビンラディン殺害」という、ケジメをつけるに至ったのである。アフガン戦争終結の布石としては、欠かすことのできないものだった。今後は、アフガンからの撤退作戦が本格化してゆくことになるだろう。同時に、目標達成という具体的成果を挙げることができたオバマ大統領の支持率は、回復へと向うこととなった。

(つづく)


暴走する従米派たち

2011年05月06日 03時21分07秒 | 外交問題
今回のウィキリークスによる米公電に関連した報道は、非常に興味深い。
拙ブログで書いてきた陰謀論(笑)的な話が、そう大きく外れていたということでもなかったのだな、という印象を受けた。少し当時のことを振り返ってみよう。


1)鳩山政権誕生後の危機感

自民党が退き、民主党政権が誕生すると、民主党内にあったアジア重視(例えば東アジア共同体構想、韓国や中国との関係重視、等々)の姿勢に危機感を抱き出したのが、米国と従米派だったろう。

9月3日>裏切ったのは、誰か?~日米関係再考論

9月4日>新たな枠組みの模索~日米関係再考論2

記事中に書いたように、議論の際には情報をオープンにしてやった方がいいのだ。稚拙さや粗も目立ってしまうが、阻止しようとする連中の動きも見えてくるからである。特に、術に長けている人間を相手にする場合には、一対一では敵わないので、オープンにする方がマシなのだ。

9月10日>「日本は大国」の詭弁術

マスコミの掌返しが気になった。
既に動きが開始されたということであろう。

asahi.com(朝日新聞社):米警告「合意見直すなら忍耐限界」〈米公電分析〉 - 政治

キャンベルやゲーツがやって来ては、圧力をかけていった、ということであろう。


連日のようにマスコミを賑わせたのが、普天間問題だった。
外務省官僚や前原国交大臣などが、従米派の役割を頑張った、ということだろう。
一方では、鳩山総理の政治資金問題を焚き付けて圧力をかけ続けたであろう。

総理秘書官にも、説明ということで接触が及んでいたわけである。

最初のヤマ場を迎えたのが、12月だったろう。

12月7日>普天間基地問題に関する私見

12月17日>在韓米軍の世界展開と普天間問題

在沖海兵隊の存在意義というものについて疑問を呈すると、これを「説伏」しようと必死になる方々が大勢登場した、ということである。
しまいには、「ヘリは下駄みたいなもの」とか、アホみたいな説明まで飛び出す始末。
軍事技術的な論点が重視されたのではない。

12月22日>沖縄海兵隊はソマリアの二の舞を望むのか


こうした存在意義という部分以上に、問題になったのが、やはり小沢の勢力だった。この危機感が頂点に達したのが、大訪中団が胡国家主席と会談した、ということだったろう。

ここから、官僚たちは、死に物狂いで巻き返しを図ったわけである。

12月15日>小沢の失着

12月26日>日本の外務省とマスコミは日米関係を破壊するつもりなのか

12月27日>続・日本の外務省とマスコミは日米関係を破壊するつもりなのか

そうして、年明け以降には本格的に検察が介入してくることになった。小沢の政治資金規正法違反事件で、特捜が捜査開始となったわけである。


こうした一連の流れは、流れとして見れば、そうだろうなと感じるはずなのだが、多くの人々に伝えられることはないのだ。

asahi.com(朝日新聞社):中国めぐる有事に備え「滑走路3本必要」 米公電訳 - 政治


呼応する動きは、どの日本人に見られたか、というのを追うとよい。
鳩山総理は絡め取られて、落とされた。
小沢が討たれたら、後は既定路線に戻されるのみだ。それを実現したのは、外務省官僚を中心とする、従米派たちだった。それを支援したのは、マスコミであり、検察権力であり、特定政治家たちだった。

彼らにとって重要なのは、日本国民ではない。
もっと別な何か、だろう。


彼らは誰の代理人か

2011年05月05日 13時51分56秒 | 外交問題
想定外とまでは行かないな。

外交公電暴露/政府に交渉の資格なし 体制一新し仕切り直しを - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース


こうした官僚たちの立場を支えていたのは、誰だったのだろうか?
後ろ盾になる政治家がいたか?

誰の為に、こうしたことをやっているのだろう?
まあ、彼らに言わせれば「国益」とかの、金科玉条を出してくるだけかも。

国民の為ということではないのだろう。



東電批判封じ込め作戦にまんまと引っかかる愚

2011年05月04日 12時45分29秒 | おかしいぞ
これが奴らの目論見なのだということに気付かないのは、どうしてなのだろう?

はてなブックマーク - 東電を叩けば現場の作業員が苦しむという構図: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)


東電は、金を払えないんじゃない。
払わないんだろ。

それは、意図的なものだ。

だったら国有化するなり、筆頭株主の権利をもって、ロクでもない経営陣を叩き出した方がまだまし。


無邪気な東電批判、とか言ってるのって、東電の金がいくらあって、協力企業への支払額がいくらとか、調べたり考えたりしたのか?

東電がこれら協力企業に払わねばならない額なんて、せいぜいが数億円とか数十億円程度なんじゃないの?
数千億円規模での支払いが必要、とか、そういうものだと思うか?

例えば短期投資金3100億円と、協力企業への支払額は、どちらが大きいと思うか?


彼らは、奇麗事を言っているつもりなのかもしれんが、「批判するな」と言いたいが為にそこで思考を止めてるんじゃないのか。
少しでも考えたのか。知ろうとしたのか。調べたのか。


何度でも言う。
「払いたくても払えない」
んじゃない。

批判封じのために、
「恣意的に払わない」
ということなんだろう。


まんまと姑息な策略に引っかかっているんだろうよ。

人質(現場で働く人々)をいたぶれば、批判できなくできる、ということだ。