新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

コロナ禍でPCR検査であつめたDNA情報はどこに行く

2020年08月23日 13時23分11秒 | COVID-19(新型コロナウィルス)

オジサンが20代の頃のテレビの刑事ドラマやサスペンスドラマなどでは、身元不明の被害者を特定する材料は、主に血液型と歯型くらいだったと記憶している。
 
捜査本部の白板に書かれた被害者の写真とともに「血液型」が書かれていたことを覚えている。
 
その頃は、DNA型による個人の識別技術が確立されていなかったが、「1985年 - ネイチャー誌に紹介され、その翌年から警察庁科学警察研究所が研究に着手。DNA型による個人識別法を日本で初めて犯罪捜査に実用化するなど、法医学に新分野を切り開いた東京大学医学部法医学教室の石山昱夫教授によって初めて犯罪捜査に実用化された。」という。
 
そして翌年の1986年以降、DNA型を個人識別に使用した捜査が増えたが、当初は型の照合にはかなりの時間を要した。
 
それでも最大の功績は多くの冤罪事件がのちにDNA型捜査によって解決(再審の結果無罪)するということであった。
 

1997年 - 東電OL殺人事件。DNA型鑑定の有効性が裁判で争われた。一審では反対解釈の余地もあるとして無罪となったが、二審では決定的な証拠であるとして無期懲役の判決が出て、最高裁で確定した。なお、2012年に同最高裁判決は東京高裁にて再審が開始、無罪判決が下されている。無罪判決の決め手となったのもやはりDNA鑑定であった。(wikipedia)


 
まさに警察にとってはDNA型鑑定の採用により、過去の犯罪者の指紋照合よりもDNA型の照合が事件解決に大いに貢献したことは事実である。
  
もっとも、今までのすべての犯罪者のDNAは保存されてはおらず、警察からすれば少しでも多くの、国民のDNAを採取してデータベースかしたいというのが本音であろう。
 
犯罪捜査ではなく純粋な医学の分野では、コホート研究(cohort study)と呼ばれる疾病の要因と発症の関連を調べるための観察的研究の手法があり、特定の疾病要因に関わっている(例:ウイルスが感染する可能性の環境にいた)集団と、無関係の集団の2グループを作り、それぞれのグループの中での対象疾病発生率を算出することで、要因と疾患発症の関連性を調べることができる、とされている。
 
2年ほど前に「国家が国民のDNAを収集する価値と怖さ」という記事が出ていた。
 
その中では、東北メディカル・メガバンク機構では15万人の参加を目標とした長期健康調査を実施し、地域住民コホート調査に8万4073人、三世代コホート調査には7万3032人、計15万7105人が参加したという。
 
そしてこんな成果があったという。
 

3554人分の全ゲノム塩基配列を解析し、日本人の全ゲノムリファレンスパネルを作成できたことです。約3710万個の一塩基変異(SNVs)を収載しており、そのうち72%以上に当たる約2690万個が国際データベースには存在しません。つまり日本人固有のSNVsが約2690万個も分かったということであり、今後このデータが日本人を対象とするゲノム医療に大きく貢献するのは間違いありません。まさに、国家が国民のDNAを集める価値があるというものです。


 
この記事の2か月後には、「『国民のDNAデータ』を国家が掌握!そんな監視社会は幸せか」という記事が出た。
 
カリフォルニア州で40年以上も未解決だった性犯罪事件が解決された決め手となったのが、最近ブームの遺伝子検査サービスから(間接的に)得られた一般人のDNAデータベースを州警察がこれを捜査に導入すると、それから僅か4ヵ月後に容疑者が逮捕され、全米の注目を浴びたという。
 
そして、これを契機に、その後、半年余りの間に同じ捜査手法で、迷宮入りとなっていた殺人・性的暴行事件が15件も速やかに解決されたたことにより、いずれ米国では重犯罪の捜査に、一般人から集められた大量のDNAデータが使われるのは日常茶飯事となりそうであり、警察側から見れば、新たな捜査手法として確立されつつあると言って間違いなかろう、と警鐘を鳴らしていた。
 
そして日本では、昨年には、「(狙われるDNA)警察庁が120万件をデータベース化、愛知では削除を求めて名古屋地裁に提訴へ ?? 監視社会ニッポン」という記事がでたのだが、今年になってさらにデータセンターベースには10万人も増えていた。
 
容疑者の多くからDNA採取 DBに130万件と判明
 
    
        【朝日新聞DIGITALより】  
  

 
 

犯罪にかかわった疑いがあるとして警察が逮捕など検挙した容疑者から得たDNA型のデータベースの登録件数が、年間十数万件のペースで増え続け、2019年末時点で約130万件にのぼることがわかった。日本の人口のほぼ100人に1人にあたる数だ。検挙した容疑者の多くからDNAを得ている計算で、対象の罪種は重要犯罪に限らず軽微なものも含まれている。
 朝日新聞による警察庁への情報公開請求や関係者への取材で明らかになった。
 警察は逮捕や取り調べをした容疑者から主に本人の同意を得てDNAを採取し、現場に犯人が残したとみられる遺留物からも採っている。それらを鑑定し、判明したDNA型を警察庁のデータベースに登録。それぞれのデータベースへの照会で年間5千~6千件が一致し、容疑者の割り出しや余罪の解明につながっている。
 データベースの登録件数は19年12月末現在、容疑者DNA型が129万6765件、遺留DNA型が3万4374件。遺留DNA型が16年の約4万2千件をピークに減少傾向にあるのに対し、容疑者DNA型は一貫して増え続けている。
 19年11月末現在の開示資料によると、容疑者DNA型の罪種別内訳では、「殺人」「強盗」「強制性交等」などの重要犯罪は全体の4・8%。一方で、「窃盗」が約42万件、特別法犯の「その他」が約21万件、刑法犯の「その他」が約19万件にのぼり、双方の「その他」を合わせると全体の3分の1近くを占める。
 「その他」の具体的罪種について警察庁や捜査関係者に取材したところ、刑法犯では詐欺、占有離脱物横領、脅迫、遺失物横領など、特別法犯では道路交通法違反、銃刀法違反、出入国管理法違反や軽犯罪法違反、風俗営業法違反などが含まれるという。
 警察による検挙人員は刑法犯と特別法犯を合わせて年間約25万人。容疑者DNA型の新たな登録件数は年間15万件前後で推移しており、検挙した容疑者の多くからDNAを採取していることになる。警察庁は「軽い犯罪から重大な犯罪につながるケースがある。むやみに採取しているわけではなく、余罪捜査の必要性などを判断しながら行っており、(数は)個別に判断した結果だ」と説明する。
 容疑者DNA型について欧米では法律を定めて罪種を絞るなどしている国が多いが、日本では国家公安委員会規則や警察庁の通達などで運用され、罪種の限定はない。
 データベースの運用は04年12月に遺留DNA型で、05年9月に容疑者DNA型で始まった。当時、警察庁ではDNA型鑑定について法制化も検討されたが、現行法の枠内でデータベースの拡充を進めていくことにした経緯がある。
 また、データベースからの抹消は、警察庁の規定で「死亡した時」と「保管する必要がなくなった時」に行うとされている。実際に抹消するかどうかは個別に判断しているといい、容疑者が不起訴処分や無罪判決を受けても抹消されるわけではない 一方、警察は殺人事件などで現場周辺の住民ら「捜査協力者」からもDNAを採取することがある。遺留物との照合などが目的で、警察庁は容疑者でないと分かれば協力者のDNA型をデータベースに登録することはないと説明。容疑者や捜査協力者から採取し、鑑定で余りが出た資料は廃棄しているという。
・・・中略・・・
<視点>根本的な議論のない日本
 「究極の個人情報」と言われるDNAの活用で、捜査の効率は飛躍的に上がっている。一方で、指紋には本人の情報しかないが、DNAには本人すら知らない、身体的な特徴や病気などの遺伝情報も含まれる。このため、捜査でDNAを使う場合にはさまざまな配慮が必要になる。
 しかし、日本にはDNAを使った捜査について定めた法律はない。DNAの採取は現場の判断に任され、幅広い罪種の容疑者が対象になっている。DNA型が一度データベースに登録されると、無罪や不起訴になっても抹消するかどうかは警察次第だ。
 海外に目を向けると、先進国ではDNAの採取やデータベースの運用に関して立法化している国が多い。近年は捜査機関がどのような場合にDNA型情報を持ち続けられるのか、捜査とプライバシーのバランスは取れているのか、人権の観点からも問われるようになっている。


 
PCR検査 松本大のつぶやき」によれば、中国ではPCR検査で採取したDNAにより、こんなことが起きていたという。 
 

中国で28年前にあった未解決殺人事件について、今さら犯人が逮捕されたとのこと。新型コロナウイルスの感染者識別に行われるPCR検査で個々人のDNAを採取し、それを未解決事件犯人のDNAと照合する作業を、当局は密かにやっていたという驚きの内容で、その中で犯人と似たDNAの検体を発見し、その人の親戚を調べて絞り込んでいくことで、犯人に辿り着いたとのこと。犯人が捕まったことはいいことですが、背筋が凍るような恐ろしさも感じるニュースです。
日本ではこれは憲法の定める適正手続きの保障に反することだし、日本の警察等は流石にやらないと思うのですが、彼の国では新型コロナウイルス騒動に乗じて、国民の遺伝子情報を集めていたようなのです。一報道なので、真偽の程は定かではありません。遺伝子情報は、人口の1.5%程度のサンプルがあれば、或る特定のDNAの持ち主を、そのDNAと似た配列のDNAをサンプルから探し、そこから逆算的に親戚関係から絞り込んでいき、最終的に特定することが出来ると云われています。


 
独裁国家の中国だからやれることで民主国家の日本では行われないだろうと安閑としていいのか。
 
「防犯カメラ」と称する「監視カメラ」はすでに2年前で500万台と言われ、すでに公共交通機関やすべてのタクシー、コンビニや住宅街、さらには最近はやりの個人の乗用車のドライブレコーダーを含めれば圧倒的な欧米並みの「監視社会」になっている。
 
さらには、顔認証システムと連動されれば、そのうちに国民はすべての個人情報を国家に握られてしまうかもしれない、とオジサンは思う。 
 
 
 
 

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