新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

ダメな野田の復活の日がくるのか

2025年01月09日 11時44分33秒 | 参院選挙

今年も年明け早々北陸や日本海側では異常な豪雪災害が発生しているというニュースが連日報じられている。
 
やはり今年もあまりよい話はなさそうである。
 
暗い夜明け(鈴木耕)
 

昨年2024年は、元日早々の能登大地震と、2日の日航機と海保機の衝突炎上事故で幕を開けた。なんとも重苦しい年始であった。そして締めくくりは、韓国における尹錫悦大統領の「非常戒厳」布告とそれに対する国民の大反発、民主主義とは何かを問われる事態で2024年の幕は降りた。
 米大統領選では、大方の予想をくつがえしてトランプ氏の“圧勝”。ウクライナとガザの戦火は止まず。ほかにも、キナ臭いニュースばかりが飛び交った1年だった。
平穏な年にはなりそうもない……
 今年はどうだろう。
 ふと『遠い夜明け』という映画のタイトルが浮かんできた。これはアパルトヘイト時代の南アフリカの闘争を描いた作品だったが、なんだか世界中の夜明けが遠いような感じがしてくる。いや、むしろ「暗い夜明け」のほうが当たっているか……。
 今年もまた、元日にはアメリカ・ニューオーリンズの繁華街(フレンチクォーター)でのテロの疑いが濃い暴走車による大量殺人での幕開け。さらに同日、トランプ一族が経営するラスベガスの「トランプ・インターナショナル・ホテル」のエントランスで車の爆発炎上事件が発生。1人死亡7人が重軽傷を負った。しかも皮肉なことに犯行に使われた車は、トランプ政権で重要な役割を果たすことになるイーロン・マスク氏の経営するテスラ社の電気自動車のサイバートラック。これがテロかどうか、現在調査中という。
 4日には、バイデン大統領が、日本製鉄による米鉄鋼大手USスティール社の買収計画を認めないという決定を下した。法的にはほとんど問題のなかった買収交渉で、USスティール側も喜んで合意していた話だ。それを大統領が拒否。これは、トランプ氏の功績の芽を事前に摘んでおこうというバイデン大統領の置き土産。というよりは「最後っ屁」だろうと噂されている。なんだかお粗末な退陣劇。
 どうにも胡散臭いし焦げ臭い。2025年も平穏な年にはなりそうもない。
退くも地獄 進むも地獄
 日本では、今年が石破政権の正念場。
 まず7月22日に任期満了日を迎える東京都議会議員の選挙がある。この結果が重要な分岐点になる。第一党の自民党都議団にも中央自民党と同じような「裏金問題」が発覚し、それを巡っててんやわんやのカオス状態。衆院選と同じように自民党惨敗か、との観測も流れ始めている。
 同じく7月28日が任期満了日の参院選。ここが今年の政治決戦の主戦場。依然として逆風がおさまらない自民党の裏金疑惑。しかも、野党要求を飲まされ、じわじわと後退を続ける石破政権への自民党内の不満の高まり。
 ほぼ全野党が一致しているのが「選択的夫婦別姓制度」。もはや反対しているのは自民党の旧安倍派の一部のみ。だが安倍派は昨年の衆院選で激減。いまや声高に反対を押し通すだけの力もない。とすれば、石破首相はついにこの点では従来の持論である「選択的夫婦別姓」を容認する姿勢に転換するかもしれない。
 あくまで容認反対を貫く高市一派は、そうなると自民を割って新党(高市新党)を結成するか……と言えば、そう簡単ではない。自民党という“利権政党”にいるからこそ吸える甘い汁を手放すには、そうとうの根性が必要だが、高市一派にそれだけの肝っ玉のすわった議員はどれだけいるだろうか?
 右派系議員数名が脱党して日本保守党へ合流する、などという観測も流れているが、当の保守党が内部対立でゴタゴタ。
 この選択的夫婦別姓制度が今度の参院選の大きなテーマに浮上する可能性がある。岩盤右翼層を支持母体とする自民党内極右議員たちは、もしこれを容認すれば、岩盤支持層を失いかねない。そうすれば選挙での当選もおぼつかなくなる。
 切羽詰まっての脱党となっても、行く先はゴタゴタ状態。極右政党を旗揚げするしか道はない。だがそうなると、従来の自民党組織票はあてにできなくなる。極右票だけでは当選には足りない。まさに「退くも地獄 進むも地獄」状態。
愛国心は悪漢どもの…
 結局、彼らの行く先は「愛国」である。自らを愛国者と位置づけ、世に不満を持つ者たちの愛国心を煽って取り込もうということだ。「愛国心は悪漢どもの最後の逃げ場所」(サミュエル・ジョンソン)という格言があるが、愛国心にすがるしかなくなる。その際に、標的とされるのが外国人や少数者、弱者である。他者を排斥し罵倒し貶めて、それによって自らの正当性を誇示する。なんとも情けない手法だ。
 もっとも簡単な例が、最近の埼玉県等におけるクルド人排撃の動きだろう。いったい何が起きているのかよく分からないうちに、あれよあれよの間に差別主義者たちが川口市や蕨市に押しかけ、ありもしないクルド人犯罪者説をでっちあげ、「クルド人をニッポンから叩き出せーっ!」などと喚きたてる。
 このヘイターどもにとっては、罵る対象はどんな人たちでも構わない。かつては「嫌韓」や「反中」を叫び、韓国朝鮮人や中国人を罵倒の対象にしてきた。中でも在日コリアン差別の言動は醜悪を極めた。
 さらに、米軍基地問題等で政府に逆らう沖縄の人たちにも憎悪の対象を広げ、彼らを支援する本土の人たちはすべて中国のスパイであり、中国から金を貰って運動している連中だと批判した。「彼らはニッポンを外国に売る反日だ」とし「我々はそれを阻止する愛国者だ」というリクツ。これが一定程度の人たちに浸透し、SNS上に跋扈した。それらは形を変えて、西村ひろゆきや弘兼憲史の言説や表現にまで及んだ。
弱者が弱者を叩く構図
 さらにこれは異様な形に歪み、同じ日本人へも憎悪(というより侮蔑、軽蔑)が向けられるようになってきた。
 その代表格が成田悠輔氏あたりだろうか。ぼくが最初に眉をひそめたのは、彼の「高齢者は集団自決すべき」発言だった。それは社会保障制度などに関して「高齢者が若者の足を引っ張っている、日本の経済成長の邪魔をしているのが高齢者だ」という趣旨だったらしい。ぼくは彼の言う高齢者である。ヤツはぼくに「死ね」と言ったのだ。まさにぼくに向けての攻撃と受け取らざるを得なかった。
 当初は相当な批判を浴びたし、スポンサーのキリンは発言の3年前に作った成田出演のCMを削除するに至った。だが、テレビ(とくにサンデージャポン・TBS)は彼を出演させ続けた。「人の噂も七十五日」という俗諺どおり、成田悠輔氏はいつの間にはテレビ復活を果たしていた……。これがいわゆる「世代間の分裂・対立」を煽る典型的な例だろう。同じことは、弱者に対する差別やヘイトにも通じる。
 群馬県桐生市における「生活保護拒否」などの例はひどい。いま生活保護受給者の多くは高齢者である。高齢で職場を失い、高齢で病気がちになり、高齢のために医療費がかさむ。しかし収入はぎりぎりの年金だけだ。そうなれば生活保護を頼らざるを得ない。ところが積極的に彼らを支援すべき役所の窓口が保護申請を拒否する。SNS上では、そんな保護費支給拒否や打ち切りに拍手する投稿がかなり目立つ。こんなリクツだ。
 「年寄りに払う保護費はおれたちの税金だ。だから俺たちはよけい貧しくなるのだ。もうじき死ぬ連中に保護費はいらない。年寄りは早く死ぬのが社会貢献というものだ」
 まさに、成田のリクツに煽られた結果だ。それまでモヤモヤと内に溜まっていたことを成田が言ってくれた。ああ、こんな本音を言ってもいいんだな。よし、おれも言うぞーっ、と解き放たれた汚語が、堰を切ってSNS上に溢れ出した。弱者が弱者を叩く。なんとも不毛でさびしい光景だ。
批判する相手が違う!
 「オレの賃金が上がらないのは、大企業や大資本家がオレからカネを搾り取っているからだ。ヤツラの濡れ手で粟の収入からもっと税金を取れ、そんなに儲かっているのなら、こっちへそのカネを回せ!」
 これが本来の筋論だと思うのだが、煽動者に焚きつけられた弱者の憎悪は強者批判には向かわず、同じ弱者でももっと自分より弱い者へと向かう。資本家にとってはこんな都合のいい事はない。「弱者同士に少ない金の奪い合いさせておけば、私の金は安泰である。もっともっとケンカさせろ」と、成田やひろゆきや堀江たちをおだてる。その意を汲んだテレビが彼らの出番を用意する。
 かくて、何度妄言放言を繰り返しても、成田やひろゆきは復活する。
国民民主党の正体は…
 「働く者の賃金を上げろ、そのためには103万円の壁を取り払え」と言って躍進したのが玉木雄一郎氏率いる国民民主党である。だが玉木氏はその同じ口で、石破首相へ「原発推進、リプレイスも拡大を」などと進言に行った。原発新設にどれほどの費用がかかるのか知った上での発言か、とぼくは思わず怒鳴りつけたくなった。
 かつては原発1基の建設費は4500億円程度と言われていた。それがいかに物価高騰の折とはいえ、現在では2兆円を超えるといわれている。なぜこんなに高騰したのか。簡単にいえば、安全対策やテロ対策に今までは計上してこなかった費用が上乗せされるようになったからだ。逆にいえば、既存の原発は安全対策が十分ではなかったという証左である。危ない原発をこれからも再稼働させようという政府には呆れる。
 国民民主党の支持母体は連合だが、その中でも原発企業の労組が多い電力総連にすがっているのが国民民主党だ。これでは「原発低減を」などと言えるわけがない。
 では増えた費用をどうするのか。これを我々国民の払う電気料金に上乗せしようというのだから質が悪い。
 国民民主が主張しているのは、実は実質的には「国民負担を増やす政策」なのだということを忘れてはならない。
 新年早々、なんとか楽しい話題をと思ったのだが、能登半島では今もなお「避難所暮らし」の人々がいるし、水道が今になっても復旧していない地区もある。復興どころか、ふるさとを棄てなければならない住民の悲痛な声が、政府には届いていないらしい。そこへ「トランプの新関税」が襲いかかる。
 明るい話題などやっぱり大谷くんくらいしか思い浮かばない。「暗い夜明け」を迎えつつある2025年。でも、それでもなお、2025年が穏やかな年でありますように……と、ささやかに祈る年初であります。
 みなさん、今年もどうにか「無事」に生き延びましょう。

 
そして国民の暮らしに最も大きな影響を及ぼすであろう「政界」でもきな臭い話が進んでいるようである。
 
安倍以上のA級戦犯。2度の消費税引き上げの道筋を作った野田佳彦立憲代表が“自民との大連立”で響かせる『野田のカンタービレ』という亡国の調べ
 
■自公と立憲民主が大連立か。国民が無理やり聞かされる『野田のカンタービレ』
昨年末の12月26日、東京地検特捜部は刑事告発されていた自民党の裏金議員ら65人全員を不起訴としました。そして、自民党は裏金議員たちの政治資金収支報告書への不記載総額に該当する約7億円を「赤い羽根共同募金」に寄付することで、これをケジメとしました。しかし、裏金を作って懐に入れていた議員たちから徴収して寄付したのではなく、自民党の資金からの寄付だったことで「党がケツを拭くということは、党が主導した組織ぐるみの裏金づくりだったと自ら認めたも同然」という厳しい評価となりました。
しかし、こうした国民の怒りも、年が明ければリセットされがちな今日この頃、自民党の議員たちは「裏金問題は終わったこと」というフレーバーで、1月24日召集の通常国会にシレッと出て来ることウケアイです。
そんな2025年の通常国会で、まず議題に上るのが、立憲民主党が提出する「選択的夫婦別姓」を可能にする民法改正案です。昨年の臨時国会では「103万円の壁」で国民民主党に花を持たせてしまったので、今年の通常国会では、何としてでも立憲民主党が主導権を握り、夏の参院選に向けてアピールしなければならないからです。
「選択的夫婦別姓」は、国民民主党、日本共産党、社民党、れいわ新選組などが賛成しているだけでなく、自民党と連立を組む公明党も賛成しています。そのため、この時点でも与党は分裂しますが、自民党の中にも党の方針とは違う考えの賛成派がいるので、党議拘束をかけなければ一定数が造反します。また、自民党と同じく公約で「選択的夫婦別姓」に反対している日本維新の会も、衆院選後に就任した前原誠司共同代表は「個人としては賛成」と表明しています。
こうした現状から予測されるのは、もともと「選択的夫婦別姓」に理解を示していた石破茂首相が、自民党内の圧力に屈して党議拘束をかけ、日本維新の会を味方につけて否決に走るか?それとも、ここで踏ん張って国民側に立ち「自民党のことは嫌いになっても石破のことは嫌いにならないでください!」という「逆前田敦子作戦」で自分の延命を図るか?…という最初の分かれ道なのです。
去年の解散総選挙で議席を伸ばした政党は「さらなる躍進」を、議席を減らした政党は「何としてでも回復」を、それぞれの政党が夏の参院選を視野に入れて動き出す今年の通常国会ですが、自分の党のことだけ考えていれば良いすべての政党の中で、唯一ややこしいことになっているのが自民党なのです。それは、今夏の参院選で改選を迎える52人を筆頭に、多くの自民党議員が「衆院選でボロ負けした石破では参院選は戦えない」と思っているからです。
解散総選挙で惨敗し、自ら掲げた勝敗ラインの過半数を大きく割り込んだのにも関わらず、一時の「石破おろし」の声が今日まで静まり続けて来たのは「今、急いで石破をおろしたところで代わりの看板がない」と考えているからです。そして「それなら石破には2025年度の予算案が決まるまで矢面に立ってもらい、予算が通ればラ・フランス、つまり用無し(洋梨)」という考えが自民党の主流となっているからです。
そのため自民党は、今国会で石破首相にダメージを与え、ガスが無くなった百円ライターにしてからゴミ箱に捨てようと目論んでいます。その一端が、衆院の花形である予算委員長の座を、立憲民主党の安住淳氏にすんなりと明け渡したことです。自民党の森山裕幹事長と太いパイプで繋がっている安住氏を予算委員長に据えておけば、表向きは野党からの攻撃という形で、いつでも石破首相を追い込めるからです。
立憲民主党と大連立を組むというウルトラCの大技
そして、ここで登場するのが、現在の石破内閣の中に複数いると噂されている「スキャンダルを抱えた閣僚」へのピンポイント攻撃です。政治とカネの問題などで野党からの集中砲火を浴びても、これまでの大臣なら「今後も大臣として政策を前へ進めることでケジメとしたい」などと抜かして居座り続けて来ました。しかし、今は野党の協力がないと予算も決められない少数与党ですから、こんな方式は通用しません。
今の石破内閣の閣僚は、スキャンダルどころか失言ひとつでも辞任に追い込めますし、予算委員長が野党議員なので石破首相も答弁に立たせられます。そうなれば、野党は石破首相に任命責任を追及することができます。石破首相自身に何もスキャンダルがなくても、自身が組閣した内閣で辞任ドミノが起これば、通常国会という長い試合の中では、その任命責任というダメージが井上尚弥のボディブローのように効いて行くのです。
あたしの動物的直感では、3月末に予算が決まるまでは石破首相を利用するだけ利用し、4月に入ったら石破首相をポイ捨てして林芳正氏か茂木敏充氏に看板を掛け替えるような予感がしていますが、どちらが次の看板になったところで支持率の大きな回復など望めないことは火を見るよりも明らかでしょう。そこで、自民党の選択肢は2つに絞られます。1つは、ヤケクソで衆参ダブル選挙に打って出るという道です。そして、もう1つが、現在の自公連立の枠組みを変え、ここに野党を加えた3党連立にして、衆議院の過半数を押さえた安定政権を作るという道です。
前者の場合、去年の衆院選で議席を失った27人の裏金議員たちは、次の衆院選まで3年半も待っていられないので、衆参ダブル選挙をやってほしいと思っています。しかし、萩生田光一氏のように何とか踏みとどまった裏金議員たちは、今度こそ落選してしまうかもしれないので、衆参ダブル選挙などとんでもないと思っています。つまり、現状では自民党内のパワーバランスとして衆参ダブル選挙の可能性は極めて低いが、通常国会の流れ次第では可能性はゼロではない、というイメージです。
そして、もう1つの道である3党連立は、今の自公が国民民主党か日本維新の会を引っ張り込めば政権が安定するので、自民党としては3党連立してから参院選に臨みたいわけです。しかし、国民民主も維新も、参院選の前に連立入りすると有権者を裏切ったと反発されますから、参院選でのボロ負けは必至です。その一方で、参院選さえ終われば3年間は国政選挙がないので、国民民主や維新は連立に入りやすくなります。
この2党が連立入りを狙っているのなら、動き出すのは参院選後ということになりますし、そのためにも参院選では議席を増やしておきたいでしょう。
しかし、このどちらと3党連立を組んだとしても、この2党はあーだこーだと自民党に注文をつけて来るだろうし、自民党が言うことを聞かないと「離脱するぞ」と言って脅して来ることを自民党は分かっています。いくら安定過半数のためとは言え、こんな厄介な時限爆弾のような政党など抱え込みたくない。これが自民党の本音です。
結局のところ、衆参ダブル選挙もできない、参院選前の3党連立もできない、しかし、何か手を打たないと政権が安定しないし選挙で負けてしまう。そこで自民党内に浮上したのが、面倒くさい国民民主や維新はスルーして、一番大きな立憲民主党と大連立を組むというウルトラCの大技なのです。
■立民と消費税を上げたい自民党との「シンクロ率400%」
そんなことありえないと思うかもしれませんが、過去には2007年に、当時の福田康夫首相が衆参のねじれ状態を打開するために、民主党の当時の小沢一郎代表との間で大連立を協議したのです。この時、両党の仲介に立ったのが、先日亡くなった読売新聞のナベツネこと渡邉恒雄氏で、この時は合意の一歩手前まで協議が進んだものの、民主党内の一部から党を割るほどの激しい反発があったため、大連立の話は頓挫してしまいました。
しかし、当時の民主党と違い、現在の立憲民主党は、財務省とベッタリ政界きっての増税派である野田佳彦氏が代表をつとめており、同じく喉から手が出るほど消費税を引き上げたい自民党とシンクロ率400%なのです。そもそもの話、野田佳彦氏は首相時代に「税と社会保障の一体改革」という今では耳タコになった大嘘で国民を騙し、消費税5%から8%への増税で自公と3党合意しただけでなく、その後も段階的に消費税を引き上げて行くという道筋まで作ったA級戦犯なのです。
あたしも含めて多くの国民は、2014年に5%から8%へ、2019年に8%から10%へ、在任中に2回も消費税を引き上げた安倍晋三首相を批判することが多いですが、この2段階の消費増税の法案を提出したのは、その前の民主党政権時の野田佳彦首相なのです。そして後に、れいわ新選組の調査によって、この増税による増収分の7割以上が社会保障とはまったく関係ないことに使われており、社会保障に使われていたのはわずか14%だったと発覚し、野田佳彦氏の大嘘が白日の下に晒されたのです。
そして「社会保障のための増税」という野田佳彦氏の言葉が大嘘だっただけでなく、結果的には消費税増税と同時に引き下げた法人税の穴埋めに増収分が使われていたのです。つまりは、全国の消費者から広く浅く巻き上げた税金が、経団連の自民党スポンサー企業へ流れていたという我田引水の構図だったのです。
今の自民党は財務省と一体ですが、「減税」の看板を下ろした現在の立憲民主党も財務省フレーバーの政党になってしまいました。一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は財務省出身ですが、財務官僚のことが大嫌いで、財務省も玉木代表のことが大嫌いです。そして、日本維新の会の前原誠司共同代表は、野田佳彦氏と歩調を合わせる増税派ですが、維新は公明党が大嫌いです。
こうした相関図から分かるように、自民党としても財務省としても最善の選択肢は「自公と立憲民主の大連立」なのです。しかし、自民党の捨て石にはなりたくないと延命を模索している石破首相としては、立憲民主だけでなく維新も取り込んだ4党大連立こそが最善なのです。この大連立を進めれば、自民党内で「石破おろし」を画策する旧安倍派や「選択的夫婦別姓」に反対する極右勢力に維新が近づき、自民党内のリベラル派と公明が石破首相側に付き、自民党が2つに割れるからです。
旧安倍派の中にもリベラル派はいるので、一定数は造反すると思いますし、維新の中にも前原共同代表を始め造反の可能性がある議員は複数います。もちろん立憲民主からも「反石破派」へ造反する極右議員が数人出るかもしれませんが、立憲民主をほぼ丸ごと取り込んだ石破派のほうが大幅に多数となり、公明も加えれば過半数を取れる可能性があるのです。このままガスの切れた百円ライターとしてゴミ箱に捨てられるぐらいなら「焦げたアンパンマン」こと石破茂、最後に男の花道を以下略!…なんてこともあるかもしれません。
■大連立与党の第1党の代表として首相の座に返り咲く野田氏
そんな石破首相は、元日に放送された文化放送の新春特番で、ジャーナリストの後藤謙次氏から野党の主要政党との大連立について問われると、次のように答えました。
選択肢としては(大連立は)ある。ただ「何のために」がない大連立は一歩間違うと大政翼賛会になってしまうので、そこは気をつけなければいけない。
この放送は昨年の12月24日に収録されたものだそうですが、石破首相は臨時国会が閉会したその日に、ラジオ番組の収録で大連立の可能性に言及していたのです。そして「何のために」という大義名分があれば、野党との大連立もやぶさかじゃないと言っていたのです。
さらには、公明党の斉藤鉄夫代表も、同じく元日に放送されたニッポン放送の新春特番で、亀井静香氏から少数与党としての政権運営について問われると、次のように述べました。
大連立の大きな障害になるのは今の選挙制度だ。小選挙区制だとなかなか大連立という方向に行かない。
(公明党が)合意形成の要になって頑張って行きたい。結果的に大連立につながるような合意形成が図られる役割を先頭に立って果たしたい。
こっちは大連立する気マンマンじゃないですか!公明党は「選択的夫婦別姓」でも立憲民主党と歩調がピッタリだし、これまで自民党のやりたい放題に振り回されて来た上に、昨年の衆院選では自民党の裏金問題の煽りを受けて議席を減らしただけでなく、石井啓一代表までもが落選するという大打撃をこうむった公明党としては、政策的に自分たちに近い立憲民主党を是が非でも連立与党に引き入れたいのです。
一方、公明党から熱烈なラブコールを受けた立憲民主党の野田佳彦代表は、1月4日、伊勢神宮を参拝した後の年頭会見で、大連立について記者から問われると、次のように答えました。
(大連立とは)何か大きな危機があった時に考えられる選択肢であって、平時では私はそういうことは考えていません。
まるで石破首相の発言をそのままきれいに打ち返したような見事な回答ですね。石破首相が「大義名分」を挙げれば、野田代表が「何か大きな危機」と返す。そう、それが財務省のマリオネットである2人の共通目標「消費税増税」への道なのです。
石破首相が「政権維持のために野党と連立します」と言っても、国民は誰も納得しないでしよう。しかし、石破首相の代わりに自民党の顔となった新しい総裁が「トランプ政権の米国ファースト政策によって日本の金利は跳ね上がり、日本は財政破綻の危機を迎えました!もはや与党と野党が争っている場合ではなく、与野党が一致団結して大胆な税制改革に打って出ないと、この危機を乗り越えることはできません!」などと言えば、多くの国民が大連立を「仕方ないこと」として受け入れるでしょう。
そして、この先にあるのが、今後は3年間も国政選挙がないためにやりたい放題になった大連立与党が、日本を陰で牛耳る財務省の指示によって繰り出す消費税増税という最終攻撃なのです。トランプ政権よりも日本国民に大打撃を与えるこの容赦ない攻撃によって、多くの国民が今よりさらに苦しむことになるのです。そして、この国家ぐるみの歴史的大規模詐欺の立役者である野田佳彦氏が、大連立与党の第1党の代表として日本の首相の座に返り咲くのです。
■国民の頭上に高らかに響き渡る2匹目のドジョウの歌声
…というわけで、これが、あたしがすべての可能性の中から最悪を選択して妄想してみた『野田のカンタービレ』という壮大なSFファンタジーです。「カンタービレ」とは、ピアノなどを「歌うように」演奏するという意味の音楽用語です。
今回は新春ということであたしの妄想を披露させていただきましたが、可能性としてはゼロどころかそこそこありえるの話なので、もしも最悪の選択が連鎖し、さらに夏の参院選で自民党にトドメを刺すことができなければ、このSFファンタジーの通りの結末を迎え、物価高騰の果ての消費税増税で疲弊しきった国民の頭上に、二匹目のドジョウの歌声が高らかに響き渡る日が近いかもしれません。
 
 
この御仁の悪意のない指摘は決してあてずっぽうではなく、むしろ現実味を帯びていることが国民にとっては不幸である、とオジサンは思う。
   

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