参院選投票日まで選挙運動の期間は残り10日余りになったが、こんな時期に登場するのが、こんな記事である。
「主要9政党の参院選公約を早稲田大マニフェスト研究所が点検 採点してみたら…」
おそらく結果を見るまでもなく想像できることは、所詮「公約」という「・・・をやります」の列挙であり、政権党でない限り、公約実現の財源を事前に把握することは不可能である。
そして政権を取った後も官僚の大きな抵抗に遭い挫折したという民主党政権の「事業仕分け」パフォーマンスを思い出せば明らかである。
実際上記の記事を読むと、「各党とも政策で優先順位を示しているのは評価できるが、『これをやります』といった内容に終始し、『どうやってやります』という説明が決定的に足りない」、「項目を文字でリスト化しているだけで、体系的に整理されていない」ので「どの政党も公約のできばえについては合計100点満点中50点に満たない」という結果になっているという。
しかし、フランス文学者ともなれば、選挙の予想の仕方も少々変わってくるようである。
「参院選の予測を語る」
ある新聞の取材で参院選の見通しについて訊かれた。「争点がない」「投票率が下がる」「野党が負ける」というのが大方のメディアの予想だけれど、果たしてその通りになるだろうか。 いつも言っている通りだが、そういう質問に対してはできるだけ具体的に未来予測をするようにしてる。予測が外れた場合に、どういう情報を見落としたのか、どういう推論上のミスを犯したのかを自己点検できるからである。どうとでも解せる玉虫色の未来予測をしておいて、「こうなると思っていました」と後知恵でごまかすと、本人の推理力の開発には資するところがない。だったら確信がなくても、具体的な予測を述べた方がいい。「外れることを恐れない」というのは未来の未知性を前にして謙虚であるための一つの作法だと私は思っている。 年初に「ロシアのウクライナ侵攻」を予測したロシア専門家がどれだけいただろう。何人かはいただろうが、「ウクライナの抵抗が100日以上続く」と予測した専門家は世界中探してもほとんどいなかっただろうと思う。世界の表情を一変させるような出来事はいつも「思いがけないところで、思いがけない仕方で」起きるものである。 問われたことを奇貨として、今度の参院選では「メディアの予測を覆すような異変が起きる」と私は予測した。自公連立政権にこのまま日本の未来を託して、この10年加速している日本システムの劣化と衰退がこのまま続くことをどれほどの有権者が望んでいるのであろうか。 「よくわからないが、現状のままでも特に不満はない」と「よくわからないが、現状にはうんざりだ」の間にはそれほどの心理的段差はない。「現状肯定」だった人がわずかな風向きの変化で「現状否定」に転じる。そういう豹変を私はこれまで何度も見てきた。異変がいつ、どのようなかたちで起きるかは誰にも分からない。 |
筆者の作法によれば、「具体的な予測を述べた方がいい」らしいのだが、結論から言えば「誰にもわからない」「異変」が起きてほしいということらしい。
しかし過去の衆参の選挙の投票率が低ければ低いほど、定期的に「税金」を様々な名目で特定組織や団体にばらまいている自民党が有利であることはだれも否定できない。
投票率が50%未満ならば確実に自民党の圧勝になるかもしれないが、今回の参院選では「シングルイシュー」とはいかず、先の記事でも「新型コロナ感染症対策、外交・安全保障、物価高対策、気候変動対策、ジェンダー平等・女性活躍、LGBTQ」等々、年齢や性別にとらわれず多くの有権者の関心事があり、投票率が50%後半になれば、「誰にもわからない異変」が起きる可能性がある。
さて、政治評論家で今では老骨のジャーナリストと呼ばれるようになった本澤二郎が選挙後の日本の悲惨な風景を描いていた。
「自公圧勝して日本沈没<本澤二郎の「日本の風景」(4490)」
<毎度ため息が出る参院候補者ポスター掲示板をじっと見つめる哀れ!> 物価の番人のはずの黒田東彦・日銀アベノミクスのお陰で、日本の円は極端に下がり、その結果、食料から原油、原材料が大幅に値上げされた。円売りドル買いが定着した。働く職場もない庶民・母子家庭は、先の見えない厳しい生活を強いられている。反対に財閥はぼろ儲けして笑いが止まらない。原子力ムラの電気ガスは、公然と値上げ。それでも1%富裕者向けのアベノミクス経済政策下の参院選に、異変が起こらない。自公圧勝の声は止まらない。確かに弱すぎる野党はバラバラ、そこへとミニ政党が横やりを入れてくるため、浮上する材料がひとつもない。 余裕の首相 は、バイデンの戦争支援のため海外飛び歩きを止めない。借金で首が回らないのにバラマキとバイデン超軍拡に貢献して、戦争志向で国民に恐怖を与えている。こんな選挙は前例がない。ゆでガエルの日本国民は、とうとう狂ってしまったらしい。 初めてのことだが、散歩中に公設の掲示板と向き合った。8人か9人の見たこともないポスターをまじまじと眺めた。投票したい候補者はいるのだろうか。無論、いない。しかし、棄権するわけにもいかない。どうするか?少しでも自公に抵抗するかもしれない候補者を探すしかない。世論調査だと8割の有権者が投票すると回答しているが、この調査は全くアテにならない。8割投票が実現すれば、地殻変動が起きるのだが、まずは無理である。掲示板を見ながらため息が出てしまった。 「これで自公圧勝だと、この国は極東の小さな島国になるしかない」と永田町の中枢を歩いてきた友人は、怒りとため息をつきながら、毎日のように電話してくる。日本沈没は、とうの昔からだが、特に国粋主義者・安倍晋三内閣の時代から速度を上げた。さらに、その速度は早まるだろう。霞が関や永田町から理性が失われると、しかもそれに追随する言論ばかりだと、誰もが見たくない、信じたくない国滅ぶしかない。 <超借金大国首相はバイデンのために武器弾薬購入とバラマキに専念> 「いやいやそんなことはない」と自信の持てる有権者がいればいいのだが、円の価値一つとっても誰もが先行き不透明だと判断している。それも地盤沈下する一方の日本という点で共通している。 巨大地震による第二のフクシマも、間違いなく襲い掛かる。自民党は一度失敗した原始のお祓い宗教・神社神道による「神の国」で、再び対応しようとしているのも不気味この上ない。これも国際社会から採点すると、漫画であろう。改めて記述することにしたい。 安倍は、カネがないのに60兆円の大金を世界にばら撒いた。それで人々は救われたのか?すべてひも付きだから、受注した日本企業から膨大なリベートが入る。その一部を選挙に使用しているのだろう。同じことを、負けじと岸田文雄がやっている。 安倍の武器弾薬の倍増論をそっくり受け入れて、バイデンを喜ばせている。人殺しの兵器買いに狂奔する行為は、アジアのみならず世界を軍拡の嵐に巻き込む悪魔の所業であろう。 <超軍拡で福祉を破壊する戦争国家を支持する日本人の哀れ> プーチンも悪党だが、ゼレンスキーも人民の命を守る政治家ではない。バイデンの腕で踊っても恥じない。典型的な英雄気取りのナショナリストだ。なぜロシアとウクライナの人民は、平和のために決起しないのであろうか。 ヨーロッパも狂っている。否、日本人も狂ってしまった。もうどうにでもなれ、の心境なのであろう。 人類は第一次・第二次の世界大戦を終えると、目指す目標は人々の生活を保障する福祉国家を目指した。北欧三国が成功して、国際社会の優等生になった。いま同じ国が米国主体の軍事同盟に入って、新たな緊張を作り出した。日本も負けじと、戦前の軍国主義にのめりこんで、緊張政策を採用した。福祉破壊国家への道であるのに止めようとしない、誰もが? <年金から介護と健保の保険を強奪する日本の福祉天国> 孝行娘のお陰で毎月年金のほかに10万円もらって、我々からすると優雅な暮らしをする友人が、それでも昨今の物価高と、年金から強制的に差し引かれる介護保険と健保に、激しい怒りをぶちまけている。 「老々介護の人間に対して、介護保険が毎月1万円、年間12万円も強奪する福祉国家があるだろうか。国会に殴り込みをかけたいくらいだ。連中は世界一の高給取りなんだから」と。 <消費税廃止で景気回復、ただしその財源を示さない無責任野党> 経済を少しでも回転させるには、消費税廃止が最善である。野党は財源を示そうとしない。簡単に示せるのになぜ?野党も信頼できない。 投票したい政党も候補者もいない参院選挙で、それでも棄権は罪である。 |
まあ選挙結果予想は個別の「選挙区」では改選数の倍以上の候補者が引き締め遭っているが、組織を持っている候補者同士の争いが明暗を分けることだろうと思うが、投票日まで最近の異常な猛暑が続くようならば、に高齢者や若者の投票率は限りなく低くなるはずである、とオジサンは思う。
【参考】
欧米各国の「ウクライナ疲れ」からこの紛争への支援の限界を感じ始めた欧米各国の間からは、ウクライナに対して妥協を促す声も上がっていると伝えられている。
ウクライナへの領土全面奪回の断念を求める声には、ゼレンスキー大統領は猛反発するものの、イタリアが国連に提出した和平案に含まれる内容を鑑みると、実際に領土の割譲を迫られる可能性もあるという。
「ウクライナ支援に限界。欧米の領土妥協案に猛反発のゼレンスキー」
■くすぶる、領土分割案 支援に限度 ゼレンスキー大統領は反発 欧米の一部では、ウクライナに対し、奪われた領土の全面奪還を断念するよう促す意見が浮上、波紋を広げている(*5)。 このような意見が出てくる背景には、戦闘が長期化する中、西側の「兵器、資金の支援には限度がある」(米有力紙)との懸念があるため。しかし、ウクライナは反発する。 現時点では少数意見に過ぎないが、停戦が見通せない中、戦争が長引けば領土妥協論が広がる可能性も。 アメリカ外交の長老であるキッシンジャー元国務長官(99)は5月23日、スイスのダボス会議において、 理想的には境界線は(2月の侵攻前の)原状に戻すべきだ。これを越えた戦いを追求すれば、ロシアとの新たな戦争になるだろう。 (西日本新聞、6月2日付朝刊) と主張。 この発言は、ロシアが2014年に強制編入したウクライナ南部のクリミア半島と、親ロシア勢力が実効支配してきた東部のドンバス地域の奪還断念を促したと受け止められた。 ニューヨーク・タイムズも5月19日の社説で、2014年以降にロシアが得たウクライナの領土を全て回復するのは、「現実的な目標ではない」と強調。 現実離れした戦果を期待しては、欧米が「出費がかさむ長期戦に引きずり込まれる」とし、ウクライナの指導者層は、「領土に関して苦痛を伴う決断を下さなければならない」とした。 領土分割案は現実に動いている可能性もある。エネルギー面でとくにロシアに依存してきたイタリアは、5月に国連に和平案を提出。 イタリアのメディアによると、その中には、クリミアやドンバスの親ロシア派地域について、「領土的な問題を国際監視下で協議する」との項目が含まれており、ウクライナが実際に領土の割譲をせまられる可能性も。 ただ、前述したようにこれらの地域は鉱物資源が豊富。ゼレンスキー大統領は猛反発している。 |