先週の土曜日に、「アメリカンブラックジョーク?!」の最後で、安倍晋三がトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦したことに対して、こんなツイッターを紹介した。
「トランプ米大統領は15日、ホワイトハウスでの記者会見で、安倍晋三首相からノーベル平和賞選考機関に送ったとされる「推薦状」のコピーを受け取ったと明らかにした」とのこと。平和憲法を破壊しようと目論む安倍晋三が「死の商人」のトランプをノーベル平和賞に推薦って、ブラックジョークですか?
— きっこ (@kikko_no_blog) 2019年2月15日
週明けて、どうやら「ブラックジョーク」ではないらしく、政権内部からのリークらしいとの報道もあり、国会の衆議院予算委員会でも野党から質問された安倍晋三首相は、「コメントを控える」と、推薦した事実を否定することはなかった。
早速昨日の夕刊紙ではこんな特集が組まれていた。
紙面から、識者のコメントを切り取っておく。
「トランプに平和賞?推薦した安倍首相に問われる“見識”」
「米朝関係の平和的解決を望む国際情勢の『地殻変動』を見誤り、カヤの外に置かれると、取り繕う手段はトランプ大統領にへつらうことだけ。安倍外交は情報力も分析力もなく、行き当たりばったり。そのクセ、拉致問題解決を『内閣の最重要課題』と強調しながら、支援を仰ぐ韓国を見下し、強硬姿勢で率先して対立をあおる。もう、支離滅裂です」
「ここまでして、トランプ大統領にとことんへつらう安倍首相は、もはや奴隷同然。トランプ大統領は就任以来、世界中を引っかき回し、紛争を仕かけ、INF離脱で核戦争の恐怖すら与えています。平和賞に最もふさわしくない人物を推薦する首相は『今だけ、自分だけ、トランプだけ良ければ』の究極のゴマすり男です。世界から軽蔑されるだけで、勝手に日本を代表するなと言いたい。日本人として恥ずかしくて情けない限りです」
(政治評論家・森田実氏)
「導入すれば、ロシアはイージス・アショアの攻撃転用を疑い、北朝鮮からも敵視される。要は日本本土が狙われるリスクを高めるだけ。105機を追加購入し、計147機とするF35戦闘機も維持費を加えると、総額6.2兆円超。トランプ氏の顔色をうかがって、米国製のムダな高額兵器に湯水のごとく出費するのはいい加減、やめるべきです」(「使ってはいけない集団的自衛権」の著者で経済アナリストの菊池英博氏)
「トランプに平和賞?推薦した安倍首相に問われる“見識”」
「安倍政権は日米交渉の前にTPP11や日欧EPAを締結。当然、その水準まで米国の農産物や酒類の関税を下げろ、と圧力をかけられるのは予想されます。その上、ここまで国のトップが卑屈なのですから、日本は円安政策で不当に米国で儲けていると考えるトランプ大統領に言われるがまま、対米輸出自動車への高関税や、意図的な通貨安を禁止する『為替条項』の導入などを受け入れる姿が目に浮かびます。安倍首相は16年の大統領選直前にヒラリー候補と会談。彼女に肩入れしていたのに、トランプ氏の『まさかの勝利』の途端、われ先にとトランプタワーに駆けつけ、50万円のゴルフドライバーを贈ってご機嫌取り。トランプ氏にすれば『何だ、この男は』という感覚で、こいつは必ずオレの言うことを聞くゾと、完全になめられてしまった。実際に首相はその予想通りに振る舞い、トランプ氏がツイッターなどで繰り返し『リメンバー・パールハーバー』と表明しても、抗議すらしない。バカにされて当然です」
(経済アナリストの菊池英博氏)
安倍晋三の「見識」を「問う」という日刊ゲンダイが勘違いしていることは、安倍晋三にはそもそも「見識」などは端から持ち合わせてはいないということである。
その見識のかけらもない安倍晋三首相を追及した昨日の国会での予算委員会では、ネット上で絶賛されていた一コマがあった。
am1:47
— gumigumigreen (@hellogooday8801) 2019年2月18日
録画した国会中継を見ている。
立憲民主党の小川淳也議員、
凛とした理路整然とした質問だ。
それに比して、意味不明な安倍晋三の答弁。
小川淳也さんを総理大臣に!!!
声を大にして言う。
小川淳也さんを総理大臣に!!!
これは全くの正論であろう。
「私ね、色々数字調べました。
統計の中身も調べた。
素人だけど一生懸命調べました。
でも途中からねぇ、なんでこんなに数値論争してんだと。
なんでこんなにこの政権と数値論争でもがいてんだろうと。
私は途中からそう思うようになったんですよ。
もしね、総理。
もし、この国の総理大臣が良い数値持ってきたらですよ、「良い数字はもういいから」と
「良い数字は良くいってんだろう。それはもうお前達で勝手にやってってくれ、どっかに
悪い数字ないのか、そこで困っている国民はいないか、そこに社会の矛盾が埋もれてない
か」と言うような総理大臣だったら、そもそもこんな数値論争は起きてないじゃないか。
自分の政策のあたかも全てが効果であるかのように喧伝し、統計のルールを
変えたことの説明も不十分でそういう総理大臣の姿勢である限り、国民は救われないし
正しい経済政策は打たれませんよ 。」
【小川淳也 立憲民主党・無所属フォーラム 予算委員会 衆議院 2019 02 18】
東京大学法学部卒で自治省・総務省で官僚経験している小川淳也議員は、具体的な数値をもとに冷静に質問する姿勢は、所属政党を変遷してはいるがなかなか迫力があった。
統計偽装に関しては、いくら厚労省や政府関係者たちを締め上げても、彼らは決して本当のことは言わないし、言えない立場であることは、トランプの前では日本の立場を全く主張できない安倍晋三を見れば良く分かるというものである。
だからと言って、国民には複雑すぎて理解できない「統計数値の改竄」について、どのメディアも分かりやすい解説をしてくれていない。
しかし遠く九州に目を向ければ、こんなメディアが解説してくれていた。
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<統計不正はこれほどヤバい>
2019年02月17日 10時37分 西日本新聞
統計不正問題は多岐にわたるが、本丸の「毎月勤労統計」について論じる。
簡単に説明すれば、厚生労働省はこの統計の作成手法を不正に簡略化。それを途中から「完全版」に近づけるため数値の復元加工をしたところ、結果として実質賃金の伸び率がかさ上げされた。つまり実態より過大に「賃金が上がった」と公表していたのだ。
経済ウオッチャーたちは政府が「不適切な手法でデータを収集、公表」したことに危機感を抱く。
BNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎さんは「そもそも一国の経済運営とは、視界の悪い悪路を、バックミラーを頼りに運転するようなもの」と例える。経済指標の数値はリアルタイムでなく近過去のもの。バックミラーに映る近過去を見ながら、正しい道を進んでいるか判断する、という意味だ。
以前から日本の経済統計には問題点が指摘されていたが「今回の不正発覚で、日本政府のバックミラーは曇りがちだっただけでなくゆがんでいたことが分かった」と河野さん。「これではよかれと思ってやっている政策が、経済に悪影響を及ぼす可能性さえある」
視界不良の中、ゆがんだバックミラーを見ながら車を走らせている運転手を想像していただきたい。今にも道を間違えそうだ。
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私はこの問題で「賃金伸び率のかさ上げ」の部分に注目している。アベノミクスがうまくいっていると印象づけるため、伸び率上振れの裏事情を隠していた疑いが生じているからだ。いわゆる「アベノミクス成果偽装疑惑」である。
私なりに、医者と患者のケースで例えてみる。医者から「体温は下がったし血糖値も正常に戻った。治りつつあります」と説明を受けた。しかしその体温や血糖値などの数値が狂っていれば、本当に「治っている」のか全然分からない。
しかも医者が「自分の治療法は正しい」と思わせるために、実態以上の良い数値を告げていた疑いもあるのだ。どんな医者だ?
さて、問題の火付け役である本紙の永松英一郎記者に「統計不正を例えるなら」とお題を出した。2日考えて答えてくれたのが「現代の大本営発表」である。
確かに、故意に過大な数字を出して成果を誇張していたならば、戦時中の大本営発表と同じ構図だ。それに「メディアも国民も踊らされていたのではないか」と永松記者は怒る。数字の上振れに指示や忖度(そんたく)はなかったかが今後の焦点だ。
ゆがんだバックミラー、狂った体温計、そして大本営発表。こう並べれば統計不正の「ヤバさ加減」を分かっていただけるだろうか。簡単に幕引きなどしてはならない問題なのである。
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「近過去のもの」が統計数値ならば、残念なら過去15年ほどのあいだ、そのいかがわしさが正確に映し出されてこなかった故に「ゆがんだバックミラー」が発覚したということであろう。
そして「大本営発表」という悪しき情報操作のため、1945年5月にドイツが降伏し、沖縄が6月に占領された時点で確実になった敗戦を先延ばし国体護持にこだわったために、広島・長崎に原爆が落とされ莫大な国民の犠牲を招いたという過去の忌まわしい歴史が思い起こされてしまう。
安倍晋三という「三権の長だ」などとほざいている輩のために、これ以上国民を蔑ろにすることは許されない、とオジサンは思う。