新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

マスメディアの危機とジャーナリストの廃退

2019年02月22日 11時43分29秒 | マスメディア

2年ほど前に、森友学園を巡る国有地格安払下げ疑惑が発生した頃、朝日新聞が最初のスクープを飛ばしたことにより、テレビメディアの中ではテレビ朝日の「モーニングショー」がその名の通り毎朝、精力的にパネルを使って報道していたことを今でも思い出す。
 
その頃のゲスト解説者は安倍政権の代弁者として自他共に許す田崎史郎が積極的に安倍昭恵を庇っていた光景が忘れられない。
 
一方的な政権批判は官邸からにらまれるという風潮は当時からすでに蔓延っており、朝日新聞も両論併記姿勢が著しかった。
 
それから2年も経つと、明らかに「モーニングショー」からはパネルを使った政治関連の報道が消えてしまっていた。
 
もっともこの傾向はメインキャスターの問題だけではないのだろうが、ネットにこんなつぶやきがあったのでオジサンはこうコメントした。


しかし昨朝のモーニングショーの後半の「玉川徹のそもそも総研」で羽鳥慎一の化けの皮がはがれてしまった。     
テレビメディアの崩落ぶりが如実に表れた瞬間でもあった。
 
さて、国会内の記者クラブという制度自体への批判は以前から多くあったのだが、一般の国民の目や耳にはなかなか届かないものである。
 
そんな風習に風穴を開けてしまったのがご存じ東京新聞社会部の望月衣塑子記者であったのだが、度重なる官邸からの嫌がらせに対しては、一昨日、東京新聞として、「【検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ】」という記事を公表した。


                                                                                                             【東京新聞より】
 これに対しては、「官房長官 東京新聞の反論に『官邸側の対応に問題ない』」と居直る始末。 
  
オジサンは先週の日曜日にこうつぶやいた。


  
そしてまさにそれを裏付けるようなが報道がでていた。
 
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 神奈川新聞|公開:2019/02/21 10:06 更新:2019/02/21 12:35
 【時代の正体取材班=田崎 基】18日夜、わずかな異変が起きていた。新聞各紙の締め切り時間がじわじわと迫る午後9時57分、共同通信が、加盟各紙に配信した記事の一部を削除すると通知してきた。
 「官邸要請、質問制限狙いか 『知る権利狭める』抗議」と題する大型サイド。官房長官記者会見での東京新聞記者による質問について、首相官邸が「事実誤認」だと断定し質問制限とも取れる要請文を内閣記者会に出したことについて、問題点を指摘する記事だった。
 要請文が出された経緯や、その後に報道関連団体から出された抗議声明、識者の見解などを紹介する記事の終盤に差し掛かる段落のこの記述が削除された。
 〈メディア側はどう受け止めたのか。官邸記者クラブのある全国紙記者は「望月さん(東京新聞記者)が知る権利を行使すれば、クラブ側の知る権利が阻害される。官邸側が機嫌を損ね、取材に応じる機会が減っている」と困惑する〉
 午後4時13分に一度配信された記事は、5時間44分後に、この8行が削除されて配信され直した。
 共同通信による「編注」(編集注意)には削除理由としてこう記されていた。
 〈全国紙記者の発言が官邸記者クラブの意見を代表していると誤読されないための削除です〉
癒着
 共同通信は、本紙を含め全国の地方紙や全国紙、海外メディアなどに記事を配信する国内最大級のニュース通信社で、世界41都市に支社総支局を置く。NHKを含め加盟新聞社は56、契約民間放送局は110に上る。
 24時間体制で速報を配信し続けているため、記事の配信後に内容が随時差し替わっていくケースは少なくない。分量が増えたり、無駄な記述が短縮されたり、事実関係について随時削除、追加されたりすることもある。
 だが今回は違った。事実とは無関係の、それも記事の核心部を無きものにしたと、私は思う。
 顛末(てんまつ)を知る共同通信の関係者によると、記事の配信後、内容を見た加盟社から電話が入り、記者クラブと官邸が癒着していると思われる恐れがあると指摘を受けた。
 子細な経緯や指摘を入れた加盟社の思惑は知り得ないが、共同通信は8行を削って配信し直した。
 削除について共同通信は「編集活動のプロセスに関する詳細については回答を控えさせていただきます」としている。
倒錯
 「全国紙記者」による論理を私も耳にしたことがある。東京新聞の記者が「知る権利」を行使すると、クラブ側の「知る権利」が阻害される、という理屈だ。記者会見という限られた時間の中で、特定の記者が質問を重ねると、別の記者の質問時間が奪われる、という趣旨だが、この際通用しない。
 なぜなら「官房長官会見」の主催は官邸記者クラブ側であり、本来会見を主導すべきは記者クラブ側であって、質問は可能な限りなされるべきであるし、官房長官も時間の許す限り応答することが求められる。
 さらに、誰かが権利を行使しようとしたとき、それによって自分の権利が毀損(きそん)されるというのは、倒錯の思考であって根本的に間違っている。
 記者の「質問する権利」を守るのは他ならぬ記者たちであって、それは質問し続けることで守っていく必要がある。
 権利はつまり「誰かが行使しようとする」ことによって、自らの権利もまた同時に守られていくという関係にある。
 削られたコメントには「官邸側が機嫌を損ね、取材に応じる機会が減っている」ともある。記者クラブが官邸におもねり、機嫌を取ることで「取材させてもらっている構図」をうかがわせる極めて重要な発言だ。
 一方で、別の全国紙の政治部記者は削除されたコメントについて、「そうした考えの記者の気持ちも分かる。だがそれは問題の本質を見誤っている」と指摘する。
 「今回の質問制限は、日々の取材のしやすさなどという低次の問題ではない。報道が権力とどう向き合うのかという高次の問題。これが本質であって『権力による質問制限は到底許されない』という点で、記者クラブはぶれてはならない」と話す。
腐心
 共同通信は削除した理由を「官邸記者クラブの意見を代表していると誤読されないため」としている。ただ、コメントのような考えを持つ記者が記者クラブにいることも事実だ。
 そもそも記事には常に誤読の恐れが付きまとうのであって、それを避けるために入念な取材に取り組み、書きぶりに細心の注意を払う。だが同時に、誤読の恐れを逐一つまみ取ることに腐心していては、論を興すという職責を果たすことはできない。
 特に今回の記事は、権力と報道という緊張関係について指摘する内容であり、かつその核心部が削られた。誤読を避けるためには、活字を削除するのではなく、論理の再構成や書きぶりの修正、再取材による補強によってなされるべきであった。
 東京新聞は20日、朝刊1ページを全て使い「官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ」と題して「検証と見解」を発表した。
 質問制限の異常性が明らかにされている。
 東京新聞記者による質問の際、官邸報道室の上村秀紀室長が「質問は簡潔に」「質問に移ってください」と数秒置きにマイクを通じて言い、わずか1分半の質問時間の中で計7回も遮ったケースもあったという。この妨害は2017年秋から始まり常態化しているという。こうした様子は官邸のホームページで公開されている動画でも異常性を確認できる。
職責
 官邸は東京新聞記者による質問が「事実誤認」だとし「度重なる問題行為」として内閣記者会に「問題意識の共有」を求める文書を18年12月に出した。官邸側は17年秋以降、東京新聞の編集局長に対し「事実に基づかない質問は厳に慎んでほしい」とする文書を9回にわたり申し入れていたという。
 会見の場で質問を遮る妨害、さらには記者クラブに対し要請文をもってかける圧力。権力者によってこれほどあからさまに私たちの報道の自由が抑圧されたことが戦後あっただろうか。
 「権力は常に暴走し、自由や権利を蹂躙(じゅうりん)する」という歴史的経験を忘れてはならない。
 次なる闇は、その片棒を報道の側が担ぎ始めるという忖度(そんたく)による自壊の構図だ。その象徴は、削られた8行に込められていた。
 圧倒的多数を擁する権力者の振る舞いによって、この国の底が抜けそうになっていると感じる。表現の自由を弾圧し、批判をよそに次々と法案を強行採決する。閣僚が不祥事の責任を取らず、まともな説明すらしない。
 こうした政治の惨状をしかし私たちは初めて経験するわけではない。先の大戦、到底勝ち目のない戦争へと突き進んだとき、国家の底は抜け、破滅の危機を認識したときには既にその暴走を誰も止めることはできなかった。
 自由と権利を持ちこたえさせることができるのは、その行使と、健全な民主主義と、それを支える知る権利の他にない。報道はその一端を担っているという職責を忘れてはならない。
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テレビメディアの中にも、新聞記者の中にも多くの真っ当なジャーナリストが存在する。
 
権力に屈してしまえばジャーナリズムは崩壊してしまい、再びあの暗い時代に巻き戻されてしまう。
 
「言論の自由」は権力者にはない。
 
多くのジャーナリストがもっとその権利を駆使し、横暴な権力者たちを監視し批判し続けなければならない、とオジサンは思う。
   

 
 


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