最近「藪蛇」という諺を思い出した。
その意味はよく知られているように「藪を突っついたら蛇が出てきた」ということから、「 余計なことをして、かえって災いを受ける」とか、「不用意・不必要な行いは逆に思わぬ対抗措置を招くこと」と解釈されている。
まさに弁護士崩れの自称国際弁護士の八代矢代英輝による「共産党に対するデマ発言」がそれだった。
なにしろ、コヤツは政府の「閣議決定」に基づいての発言だった」と謝罪放棄したのだが、むしろ政府の「閣議決定」のいい加減さやずさんさを改めて浮き彫りにしてしまった。
たとえばこんなツイートが。
共産党には「暴力…」とレッテル貼るが
— 東京新聞労働組合 (@danketsu_rentai) September 15, 2021
安倍首相の「桜を見る会」に
暴力団関係者が招かれて問題になったときは
「反社会的勢力は定義困難」と閣議決定してた。
安倍/菅政権の閣議決定なんて
その程度のもの。https://t.co/ppwc2Vb1h0
そして、共産党もおかげで知名度があがったのかこんな自画自賛をしていた。
公安調査庁は、68年間にわたって、わが党に対する不当な調査を行いながら、「破壊活動の証拠」なるものを一つもみつけることができなかった。
— 志位和夫 (@shiikazuo) September 15, 2021
公安調査庁は、皮肉なことに、日本共産党が「暴力革命」とは無縁であり、平和主義の党であることを、証明してくれたことになる。 https://t.co/P8A21aX8nw
過去にさかのぼれば、こんな杜撰な、みっともない閣議決定がゾロゾロでてくる。
■2015年6月2日
「安倍総理はポツダム宣言を当然読んでいる」
■2016年11月21日
「(沖縄県民に対する)土人発言は差別ではない」
■2017年5月12日
「『そもそも』には『基本的に』という意味もある」
■2017年3月14日
「昭恵夫人は私人であると認識している」
◆2019年11月29日
「首相夫人は『公人ではなく私人』との認識が変わらない」
■2018年5月18日
「セクハラという罪はない」
■2018年4月27日
「国語辞典的な意味での戦闘は自衛隊法等の戦闘行為とは異なる」
■2019年12月10日
「反社会的勢力の定義についてその時々の社会情勢に応じて変化し得るものであり、限定的・統一的な定義は困難だ」
もうこの辺で止めるが、大半は安倍晋三の無知からくる舌足らずの国会答弁に対して野党から追及され、苦し紛れに作文したのがほとんどである。
「自民党の『面白閣議決定集」なるものがそのうち登場するかもしれない。
そんな代物が海外からの特派員たちによって世界中に拡散されればまさに日本の恥となる。
その程度の「政府の閣議決定」なのであたかも「金科玉条」のごとく公のテレビ電波で恥さらしした「政府御用達」の似非弁護士は再度お勉強をされないと、「安倍晋三並みの知能」と見られてしまう。
さらには、「公安調査庁」が「藪から蛇」の役割を果たしてしまった。
「八代弁護士らの共産党攻撃の根拠『公安調査庁』が“失笑”の報告書! 暴力活動の記載なく『コロナ政策提言で存在感』とまるで共産党PR」
■公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」2021年1月版の失笑ものの内容 たとえば、最新版にあたる2021年1月の「内外情勢の回顧と展望」を見てみよう。共産党は、「国内情勢」を取り上げた章に登場する。ちなみに、国内情勢のトップバッターとして取り上げられている団体はオウム真理教で、つづいて過激派。共産党はその次の3番目に登場し、最後の4番目は「右翼団体など」となっている。 一体どんなおどろおどろしい破壊活動が書かれているのか、と共産党のページを開くと、まず、タイトルにはこうあった。 「コロナ禍での政策提言などを通じて存在感のアピールに努めた共産党」 え? 「暴力革命」とか「破壊活動」じゃなくて「コロナ政策の提言で存在感をアピール」? これって、むしろ政党として褒めてないか。 いや、でも、本文にはさすがに何か破壊活動を示唆するようなことを書いているはず、と思って目を移すと、レポートはこう始まる。 〈共産党は,1月,平成29年(2017年)以来3年ぶりとなる「日本共産党第28回大会」を開催した。大会では,安倍政権の一連の施策について,「憲法と平和,暮らしと経済,民主主義と人権などあらゆる分野で,戦後どの内閣もやってこなかった史上最悪の暴政の連続だった」と批判した。そして,この状況を打開するには,野党が政治的立場の違いを乗り越えて結束し,政権交代を目指すことが重要であると強調した上で,次期総選挙に向け,「野党間で相互敬意をもって一致点で団結し,連合政権をつくるために力を尽くす」などと野党共闘の発展を訴えた。大会には,「日本共産党第27回大会」(平成29年〈2017年〉)に続き,他野党・会派から来賓を迎え,挨拶の場を設けるなどして,共闘の印象付けを図った。〉 本文が始まっても「暴力革命」や「破壊活動」に関係する記述はなかなか出てこず。その代わりに書かれていたのが、安倍政権は史上最悪の暴政の連続と批判し、その打開のために野党が一致団結しようと呼びかけた、という話だった。公安調査庁の解釈では、もしかしたらこれが「破壊活動の前触れ」ということになるのだろうか。さらに、レポートはこうつづく。 〈また,大会では,「日本共産党第23回大会」(平成16年〈2004年〉)以来となる綱領改定を行い,従来から取り組んできたジェンダー平等社会の実現を目指す旨新たに規定し,女性層に寄り添う姿勢を明確にした。なお,中国については,尖閣諸島周辺海域における中国公船の領海侵入など覇権主義的行動が深刻化していると指摘した上で,「日本共産党第23回大会」で同国を評価した部分を削除した。大会後,共産党は,大会決定や改定綱領の下,令和4年(2022年)の党設立100周年に向けて,党員数及び「しんぶん赤旗」読者数を,大会開催時と比べて3割増とすることなどを目標に党勢拡大活動に力を注いだ。〉 ■公安調査庁が共産党の「各地で生活物資の配布活動」「中国批判」を明記 まるで共産党の宣伝パンフ 相変わらず、「暴力革命」「破壊活動」の記述はなく、今度はその代わりに「ジェンダー平等社会の実現を目指す旨新たに規定」「女性層に寄り添う姿勢を明確にした」……。その上、この「回顧と展望」では、共産党が中国共産党批判をおこなっていると記述。ネトウヨ連中がわめいている「共産党は中国の手先」説を否定する形になっていた。 もはや共産党の広報紙か「しんぶん赤旗」でも読まされている気になってくる。いくらなんでもこのままでは終わらないだろう、とさらに読み進めたのだが、後半部分にあったのはこんな解説だった。 〈共産党は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大を捉え,「新型コロナ危機を体験して, これまでになく多くの人々が政治に目を向けている」と指摘した上で,無党派層を中心に 入党の働き掛けに努めた。この取組では,政府が打ち出した各種政策を捉え,全世帯へのマスク配布や「GoToトラベル」をめぐる対応を批判するとともに,党独自あるいは他野党と共同で提言や政府に対する申入れを行った。〉 〈また,共産党は,党の援助を受け,党幹部も輩出している青年組織・日本民主青年同盟とともに,各地で生活物資の配布活動を実施し,「党・民青と学生の結びつきが生まれていることから,民青を支え,援助を強めることが重要である」などと同活動を評価した。〉 〈9月に発足した菅政権に対しては,安倍政権の政治姿勢を全面的に継承する体制であると 批判し,対決姿勢を鮮明にした。また,次期総選挙については,「しんぶん赤旗」などで,次の総選挙で政権交代を実現するという本気度を国民に示すことが大事であると繰り返し訴えるとともに,いつ解散・総選挙になっても市民・野党共闘の勝利と党躍進を必ず勝ち取る構えで戦い抜くと強調して,選挙準備を進めた。〉 公安調査庁が列挙しているのは、アベノマスク批判に「GoTo」批判、コロナ対策の提言や政府へ申し入れをおこなったこと……。挙げ句、生活物資の配布活動を各地で実施したとも書いているが、これ、コロナ禍で市民に寄り添ういい政党だなあ、という感想しかない。むしろ、共産党の善行を喧伝する公安調査庁は共産党の手先なのではないか?と疑ってしまいそうになるほどだ。 しかも、レポートはここで終わり。まさかと思うかもしれないが、これが公安調査庁による「共産党」にかんする2021年版の調査結果の全部なのだ。 安倍・菅政権の閣議決定および八代弁護士の主張、氏を擁護する人びとは、「共産党は暴力革命路線を捨てていない」とする根拠として公安調査庁による調査対象団体に指定されていることを挙げていたが、その公安調査庁は、たんに共産党を調査対象団体にしているというだけで、共産党のPR原稿としか思えない調査結果しか残せていないのである。まったく、これほどの税金の無駄遣いがあるだろうか。 |
「政府の閣議決定」と「公安調査庁」の実態に光をあててくれた八代英輝は「思わぬ大誤算」と臍を噛んでいるかもしれない。
さて、日本が「誤輪のバブル方式」ならぬバブル経済のころは、金が余って仕方がなかった銀行が多くの地元の中小業者に積極的に融資していた。
しかし所詮は「泡」なのでその崩壊も早く、その後は各金融機関は貸し倒れ回避のために、今度は「貸しはがし」と呼ばれる返済の滞ったことのない企業に対しても、融資を減額したり取りやめたりして、資金を強引に回収することに奔走していた。
しかし魑魅魍魎の政界では権力闘争のためには自民党内で他派閥の議員に対する「引きはがし」が横行しているらしい。
今回の自民党の総裁選は本日告示で正式な候補者がそれぞれ第一声を上げるのだろうが、総裁選では「公明正大な選挙」など行われたためしがない。
なにしろ「公職選挙法」適用外の身内の醜い争いなので、見かけ上は「自由投票」と決めた各派閥でも若手議員が「突破力がある」と錯覚し河野太郎支援に回っているが、水面下では、小泉進次郎、石破茂が支援表明した河野太郎一派(小石河連合)に危機感を募らせた安倍晋三一派による「引きはがし」工作が行われている。
まあどうでも良い話なのだが、分かりやすいサラリーマン向けの記事が出ていた。
【お笑い自民党総裁選】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) September 16, 2021
ヘソが茶を沸かすポエム大臣の党改革
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/0Dp4hOaojy
「「岸田、河野両氏とも森友疑惑の再調査を『必要ない』としています。安倍政権下のスキャンダルにメスを入れずして、どこが改革なのか。9年間に及ぶ安倍―菅政権の総括も避けている。数々の疑惑を抱え、新型コロナウイルス対策で失策を重ねた安倍・菅政治をどう評価するのか。決別するのか否か。この点をハッキリさせない限り、どちらが新総裁に選ばれても傀儡とのそしりは免れません」(政治ジャーナリストの角谷浩一)
「岸田氏と高市氏は安倍政権で、河野氏は安倍―菅政権で要職に就いている。この9年間の国政を批判すれば自分にも跳ね返るリスクをみな抱えています。石破茂元幹事長の不出馬によって政権を真正面から批判する論戦を仕掛けるような候補者は立たず、安倍・菅政治に対する評価の争点化は回避されるでしょう。お祭り騒ぎのドサクサで、負の遺産が吹き飛べば自民党にとって御の字です。安保闘争で岸内閣が倒れ、経済路線の池田内閣が誕生したのが象徴的で、危機に直面した自民党は『表紙』をガラッと変える疑似政権交代で世論をガス抜きし、多くの場面を乗り切ってきた。世代交代や女性活躍を演出できる今回の総裁選でも錯覚を引き起こせば、その先に控える衆院選で有権者がリアルな政権交代を求めることはないと踏んでいるのでしょう。総裁選はペテン装置なのです」(立正大名誉教授の金子勝)
「リアルな政権交代を求めることはない」と自民党から見下されている有権者。
少なくとも、自民党の主要派閥の息がかかった候補者がその後の日本のトップリーダーになるわけなのだが、総選挙で自民党の新首相を認めるのか否かは有権者次第であり、自民党が単独で過半数を割ればあらたな政局が起きるかもしれない、とオジサンは思う。