新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

無能・無策の統治者ではコロナ不況から日本は守れない

2020年05月04日 12時09分54秒 | COVID-19(新型コロナウィルス)

例年ならば「憲法記念日」には屋外では護憲派の集会が6万人を超える規模で開催され、室内では改憲派の集会がそこそこに開かれていた。
 
残念ながらコロナ禍により大規模集会は中止になったが、昨年に引き続いて安倍晋三のビデオメッセージは護憲派向けに発信されていた。


翌日には緊急事態宣言の期間延長を国民に向けて発するという時期に、何を言っているのか、という批判が殺到していた。

怒りの声は枚挙に暇がないほどなのだが、安倍晋三の過去の言動を冷静に指摘するこんな声もあった。

ところで、「今週もナナメに考えた」という切り口で、30年のキャリアを誇る経営戦略コンサルタントで百年コンサルティングの鈴木貴博代表が、先日は、「一律10万円給付金は『不要不急なもの』に使うのが最もよい理由」という記事を「DIAMOND Online」に投稿していた。
 
そして、5月発売予定だった新刊『日本経済予言の書(仮)』が発売延期になり、「完成原稿のうちコロナショックに関する未来予測の箇所は早く読者の皆さんに読んでいただきたいと思い」Web上に発表した。
 
予言のポイントは、「これから来る日本の不況は、他の国々の2倍の期間長く続くということ」と「日本の経済成長の核になると期待されたおもてなし産業で倒産が相次ぐ」の2点である。
 
前半では、「新型コロナの経済打撃予測の着眼点」としてロックダウン効果を検証して、共産党の一党独裁で強権を発動しやすい中国が、「疫学的には非常に正しい対処法を中国政府は徹底した」と評価していた。
 
そして「日本経済の自粛の影響は?」では、「皮肉な話ですがパンデミックについて医療崩壊を起こさないという目的に向かって比較的うまくコントロールしてきた分、経済についてはほかの国よりも大きな打撃が起きることが予言」されるという。
 
さらに、近い将来の経済的な危機を予測していた。
 
緊急事態宣言解除のふたつのシナリオ
ここで経済への影響を考えるために、2つの幅で自粛解除日を想定してみましょう。シナリオとして緊急事態宣言の解除を最短で6月3日、感染拡大が長引いた場合は7月1日まで続くと想定します。先行する他国のデータから、日本でもそれくらい自粛が続けば感染が収まってくるのではないかという考えがベースにあります。
「いや、自粛が不十分な日本では数理モデルに基づけば7月になろうが感染者数は増加する計算にならないか?」
という疑問はあると思います。ただ前回のレポートでお話ししたように新型コロナは夏になれば死亡者数が自然に減少する可能性があります。冬の間の南半球で起きたことが日本の夏でも起きるという仮説です。自粛による感染防止効果が不十分だったとしても夏になった効果で被害が縮小し、自然に自粛も解除されることを想定したのがこの7月1日解除ケースです。
一方で仮にコロナ終息が見えない場合はどうでしょうか。実はアメリカではコロナ自粛に経済が耐えきれないと判断したいくつかの州ですでに自宅待機が解除され始めています。たとえばジョージア州がレストラン店内での食事や映画館の再開を許可、オクラホマ州、アラスカ州、サウスカロライナ州、テキサス州などでも制限緩和の動きが広まっています。国内線はロックダウンされていないため、航空機の機内は混雑を始めています。
これは感染拡大と経済被害拡大のトレードオフ(二律背反)のどちらを選ぶのかについて、世界各地で極限レベルでの政治判断が行われていることを意味します。
日本では過去のデータから、経済不況のさ中では自殺者が1万人規模で増えることが知られています。それをコロナの死者と比べるのも無粋な算数ではありますが、5月中旬頃からは経済的な理由から自粛解除を求める悲鳴が国内でも増えるはずです。
このように「とにかく解除しないと日本経済がもたない」という大合唱が起きた場合に政府がまだ感染終息の確認前に日本政府も制限解除に動く可能性があります。これが6月3日解除ケースのもうひとつ別のシナリオだと考えてください。ちなみにこの場合、自粛は段階的にしか解除されないであろうことから消費は急には戻りません。
このままいくと日本経済はどうなるか?
このように日本の緊急事態宣言の解除のタイミングがこのふたつのケースの間のどこかに落ち着くという仮定の下で、業界別の経済的な影響を考えてみたいと思います。
自粛解除の段階で最も経済的な影響が少ないのはこれまで通りの営業を続けてこられた業界です。ひとつは病院や物流、食品スーパーやコンビニ、ドラッグストア、電力や公共交通機関のようにインフラとして止めることができない業種で、これは大変な思いをしてインフラを維持していただけた対価でもあると思いますが経済的な打撃は国内企業の中では比較的小さく収まると思います。
もうひとつは結果的に自粛を避けられた会社やお店です。自粛期間でもメディアのインタビューなどで「そうは言っても生活がありますから」と言って一部のパチンコ店が営業を続けていましたが、それは皆の本音で、自粛や休業を名指しされていない業種においては緊急事態宣言後もなんとか営業を続けるための努力が続いています。その中で自粛の影響を最小限に抑えて営業を続けられた企業は幸運だったというべきでしょう。
逆に経済的に不運なのは緊急事態宣言などで名指しで休業勧告が行われた業界と、サプライチェーンが途絶えて休業せざるを得なくなった企業です。
緊急事態宣言をきっかけに休業勧告が行われた業種、これは具体的にはショッピングモールやスポーツクラブ、学習塾や予備校、パチンコ店などですが、これらの業種が4月8日から休業が始まったとして先ほどのシナリオの6月3日ないしは7月1日まで休業が続いたとします。この前提で幅で捉えると自粛期間は2か月半程度ということになります。
一般論でいえば企業というものは一定の内部留保の蓄えがあったとしても3か月活動が止まると危機的な状況に陥るものです。これらの休業勧告組について経済的な大打撃はまぬかれない状況であることがわかります。
ところがそれ以上に経済的な打撃が厳しい業種があります。それが先行自粛組です。スポーツやイベント業界は2月22日から自粛が始まっています。飲食店や映画館、カラオケボックス、遊園地やテーマパークなどもこの自粛の影響で同じくらい前から実質的に客足が止まっています。その影響期間は4か月前後と、先ほど触れた休業勧告組よりも長いことになります。
そして最も深刻なのが観光業界やインバウンドに依存していた産業です。春節から数えて実に5か月前後の影響期間が予測されるわけですが、そこで緊急事態宣言が解除されたからといって旅行客が戻るにはさらに時間がかかります。そうなってくると業界全体で大規模な倒産が続く危険性は否定できません。
世界的に倒産が相次ぐのがLCC(低コスト航空会社)です。たとえ従業員を大規模に解雇したとしても航空機のリース代は毎月キャッシュで出ていく一方です。
この休業の長期化の問題は日本経済全体でみれば人災でもあります。ロックダウンに踏み込まず意思決定も遅かった日本の自粛要請方式では、その自粛期間がだらだらと長くなることで、先に自粛が始まった業界から順に倒れてしまうのです。
その打撃規模はアメリカの予測のように経済成長率が-24%まで落ち込む規模になるでしょう。ただし日本特有のリスクはそのマイナス期間が長くなるということと、特定業種が壊滅的な打撃を受ける可能性があるという二点です。
ざっくりとした指摘になりますがアメリカ経済が3か月壊滅的な打撃を受けるとしたら、日本経済は同じ打撃を半年分受ける可能性があると予言しておきます。
そして9月頃には航空業界、ホテル業界、観光バスや旅行会社、インバウンド向け小売業などの観光業界、イベント業界、飲食店、夜の歓楽街など幅広い業種で、コロナ倒産が相次いでいくはずです。
わたしの周囲ではイベントを開催するライブハウスの経営が持ちそうにありません。もし自粛が解除されたとして、その段階でイベントを行うハコが閉店してしまったら、文化人も芸人もアングラライターも地下アイドルも活動の場がなくなってしまい、自粛期間と同じ収入が絶たれたままの状態が続いてしまいます。
そこに最悪の想定としては、秋になり新型コロナが再流行する。それは日本経済にとって悲劇以外の何物でもありません。
経済の専門家として「不条理だ」と感じることは、最大被害を受ける業界がこれまで日本経済再生のカギだと言われてきた業界に集中していることです。それはインバウンドであり、クールジャパンであり、おもてなし産業です。持ち上げられてきた割にはここまでの政府の対応は冷たいと感じざるをえません。
オリンピックが開催される場合に最大経済効果をもたらすのはこれらの産業に訪日外国人が落とすお金だと日本のシンクタンクは試算しています。それがコロナで軒並み経営破たんするとどうなるのか?
わかりやすいシナリオとしては日本より先に回復する外国資本が救済の名目でそれらの企業や設備を買収してまわるかもしれません。オリンピック開催国のおいしいところが海外に流出する。それは日本にとって怖いことだと思いませんか。
コロナで不足したマスクをシャープが急遽増産して供給してくれています。そのシャープもリーマンショックと東日本大震災の不況を乗り切れず、日本企業からの救済の手が差し伸べられないまま外国資本の会社になりました。
それでも自虐的に言えば破たんした企業を買収しようとする相手がいるのなら、それはまだ日本経済にとっては最悪の話ではないのかもしれません。最悪なのは世界から「日本は投資をする魅力がない」と見放されるときなのですから。

 
すでに中小の個人企業では倒産による閉店や自殺者まで出始めている。
 
さらには、「『コロナ倒産』本格化、追い込まれたホテル業界」という現実的な話が伝わってきている。
 
「感染拡大と経済被害拡大のトレードオフ(二律背反)のどちらを選ぶのかについて、世界各地で極限レベルでの政治判断が行われている」にもかかわらず、曖昧な政策から「休業の長期化の問題は日本経済全体でみれば人災」となってしまう。
 
思想家の内田樹は、「リスクと共生する」と題してある週刊誌にこんなことを書いていた。
 
1月のはじめに武漢での新型肺炎の発生が知られてから3月末まで、日本政府は「水際作戦」の成功と東京五輪の成功を夢見て、「最悪の事態」に備えることをしなかった。これを無能・無策と謗る人が多いが、統治者一人の責任に帰すのは気の毒だと思う。日本人というのは総じて「そういう人たち」だからである。
「最悪の事態が到来したときに、どうやって被害を最小化するか?」という問いが脳裏に浮かばないのである。そういう発想をしないようにこどもの頃から学校でも家庭でも訓練されてきたのだから仕方がない。・・・中略・・・
 ウィルス相手に人間側に「勝ち」はない。できるのは「負け幅」を減らすことだけである。「負け幅を減らす」ための知恵や工夫を評価する文化がない。それを認めるところからしか「次」始まらない。

  
英語圏との文化の違いだといわれても、容易には受け入れがたいものがある。
 
常日頃「国民の生命と財産を守る」と言い続けてきている無能・無策の統治者一人を、日本人の文化論で免罪にするわけにはいかない、とオジサンは思う。
 

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